初心者のための登山とキャンプ入門

ソウルからバスで釜山へ 韓国旅行記⑦

ヘウンデのレストランにて 韓国のみんなと

韓国カフェ事情とノースフェイス問題

韓国旅行4日目、今日はソウル最終日。バスで釜山へと向かう日だ。朝7時30に起きると同室の韓国人サンギュがチェックアウトするのを見送る。フリーのトーストをかじり、日本人宿泊者と英語の重要性について話しあう。荷物のパッキングも終わる。今日は13:30にいつもの「Caffe Bene」でケビンと待ち合わせをしており、それまでは時間があった。なのでソウルミョンドンハウスからほど近いカフェに行く事にした。外から見ると落ち着いた雰囲気のカフェで、前を通る度に行ってみたいなと気になっていた。

カフェの名前はなんと言っただろうか。手元にレシートがあるがハングルを正しく読めない。アメリカーノ一杯で4,000ウォンと書かれている。Caffe Beneと同じ価格だ。
英語が話せない店員さんだったが、「ここでは飲むがテイクアウト用のカップで飲む」という僕の意思は伝わった。アジア人同士は以心伝心しやすい様に思う。ビビアンなんて僕の話す2単語くらいで僕の言わんとする事を汲み取る。勘が鋭い。人によるのかも。

そうカフェ。韓国にカフェが多いという事は前回の日記にも書いた事だけれど、どのカフェもレベルが高いと思う(スタバ基準で考えている)。チェーン店と個人的なカフェを含め4店ほど韓国では訪れたが、どれも満足の行くカフェだった。内装はどのカフェもウッディで自然志向的で落ち着くし、アメリカーノもまずくない。量もある。タバコを吸える場所はあるしWi-Fiはどこもつながった。音楽も落ち着くものをセレクトしてるし心地良いボリューム。もちろんトイレもある。
何となく韓国のカフェなんかにいると思うのだけれど、日本のスローライフ的な流れが韓国にも来ているのだろうか。まあ日本から来たとは思わないけど、同じなんだなと思った。大都会であればあるほどロハス的な人も多い。次は若者に登山ブームが訪れるだろうか。アウトドアウェアを着ている人はたくさんいるけれども。

カフェを出てゲストハウスに戻ると日本人宿泊者とランチをした。何というお店の名前か忘れたけど、彼らが言うには「韓国の松屋」という事だった。どの料理も300円前後で食べられるようで、確かにメニューにこだわりが無い大衆的レストラン、と言った様な雰囲気のお店だった。”~専門店”というのも嫌いじゃないけど、こういう”日本そば屋”的な雰囲気も嫌いじゃない。

宿に戻ると韓国人スタッフと「ザ・ノースフェイス」の話をした。ノースフェイスとは世界的に有名なアウトドアブランドだけれども、韓国ではそのノースフェイスで問題が起きているのだという。と言うのも若者がノースフェイス欲しさにカツアゲをし、それが社会問題になっているそうな。なぜそれほどまで若者がノースフェイスを欲しがるのか。それは韓国のアイドルビッグバンがノースフェイスの宣伝をしているからだと言う。ものすごい影響力だ。どうりで街を歩く若者の大半がノースフェイスを着ているはずだ。5人組みの5人ともノースフェイスと言う事もある。
そしてゲストハウスのスタッフは続ける、街中であんな機能的なものを着てどうするんだ、ゴアテックスなんて必要ない、若者の間で登山は流行っていない、僕はユニクロが好きだ、と。ふんふん、いやー俺もそう思うぜ、その通りだぜ、なんて返事をしながら僕の上着はノースフェイスのゴアテックスだった。

