初心者のための登山とキャンプ入門

飲茶で中国の素晴らしさを知る

昼前に起きて少し勉強すると、コートニープレイスに向かった。アイバンとアイバンの彼女と飲茶をするためである。今日は久々の快晴。肌寒いが気持ちが良い。

ドラゴンズ。というレストランで飲茶をした。飲茶をする、という言葉の使い方であっているだろうか、飲茶を食べる、という使い方だろうか。まあそんな事はどうでもよいか。ドラゴンズ、カタカナで書くとしょうもない感じになってしまうレストランであったが、かなり大きなレストランで昼だと言うのに満席であった。白人の客も多い。そして不安の種であったアイバンの彼女の僕に対しての接し方も普通であった。険悪にならずに済んだ。

初の飲茶である。興味津々だった。蒸し器?竹製のまんじゅうなどを蒸す時に使う器をたくさん載せたワゴンが僕らのテーブルにまわってくる。ウェイトレスはアイバンと話しながらその蒸し器の中身を見せている。蒸し器からはもうもうと湯気が立っており、それぞれ違う料理が入っている。その中からアイバンが数種類をチョイス。そして僕らのテーブルに置かれる。テーブルはおかずが並び豪華になった。豚の軟骨の炒め物、牛肉の炒め物、エビの入ったプリプリのシュウマイ的なもの。

どれも恐ろしくうまい。食べている間にも次々とウェイター、ウェイトレスは皿やワゴンを持って僕らの席を通りすぎる。アイバンは飯を食いながらも毎度それらをちらみしてチェックする。お気に入りがきたらそれをピックアップする。ウェイトレスはテーブルの伝票にチェックを入れる。

飲茶とはこんな流れであるが、まとめると人間回転寿司、という感じだ。目で見て自分が欲しいものを選ぶ事ができるので大変嬉しいし、小皿料理なのでおかず好きにはたまらない。次々とうまそうな物が目の前を通りすぎて行くので、ついついそれに手が出てしまうという刺激的なスタイルの食事だ。

回転寿司と同じ様に、値段は皿ので決まる。確か4ドルから6ドルまでの皿が用意されていただろうか。そして各皿には毎度3個ずつ食べ物が乗っている。小龍包、シュウマイ、餃子、どれも3個ずつ皿に載っていた。アイバンに尋ねると、大抵3つか4つ入っていると言っていた。

暖かいお茶?烏龍茶は飲み放題である。おかわりが欲しい場合は烏龍茶が入った容器の蓋をずらして取っ手の上に載せておく。そうするとヤカンを持ったウェイターが通り過ぎるときにお茶を継ぎ足してくれる。アイバンが僕の湯のみにお茶を注いでくれる。こんな時、ありがとうのサインを示すには湯のみの横のテーブルをトントンと叩くそうだ。食べ物が口に入ってありがとうと言えない時に、こうやって感謝を伝えるらしい。でも想像すると、食べ物のせいでしゃべれない、というより食べることに集中している、という絵が浮かぶ。中国人すごい。

とにかくうまかった。そして感動した。ダックを食べた時と同じ様に、大中国の偉大さを体でフルに感じる事ができた。なんでかわかんないけど、中国人すげえなあ、と思うのは中華料理を食べている時である。感動のレベルで言ったらクラシックのコンサートを生で聞いている様な感じ。もちろん内容にもよると思うが、クラシックコンサートを生で聞くと楽器の音の振動が体にぶつかる。体全身で音楽を聞く感じ。中華料理を食べるとなぜか同じ感覚になる。口だけじゃなく、体全身にズシンとくる。なので一品食べ終わると拍手をしたくなる。中国には必ず行かなければならないな、と思った。

飲茶感動話しはまだ続く。料理は本当にどれもこれもうまかった。小龍包も餃子も、何かのすり身を蒸したものに椎茸を載せたものもうまかった。杏仁豆腐もうまかったが、見慣れないものでうまかったのはエッグタルトである。黄色くてフワフワしたカスタードのタルトだ。ほのかな甘味と、暖かいカスタードがうまかった。エッグタルトが来た時、アイバンは手を叩いて喜んだほどである。

残念な事は白いご飯が無いことだ。アイバンに尋ねると、できないことはないと思うが、今まで白いご飯を食べている人を見たことがない、と言っていた。寿司屋に行って塩焼きを頼む様なものだ、と言っていた。なるほど、なかなかわかりやすい例えだ。

料金は一人16ドル。あのクオリティの高さを思うと安い。中国人も満足の味である。そして僕はまたここに来るだろう。次は量が食える人間を連れて、そしてリミットを外して獣になるのだ。(4/9 end)