初心者のための登山とキャンプ入門

キャンプ場とはどんなところ?

ティピーで楽しむ人々 イラスト

キャンプ=テントで泊まる・たくさんの道具が必要、と考えている方はたくさんいると思います。でも実はキャンプ場には色々な宿泊施設がありますし、道具のレンタルもできます。なので極端に言ってしまえば手ぶらでもキャンプを楽しめてしまうのです。このページでは、そう言ったキャンプ場にある様々な施設、宿泊施設を紹介しています。

キャンプ場の種類

キャンプ場とは一般的に、有料でテントを張らせてもらい水場やトイレを借りられる施設のことですが、その設備の違いは千差万別です。手ぶらで行ってお肉からコンロからすべてがレンタルできるような施設もありますし、大型の遊具が併設されていて何時間も遊べてしまうようなところもあれば、穴をほってベニヤで囲んだだけのトイレがポツンとあるだけのようなキャンプ場も有ります。

オートキャンプ場

オートキャンプ場

そのなかで大きく計画を左右するのは、”オートキャンプ場” か、そうでないかによると思います。オートキャンプ場とは、車を自分のテントサイトの中まで持ってくることができ、車もキャンプの一つの道具として使うようなイメージです。例えば荷物入れ、扉を開放して休憩所、寝るときのベッド、横のサイトとの壁、風よけ・・・などです。

真横まで車を持ってこれるので、荷物の出し入れに時間が取られない点と、余計な荷物は入れっぱなしにしておけばいいので必要か不要かを悩まずにとりあえず車に積んでおこう、という気軽さもメリットです。タープや椅子を贅沢にセットして、豪華な料理をワイワイ楽しむようなキャンプをしたい場合にも人気です。

デメリットとしては、キャンプ場の中を少なからず車が往来するので、動きまわるような小さい子供がいる場合は気を使う必要が出てくるかもしれません。また ”オートキャンプ場” と名乗っている施設は、多くが快適な設備が整っている場合が多く、料金も高めです。

それ以外のキャンプ場(野営サイト)

オートキャンプ場との違いは、駐車場に車を留めてそこからテントサイトまで歩いて荷物を運ぶという点です。テントサイトの横を車が走ることはないので、子供が居ても安心という点があります。また、せっかくキャンプに来たのに視界に入るのは車ばかり、という状況を避けたい人にも向いています。このようなキャンプ場はオートキャンプ場に対して ”野営サイト” と呼んだりもするようです。

駐車場からテントを張る場所までは、車が走らない分、土の道だったり細い道だったりすることもありますが、多くのキャンプ場ではリヤカーを無料で貸しもしています。荷物の運搬が心配な人は、予約時に確認すると良いでしょう。

オートキャンプ場に比べて利用料が安いことが多いですが、冒頭に書いたようなワイルドなキャンプ場から快適そのもののキャンプ場まで、開きが大きいのはこちらのタイプです。整った施設や清潔さを求める人は事前にチェックが必要です。

また、不便でもいいから本当に自然を楽しみたい人には、登山者の人が使う ”キャンプ指定地”もおすすめです。一人一泊600円とか800円とかという値段です。管理人が居て料金を徴収されるようであればトイレや水場は使える状態でしょうが、管理人が不在の場合は、水場があっても水が出ないなどということもあります。ゴミはすべて持帰りになりますし、夜中に鹿が出てテントの外に置いておいた食べ物をあさる事もありますので、そのあたりの配慮は必要ですが「人混みでキャンプするのはお断り」、という人には良いでしょう。また登山の人は早朝に出発することが多いです。状況に応じてですが、夜8時以降はテントの中でも小さな声で話すというような配慮があると良いでしょう。

野営サイト

テントサイトの種類

テントサイトもしくはキャンプサイトとは、キャンプ場のなかでもテントを張るスペースのことを指します。区切られているかいないかにともなって、設備や性質に違いがあります。

区画サイト(オートサイト)

キャンプ場 区画サイト

予め地面に張られたロープなどで区切られたスペースに、車・テント・タープなどをすべて設置する、というサイトです。広さは10m☓10mくらいが多いようです。ハイシーズンにキャンプを予定している場合は、予約しておける、というメリットがあります。また、人数が多かったり初心者や子供も多くいるキャンプで、「テントを張る場所がみつからない」なんて事態にならないためには予約できたほうが安心です。また、遅く到着する場合などや、荷物が多いから絶対に車を横付けできないと困る、という場合にも便利です。また、区画内にAC電源が付いているところも多く、水道付きの区画サイトを設けているオートキャンプ場もあります。料金はフリーサイトに比べて高めですが、施設が充実していたり芝生がキレイに整っていたりなど、整備の行き届いたキャンプ場が多いので初心者にはオススメです。