ソウルミョンドンハウスをチェックアウトし13:30にCaffe Beneでケビンを待つも14時過ぎてもケビンは来ない。カカオトークでビビアンに「ケビンに連絡をとってもらえるか」と頼むとすぐに連絡を取ってくれた。「もうすぐ来る」と返信。うん、韓国に来るならスマートフォンはマスト。iPhone見つかってほんとに良かった。
ケビンが来ると我々はタクシーに乗って”東ソウルバスターミナル”へと向かった。東ソウルバスターミナルから釜山行きのバスに乗るのだ。そしてスーランともそこで待ち合わせをしている。

東ソウルバスターミナルからバスで釜山へ

東ソウルバスターミナルの様子

東ソウルバスターミナルは、今まで見てきたソウル中心街とは違いアジア的雰囲気で小汚い感じ。悪くない。大きなバスターミナルだし、また週末と言う事もあってものすごい人の数。目立つのは迷彩服を来た人で、ここからバスに乗って軍隊に行くのだろうか。彼女らしき人を連れた迷彩服の人が多かったので、そう言うことかもしれない。
それにしてもスーランという存在は謎が多い。基本的にソウルとかも汚いし、この東ソウルバスターミナル近辺も小汚いんだけど、その中をスーランが歩く姿を見ると違和感を覚える。街のクオリティと人のクオリティが一致しない感じ。本当に韓国で暮らしているのだろうか。普段はどんな生活をしているのだろうか。

まあそんなこんなでバスのチケット購入しようと窓口に行ったわけなんだけど、バスのチケットはほとんど売れきれており18時40分発のチケットしか買えなかった。ケビンはありえないと言っていたし、宿のスタッフもKTXはともかくバスなら本数も多いので大丈夫だ、と言っていた。よっぽど今日が混んでいる日なのだろう。そして今はまだ15時である。
時間を持て余した我々はカフェに行き韓国語講座を行い、汚いビリヤード場で30分ほどビリヤードをし、バスターミナルに戻り時間を潰した。汚いビリヤード場の中でのスーランは ”拉致された金持ちの娘” 的な様だった。

18:40分にバスは出発するのだけれども、直前になってバス乗り場が変わった。東ソウルバスターミナルは巨大なターミナルなのでバスの便数も多い。その上乗り場が変わってしまうなんて海外からの旅行者は少し手こずるかもしれない。一人だったら大変だっただろうと思った。まあとにかくバスには乗れた。ソウルから釜山。25,500Wと安いが、釜山にたどり着くまでには4,5時間かかる。

高速バスには値段によってランクがあるようだったが、我々の乗ったバスは一番ランクが上のものらしかった。シートは座り心地の良い合皮張りのシートで、前の座席との間隔も広く目一杯足を伸ばす事ができた。運転席付近には大きなテレビがあり、それをイヤホンで聴くための装置も肘掛けに備え付けられていた。このバスで釜山まで25,000Wほどでいけるのなら安いものだ。

僕の席はスーランの隣だったので、ここぞとばかりスーランに話しかけようと思ったのだが、横を見るとスーランは疲れ切った顔をしていた。その顔を見て僕は一言も話しかけられなかった。そうなんだ。みんな疲れている。ケビンもそうだしスーランも、そして僕も。特にスーランは僕に付き合って3日間連続で歩き続けている。さらに明日も歩くだろうし、明後日はまたバスに乗ってソウルだ。僕はみんなを巻き込んでるな、と思い申し訳なく思った。みんな楽しんでいるだろうか?複雑な気分だ。

バスは定刻に出発し、2時間走るとどこかのサービスエリアで20分間の休憩をとった。ミョンドンソウルハウスのスタッフの兄ちゃんは、サービスエリアの屋台がうまい、エキサイティングだと言っていたが、我々がサービスエリアに到着した時には全てのお店が閉まっていた。遅すぎたのだろう。
そしてまたバスは夜の高速を走る。二人は寝ている様だったが、僕は眠れなかったのでずっとテレビを見ていた。ニュース、ソープオペラ的なドラマ、バラエティ、ニュース、と続いた。音もイヤホンで聴いているわけでもないし何を話しているかもさっぱりだったけど、それはそれで楽しめた。暇な時は想像力で楽しめる。

