初心者のための登山とキャンプ入門

石巻のボランティア3日目 最終日

カスカファッション内の様子

民家の泥取り作業2日目

昨日と同じように、今日も6時半頃に起きた。
寝袋から体を起こすと筋肉痛。腰の上の方の筋肉が痛い。
朝食は昨日と同じくパンとコーンスープ。
メンバーの一人がインスタントラーメンを食べていたのでスープを少しもらう。
死ぬほどうまい。
次回からは僕もラーメンにしよう。

今日の作業は引き続き高橋さん家の泥取り。
昨日終える事のできなかった庭をフィニッシュまで持っていくのだ。
空は今日も晴れている。
3日間連続の素晴らしい空だ。

高橋さん家に着くと、早速皆仕事にとりかかった。
2日目なのでみな自分が何をすべきかわかっている。
僕は同じ作業をし続けるのが苦手なので、
土のう袋を締める作業と運ぶ作業、
それに飽きたらツルハシで地面を削ったりした。
他の皆は基本的に二人一組で泥を土のう袋に入れる作業をしていた。

どれくらい土のう袋の口を閉じただろうか。
気がつくと右手の革手袋に穴が開いていた。
みな元気に働いている。
半分以上のメンバーは僕よりも若い20台前半から半ばの子だけど、
みんなひたすらにがんばっていた。
自分が20代前半だった頃を思うと、みなすごいと思う。
きっとまっとうな大人になってゆくのだろう。

昼が過ぎて日が傾くにつれ、みんなの口数は減っていた。
特に自分の口数が減っていったし、しゃがんだり立ったりするだけでつらい。
明らかに自分の脳力以上に動いてしまったようだ。
今日で終わりだってわかっているから、後悔しないよう働きたいんだ。

みんなの頑張りで仕事ははかどり、2時過ぎには庭と駐車場の泥は全てとった。
土嚢袋は昨日よりも多くなった。
余った時間は家の中の掃除をしたり、庭に落ちているゴミを拾ったり、
花壇をかっこ良く作ったり、集合写真を撮ったりなんかした。
今日も高橋さんは沢山の差し入れをしてくれた。
庭は本当に綺麗になった。高橋さんも喜んでくれた。

カスカファッションに戻ると色々と慌ただしい。
今夜は東京に向けて出発だから、やることが多いんだ。
備品の掃除、お手伝い、シャワーを掃除してシャワーを浴びて、
それが終わるとコンビニに行って帰るとカレーを食べた。
その後はみんなで集まって「被災地のためにできること」みたいな事を発表しあった。
そして8時過ぎ、新宿行きのバスに乗った。

班のメンバーからのメール

東京に戻ってから数日後、メンバーの一人からメールが来た。
内容は、
高橋さん家のあまりの出来栄えの良さに、
自分ちも頼む、とピースボートに依頼があり、
また別の近所の方からも同様に依頼があった、
というような内容だった。
本当に嬉しいメールだった。
短い時間だったけれど、頑張ったから、そう言ってくれる人がいてくれて嬉しい。
ボランティアとかとは全然別だけど、やった仕事が認められるってのは嬉しかった。
また行って、今度はもっと良い仕事がしたいって思う。

ピースボートでのボランティアを終えて。

初めてこう言う形でボランティアをしたけれど、思った事はいくつもある。
ピースボートと言う組織に参加することで、自分が気に入らない事もある。
発表をさせられる場であったり、寄せ書きを書くことであったり、
また基本的に若い人が中心に動いているのでノリが若い事もある。
自分の性格的に、というか若かったら良いと思うのだけれど、
年をとってきてそう言ったものが若干煩わしくなってきている。
出会いを一生懸命作ったりだとか、思い出を作ったりだとか。
でもそれは自分に向いていないだけで、ある種の人には必要なことかもしれない。

そういう事を感じたとしても、
それでも僕はまたピースボートを利用してボランティアに行きたいと思う。
理由はボランティアへのバックアップがしっかりしている事。
自分が支払う料金は一度のボランティアで1000円だけだし、
宿泊する場所もある、食事もでる、現地への送迎がある、
仕事をする場所を提供してくれる、装備を貸してくれる。他にもまだまだある。
このバックアップのシステムは本当に素晴らしいと思う。
ボランティアに向かう足が軽くなるってのもあるけれど、
何よりも自分の仕事に集中できるのがいい。
余分な事を考えることなく、朝から夕方までしっかりと働ける。
食べ物の事や宿泊先の事で頭を使う必要がないんだ。
短期間でも目一杯働ける。自分の体を使える。それが嬉しい。
こんな形でボランティアをさせてくれるところ、他にあるのだろうか。

ボランティア、今後

僕はまた近いうちにピースボートでボランティアに行こうと思う。
班のリーダーが「1ヶ月に一度は行こうと思っている」と言っていたけれど、
帰ってくるとそんな気になってくる。まだまだやる事もある。
そして素敵な人にも出会える。
今後どれくらい石巻に行くかなんてわからないけれど、
とりあえずもう一回行って働いて来ようと思う。
その後は、また帰ってきてから考えてみようと思う。