バイバイパーティ

いつも通り語学学校が終わる。しかし今日はアイヴァンとの英語のレッスン。3時30分から5時30までということになっている。その後アイヴァンはモモティーでバイトだ。
午後のクラスが終わるとすぐ、今週キャンベルに入った日本人女性が、今日は中国人の方（アイヴァンのこと）とのレッスンはありますか、と尋ねてきた。実は食事中にアイヴァンとのレッスンの話をしていたのだ。ナイスタイミングである。これからすぐ始まる、と言い一緒にアパートに向かった。

レッスンは僕のアパートである。汚いのでどうかと思ったが、アイヴァンが基本的に部屋での授業を好むのでアパートを選んだ。確かにいつも白熱するのでカフェではやりにくい。そしてさすがのアイヴァンである。すごくフレンドリーで、すぐ彼女と仲良くなった。
3人での授業は面白かった。僕はあまり話さず聞きにまわっていたが、それでも楽しかった。アイヴァンも熱が入っている。彼女は一時期中国語を習っていたようで、中国に関するトークも聞けて面白かった。

アイヴァンらが帰ったあと、さて勉強でもするかというときにメールが来た。韓国人のキムから今どこですか、というメールである。そうなんだ。今日は韓国人のキムとジョンミンのお別れパーティで行くと約束していたのだ。すぐアパートをでてジョンミンのフラットに向かった。

ジョンミンのフラットは僕のアパートから歩いて15分くらい。8名くらいいた。7名は韓国人で、1人はベトナム人のフンである。全員フラットのリビングの地べたに座り込み、授業で使ったプリントをあたりに敷き詰めシート代わりにしていた。なかなか良いアイデアだ。料理はキムとジョンミンが手作りで用意してくれていた。お菓子やビール、韓国の焼酎などもありなかなか賑やかである。

もう二度と登場しなそうなので、ここでジョンミンの紹介をする。ジョンミンは26歳？らへんの男性である。メガネをかけて背が高くすらっとしている。クラスは午前午後とも違うが、僕と仲がいい韓国グループに属しているのでよく話す。なかなか愛嬌のあるやつである。軍隊を2年間経験しており、それだけで尊敬してしまう。そしてキム23歳。今までの日記に何度かでてきたと思う。子供の頃日本で過ごした韓国人で日本語はほぼ日本語で顔も日本人。英語もうまい。タバコを吸う仲間なので良く話す。彼を通じて、韓国の色々な文化を知る事ができる。そしてたまには韓国人との通訳もしてくれる。語学学校を卒業したら京都に戻り大学を卒業しなければならないらしい。軍隊で大学を休学していたらしい。

パーティは、ほとんどキムと日本語でしっとりと話すか、ベトナム人のフンと英語で会話をするくらいであった。あたりは韓国語が炸裂しまくっていた。しかし韓国人は見ていると面白い。男性は日本人のように静かであるが、女性は力強い。メンバーのほとんどが女性ということもあるが、会話の中心は女性である。力強い韓国語が小気味よく耳に入ってくるし、みなの表情も豊かだ。そして食べて食べて、と言って僕に肉までとってくれる。食べ物を用意した方が良かったかな、と思いお菓子を買ってくるよ、と言ったら怒られた。こうゆう風景をどこかで見たことがあるな、と思うと、日本の田舎の風景のワンシーンかも知れない。男性陣は静かに飲み、女性陣がわいわいしている。微笑ましい光景だ。

居心地がよく、なんだかんだ9時過ぎの解散の時間までいてしまった。Te Aroから見るウェリントンの夜景と満月はきれいだった。
それにしてもキムが卒業するのはとても寂しい。大人の男であった。そして彼とだけは中身のある会話をすることができた。
寂しいが、しかしまたこれも旅である。 （2/17 end）