ヘウンデに到着。リブとビビアン。

0時くらいに、我々は釜山のヘウンデ(海雲台)に到着した。海沿いの街だ。バスから降りただけでもこの街がなかなか素敵だと言うのがわかる。道路が広く車通りが少ないし、そして全ての建物の背が低く空が大きい。海の街だな、夏が似合う街だな、って感じ。夏の夜お酒を飲んだ後に散歩でもしたら気持ち良さそうなところだ。まあその時にはすごい数の人がいるだろうけど。

そんなヘウンデの町並みを眺めながら歩いていると、、、リブ!ビビアン!そしてジョンミン!やっと会えた~。超懐かしい。ジョンミンは一昨日会ったから懐かしくはないけど、リブとビビアンは本当に久しぶりだ。二人とも何も変わってない。見た目もテンションも。素敵だ。
再会を喜び合うと僕らはレストランに入った。僕もスーランもケビンも何も食べていなかった。

薄暗い大人な雰囲気のレストランで食べるチキンはとても美味しかった。何というお店だったか相変わらず覚えていない。オーブンで焼いたチキンでさっぱりとして美味しかった。最近このレストランは人気なの、とリブが言っていた。うん、うまい。
それにしてもリブの歓迎っぷりはすごい。ここまで歓迎してくれるのはリブの上には犬くらいしかいない。嬉しいものだ。韓国に来たかいがある。そして、やっぱり韓国と言ったらリブとビビアンだなあなんて事も思った。ニュージーランドで最も長く時間を過ごしたのはこの二人だし、最も話した。二人とも無邪気で感情が良くでる。僕が好きな性格だ。彼女くらいの年齢でこんなに無邪気な子は日本にはいないんじゃなかろうか。知らないけど。ま、とりあえずみんなに会えてほっとして疲れがでた。お土産のまめぐいも喜んでくれて良かった。

ヘウンデの ”Hello Guesthouse”

ヘウンデでのゲストハウスは「Hello Guesthouse」。リブかビビアンかどちらが予約をしてくれていた。部屋はドミトリーの8人部屋でそこに僕ら6人が入る。しかし8人部屋と言っても広いしきれい。暖房もある。というか、ドミトリーだけでなくこのゲストハウスの全てがきれいだし、ゲストハウスと言った雰囲気は全くない。デザインもシックで、高級マンションの広いフロアをゲストハウスに改造した、という様な感じもする。こんなに洒落て綺麗なゲストハウスを見たことがない。ソウルミョンドンハウスもきれいだったが、ここには到底及ばない。韓国のゲストハウスのレベルは高い。
しかしいくら綺麗でも残念なところがいくつかある。まずはトイレ。男性用のトイレは下のフロアにあるため、靴を履いて階段を降り、そしてオートロックを開けてトイレに向かう必要がある。長い道のりだ。それとシャワー。シャワー室は2つあるが、3人が入れるシャワーが2つで合計6人が一度に使用できる。しかし中に男性が入っているのか女性が入っているのかさっぱりわからないので、感覚的には2つのシャワーと言う感じ。この人数でこのスタイルのシャワーは少し厳しい。まあでも、それらを除いても素晴らしいゲストハウスと言える。スタッフも気さく。
しかし困ったことにリブがゲストハウスの宿泊代金を受け取らない。参ったなあ。諦めて「ありがとう」と言うと「そんな事言わないで、当たり前の事よ」と怒られる。いやー参った参った。ソウルだけでなくやっぱりここでも奢られる。でももう奢られるのは慣れた。日本に来なさい。その時は全力で歓迎してあげる。

シャワーを浴びたり色々してると既に2時。僕らは布団に入って電気を消したが、僕はもったいなかったのでダイニングに移動し、日記を書いたりして起きていた。色々と、今日一日の嬉しかった事を思い出しながらタバコを吸った。
今日も素晴らしい一日だ。
僕はぐっすりと寝た。