しかし、区画サイトの中で ”ここの場所” というところまでは予約できないことが多いので先着順に良い区画が埋まっていきます。また、すぐ隣の区画には別のグループが居ることになるので、混雑時にはどうしてもフリーマーケットか祭りか、というような賑やかな雰囲気なることも多く、これは好みの別れるところです。

フリーサイト

キャンプ場 フリーサイト

地面に区画が区切られていないサイトです。他のグループと離れた所にテントを張ったりと自由に場所を選べます。車を駐車場に置いてくるタイプ(野営サイト)が多いですが、車をテントの横まで持ってこられるタイプもあります。

空いていれば他のグループに隣接する必要もないですし、広々と好きな景色を選んで張れます。便利・確実・安心という点では区画サイトに劣りますが、より自然を楽しむことができるチャンスがあるのがフリーサイトです。少人数や気心の知れた仲間同士で身動きも取りやすいとか、それほど豪勢なキャンプをするのでもない場合はフリーサイトから検討を始めて良いのではないかと思います。

しかし予約ができないことが多いため、ハイシーズンになると場所の確保が不安になるところです。まずは電話で混み具合の様子を伺ってみましょう。もし人気のキャンプ場で混雑が予測されるのなら、早めに到着してまず場所だけ確保してしまう、などの対応が必要になります。電話をかける際には、車をテントの横に付けられるタイプか、付けられないなら運搬のための車の乗り入れば可能か、不可能ならリヤカーの貸出はあるか、などを確認しておくとよいでしょう。

実際に場所を決めるときは景観や他のグループとの距離だけでなく、炊事場や水場との距離、トイレの位置、人の動線なども考慮して決めましょう。

キャンプ場の宿泊施設

キャンプというとテントに泊まらなければいけないと思い込んでいる方も多いのでは無いでしょうか。キャンプの醍醐味はテント泊ですが、テントや寝袋、マットといったキャンプ用品を一から揃えなければならないので初めはとても大変です。しかし宿泊施設を利用すれば、テントや寝袋などが無くてもキャンプを楽しめますし、テント泊に不安がある人や小さなお子様がいる場合は不安を減らす事が出来ます。また宿泊施設を利用すれば必要なものも最小限に抑える事が出来るます。高いお金を出してば~っとキャンプ用品を揃えたは良いけどあまり使っていない、と言うのはもったいないので、まずは宿泊施設を利用するのもおすすめです。

バンガロー

キャンプ場のバンガロー

基本的には、屋根と壁がついた宿泊するだけの小屋の事をいいます。一棟いくら、という料金体系で、4-5畳なら5000円くらいからと、料金も安めです。キッチンやトイレなどの設備は無いのが一般的ですが、キッチン付き、冷蔵庫付き、トイレ付き、寝具付きとなってくると料金が高くなってきます。

バンガローは自然の中に溶け込んでいるロケーションにありますので、アウトドア気分は十分に満喫できます。コテージなど他の施設に比べ料金は安いので利用しやすく、初心者でテントの購入で検討されている方はまずバンガローを利用してみるのも良いでしょう。

またバンガローと言っても、テラスがついていたり、エアコンが付いていたり、ログハウスぽかったり、もしくはただの掘っ立て小屋のようなものであったりとキャンプ場ごとに大きく異なるので、利用をする際には確認しておきましょう。

コテージ

キャンプ場のコテージ

冷暖房・トイレ・寝具・キッチン・食器、テレビなどがついた別荘風の山小屋です。このコテージを利用してしまえば手ぶらでもキャンプを楽しめます。コテージを利用すれば便利で快適な分、アウトドアの醍醐味であるワイルド感が無くなってしまいます。ゆったりのんびりと自然を満喫したい人におすすめの宿泊施設です。

料金が高めのコテージですが、大人数でコテージを利用すれば料金を安くする事が出来たり、メンバーみんながまとまれるので、大人数の時など状況に応じて利用するのも良いと思います。

ティピー(インディアン式住居)

ティピーとはインディアンが利用する移動式の住居で、三角の形をしたテントです。ティピーの最大の魅力は、なんと言ってもテントの中で焚火が出来る事です。これはティピーが空気力学を考えた構造と、快適に生活ができるように緻密に設計されているからです。火を囲みながら仲間と語りあったり、落ち着いて料理を楽しみながら話が出来るのは、ティピーならではの魅力です。

パオ(ゲル)

