トッポギとチャパゲティ、韓国の文化

24日の木曜日は調子が悪かった。なので学校から帰ってきて夜まで寝てしまった。調子が悪いのは精神的なものである。理由はよくわからないが、ニュージーランドから去ることが決まったからか、タウポ旅行が楽しすぎたその反動か、そんな感じで英語の勉強をすることもできなかった。しかしフェイスブックはこんな時便利である。誰かと話したいなあと思っていたら、ビビアンとエイデンが連絡をくれた。おかげで夜はぐっすりと眠ることができた。

金曜日、授業が終わるとみんなでご飯を食べる事になった。ちなみに僕の言うみんなとは、皆韓国人である。メンバーはリブ、エイデン、ビビアン、ジュ、ハンナ、スーラン、そして僕である。そして確実に僕はもう韓国グループの一員となりつつある。場所はリブが最近暮らしているバックパッカー。そこのキッチンでみんなでトッポギを作って食べた。しかしこうしてみんなで食事を食べるという事があるのも、みな韓国へ帰る日が近付きつつあるからであろう。ここにいるメンバーの半分は一ヶ月以内にはここを去ることになっている。

トッポギを食べたのは始めてである。トッポギとはコチュジャン煮込みうどん、とでも言うだろうか。湯を沸かし玉ねぎを入れ、はんぺん（おでんと言っていた）を入れ、あとは餅のようなライスケーキと言うだろうか、七五三の飴のような形をした米からできたものを入れ、うどんを入れ、コチュジャンと大量の砂糖を入れ煮込んだ料理である。相変わらず韓国人の動きは軽快である。すすすっとみなポジションにつき自分の仕事をしていた。

始めてのトッポギは美味しかった。甘辛で濃厚なのでそこまで量は食えないが昼飯にちょうどよかった。ちなみにトッポギは韓国のおやつ的なもので主食ではないようだ。

食後はアイスクリームを買ってみんなで食べて、韓国人の恋愛の話しなどを聞いた。面白かったのは、女性が男（あまり知らない）にデートに誘われても、確実に一度は断るらしい。その男の事をかなり気に入っていてもだ。これは韓国人女性全てに共通していて、自分を軽くみせないようにするためだ。なので男はくじけずに少なくとも３度はデートに誘わなければならない。またこれはテスト期間であるようで、その間に女性は男の事を人に聞いたりソーシャルネットワーキングを使い調べるようである。そして男が諦めるタイミングは、３度デートを断られたらだ。３度断られたらもう脈がないと思っていいらしい。

そんな話で盛り上がっていたら夜飯の時間となり、夜飯もそのままそこで食べることになった。夜飯はチャパゲティである。チャパゲティとは韓国のインスタントの焼きそばの様なもので誰でも知っているようだ。作り方は麺を茹でたらお湯を捨て、そこに粉末ソースを入れるというだけである。しかしこれがかなりうまい。ニュージーランドに来てうまい物の3つめをとうとう発見する事ができた。味はスパイシーな焼きそばと言った感じで、日本で大々的に売り出したら確実にウケると思っている。辛ラーメンとかは良く知られているが、チャパゲティのうまさはそれを超えていると思う。

そうそう、ニュージーランドに来て思った事の一つとして、みなラーメンを作る時鍋を使わない。ウツワに乾麺とお湯を入れてレンジでチンするだけである。これを見ると、今まで鍋を使ってラーメンを作っていたのが馬鹿らしく思える。ラーメンの種類にもよるが、この方が確実に早くて簡単である。味も同じだ。

夜飯にチャパゲティを食べたあとも、引き続きそのままバックパッカーで飲む事になり、夜10時過ぎに解散になった。昼間にリブのバックパッカーに来てから9時間以上が過ぎていた。

この日は韓国人の事をより深く知る事ができた。今まで僕は、彼らの事をほとんど日本人と変わらないと思っていたが、ここに来てかなり違うという事に気がついた。ニュージーランドではじめてのカルチャーショックである。なんと言ったら僕にはわからないが、彼らの道徳心とか教育とか、そういうのはすごい。彼らの体の中にびっしりと染み付いており、皆それに沿って行動しておりそれを大事にしている。この文化の違いに感動してしまった。知れば知る程韓国人は面白い。

土曜日。昼過ぎに語学学校の高校生女子2人がアパートに遊びに来てくれた。僕にお好み焼きとお餅を作ってくれるといい材料まで持参してきてくれた。具がキャベツだけのお好み焼であったが、久しぶりのお好み焼きはかなり美味しかった。餅もうまかった。餅は醤油と海苔、それと家から送ってもらったぜんざいに入れて食べた。お好み焼きと餅の楽しい和食のランチである。そしてこうやって日本語を自由に話しながら食べるご飯も久しぶりで楽しい。
ありがたい事である。皆がいるおかげで暮らしていけている、と思う日々である。（3/24,25,26 end）