初心者のための登山とキャンプ入門

ニュージーランドのサマータイム

気がつけば4月の4日である。日記を書けないと思いながら、本当に3日も書けずに今日になってしまった。

4月の4日。朝起きてシャワーを浴びて学校に行くと語学学校の建物内は暗くドアも開かなかった。9時だと言うのにおかしな事だ。今日は祝日だっけかなと思っていると、マネージャーのスーザンがやってきたので休みではないことがわかった。そういえば先週のアセンブリーで、スーザンが1時間がどうのこうの言ってたっけ、ということは授業は10時から始まるのかな?と思い、アパートに戻り暇つぶし用の英語のテキストをとりまた学校に戻ってきた。

教室に入り英語の勉強を始め9時半になるも誰もこない。
やはり授業の時間が全体的に1時間ずれたのであろう。僕以外全ての生徒はそれを理解していたようである。残念なことである、と思いながら英語の勉強をしていた。途中で韓国人のハンナが来たのでその事を告げると、ジャスト1時間ずれたと言っていた。なるほど。

ぼちぼちとみんなが来始め、授業は普通通り始まり、普通通りに終わった。今日は学校でランチを食べず、そのまま帰って途中でミートパイを買って部屋で食べた。そして学校の宿題をやりながらふと思った。授業が10時半に始まって12時半に終わったら、2時間しか授業を受けてない事になるじゃんと。僕は確かに12時30に授業を終えた。2時間しか授業を受けていないのに従来通り授業料を払うのはおかしくないか?と思いキャンベル語学学校の授業料を見るもそんな事は一切書いていない。これはおかしいだろう。しかも誰もこれに文句を言わないのだろうか、僕は明日何時に学校に行けば良いのであろうか、と思いつつも勉強を続けた。

僕は3時半にコリアンの仲間たちと語学学校で会う約束をしていた。オーストラリア旅行計画をたてるためだ。そんな事を考えながら勉強していると、時間の感覚がおかしい事に気がついた。どうも時間の進み方がおかしい。そして携帯の時計を確認すると、なんとパソコンとの時間が1時間もずれていた。ついついオーマイゴットと口走り、ネットでニュージーランドの時間を確かめてみる。するとどうやら携帯の時間が間違っている事がわかった。
なるほど、先日エイデンにシムカードを見せる時に携帯の電池を取ったのが原因か。その時間違って時間を設定してしまったのだろう。ということは、エイデンの携帯も間違っているんじゃないか?僕はエイデンのアイフォンの時間にあわせたのである。

そしてさらに恐ろしい考えが浮かんできた。
いったい僕はこの時間のずれた時計で何日間過ごしてきたのであろうか。よくもまあ今まで問題なく来たものである。しょっちゅうパソコンの時間を見ていたからだろうか。
しかし一番気になるのは先週の土曜のことである。エイデンにお好み焼きを食べさせてあげようと、日本人の女の子に声をかけて僕のアパートに来てもらったが、その時僕は待ち合わせに何時に到着したのだろうか?12時に約束していたつもりが13時にいったのであろうか?あの時は確実に携帯の時計を見ていたから、確実に僕は13時に待ち合わせ場所に行ったはずである。そして僕は待ち合わせに1時間も遅れた事を全く詫びなかった事になる。なんたる醜態だろうか。これは早く学校に行って事実を確認せねばならない、そして謝らなければならない、と思い勉強する気にもならず急いで学校に行った。

学校に行き3時半になると僕は日本人の女の子に声をかけた。
「ちょっと変な事聞いていいかな、俺この間の土曜日何時に待ち合わせ場所に行った?」
「12時です。」
「いやあよかった、俺の携帯の時間がずれててさ、1時にいっちゃったかと思ってね。」
「サマータイムとかでごちゃごちゃになっちゃったんじゃないですか。」
「・・・・・」

サマータイム・・・、と思いつつも、急いで授業を終えたエイデンのもとに向かい彼のアイフォンをチェックする。彼の時計は間違っていない。先ほど直したばかりの僕の携帯の時間と全く一緒である。
そしてエイデンは僕がなぜあわてているかわかったようだ。そして僕も全てがわかった。

僕の携帯の時計やパソコンが間違ったわけでもなく、エイデンのアイフォンが間違っていたわけでもない。世の中全体の時間がずれたんだ。世の中全体の時間が1時間、ぐいーん、とどっかにずれたのだ。まさか世の中の時間がずれてしまうなんて思いもしなかった。ありえない。すげえ気持ち悪い。
サマータイムという物が終りを告げた、という事は直感ですぐに理解する事ができたが、それでもなお気持ちが悪い。人に聞けば、ああそうなんだと理解できるが、この自分で時間のズレを発見した時の気持ち悪さ。妙な気分である。

僕は今日一日自分の事をエイリアンだと思っていた。というのは言い過ぎだけど、なぜ僕以外の人はこんなにもいつも通りなのだろうか、と思っていた。授業が10時半に始まり12時半に終わってるのに、なぜ冷静でいられるのだ。かりに僕の勘違いで授業が1時半に終わっていたとしても、昼飯を食う時間が完全に遅くなるじゃないか。なぜみんな普通なんだ。人との距離が完全に遠く感じていたし、皆が別の世界の住人に見えていた。すごく気持ちが悪い一日を過ごしていた。

サマータイムのおかげで、みんなと同じ時間軸を持たないと気持ちが悪い、という事を学んだ。今は若干慣れつつあるが、まだ時間を疑ってしまう自分もいる。そうだ、しかしこれで日本との時差も3時間になったのだ。なんで今まで4時間なのだろうと思っていたが、これで合点がいった。僕は馬鹿なのであろうか。

ちなみにサマータイムの理由は、ウィキペディアによると省エネがメインであるようだ。あとアイバンに言わせるとニュージーランドではサマータイムとは言わず、デイライトセービング、と言うそうだ。(4/4 end)