パオとは、モンゴルの遊牧民が使用している伝統的な移動式住居で、それを模したキャンプ場の宿泊施設を言います。円柱形の室内は外見よりも広く感じ、普段味わう事の無い独特の居住空間の面白さがあります。天井にはドーム型の天窓もあり、空を見ながら眠る事が出来るのもパオの魅力です。ちょっと変わった宿泊施設を利用されたい方にオススメのパオ。お子様もきっと喜びます。

トレーラーハウス

アメリカ映画でおなじみのトレーラーハウス。室内はやや狭いですが、キッチンやトイレ、冷蔵庫などの設備は充実しています。電車や車っぽい珍しい宿泊施設に子どもたちも大興奮。数も少ないことから早くに予約が埋まるところも多いです。

キャンプ場の施設

キャンプ場には快適なキャンプを楽しむために様々な施設があります。食料やキャンプ用品が手に入る売店。あると嬉しい温泉施設。マウンテンバイクや自転車のレンタル所など。目的のキャンプ場にどのような施設があるか知っておけば、新しく買わずにすむ道具や持ち物を減らす事も出来ます。またキャンプ場にある施設や設備を事前に知っておけば、キャンプの計画を立てやすく、快適なキャンプを楽しむ事が出来ます。

管理棟・受付

キャンプ場についたら、まず管理棟でチェックインをします。チェックイン、チェックアウトの時間帯が決まっていることが多いので確認しましょう。管理棟にはキャンプ場周辺の名所や施設、遊び方などの情報が沢山あります。夜間は管理棟は閉まっている場合もあるので、営業時間を確認しておくようにしましょう。

売店

売店は忘れ物などをした場合に非常に便利です。炭や薪、ガスカートリッジや電池などの消耗品から食料まで、大抵のものは売店で購入する事が可能です。初心者の方は売店があるキャンプ場を選ぶと安心です。

レンタル

マウンテンバイク、カヌー、釣り道具。様々な遊び道具のレンタルやキャンプ料理に必要な鍋、バーベキューセット、テントやタープのレンタルなど、わざわざ重たいキャンプ用品を持って行かなくてもキャンプを楽しめるキャンプ場は少なくありません。特に大人数のキャンプを企画するときはレンタルが大活躍します。
キャンプに出発する前に高いキャンプ用品を無理して買いそろえなくても、まずキャンプ場でレンタルで使ってみて、それから購入を検討するのも一つの方法です。料金はホームページで公開していることも多いです。事前に予約するようにしましょう。

バーベキュー炉・バーベキュー場

バーベキュー炉があるキャンプ場なら自分でグリルを持っていく必要が無いので、荷物を減らす事が出来ます。また、屋根が付いているなら雨天時はタープの下でやるよりも快適な場合もあります。
調理するだけのところ、椅子もあって調理しながら食べられるところ、無料のところ、追加料金が必要なところなどスタイルは様々ですので、事前に確認をしましょう。
夏の夕食の前後は混雑するので時間帯をずらすなどの工夫も必要です。

炊事場

炊事場では食事の下ごしらえや食器を洗ったりします。使い終わったら次の人の事を考えてれいに掃除しておきましょう。スポンジや洗剤は備え付けているところもありますが、自然にやさしい液体石鹸タイプの食器洗い洗剤を常備しておくと良いでしょう。
またシンクのほかに、調理台やかまどを設置している炊事場も多くあります。

自動販売機

自動販売機はだいたい管理棟のそばにあります。売店が閉まった後に飲み物が足りなくなってしまった時は自動販売機があると助かりますが、ない場合は売店がオープンしている時間に予め買っておくなどをする必要があります。

トイレ

オートキャンプ場はほとんどの場合水洗トイレです。洋式か和式かはキャンプ場により異なります。

シャワー

風呂場はなくても、だいたいのオートキャンプ場にはシャワーが設置されています。コイン式のシャワーが多いので、100円玉をあらかじめ用意しておくと良いでしょう。

温泉施設・入浴施設

温泉施設のあるキャンプ場も多くあります。キャンプ場内に無くても車で走って近いところにある場合もありますので、電話予約の際に聞いておくとよいでしょう。

ドッグラン

ペットOKのキャンプ場も最近多く、その中でもあるとうれしいのがドッグランです。また繁盛期のみはペット不可としているキャンプ場もありますので事前に確認しましょう。

ゴミ捨て場

ゴミ捨てのルールはキャンプ場ごとに大きく違うひとつです。有料引取、などもあります。指定されたルール通りにゴミを分別し、ゴミ捨て場が無いキャンプ場の場合にはゴミを持ち帰ります。
キャンプ場にとってはゴミは大きな負担です。処理費がかかりすぎて立ち行かなくなるキャンプ場もあると聞きます。もし持ち帰れるなら持ち帰って捨てるのも良いですし、出発前の準備段階からゴミを減らす様工夫できたらなおよいでしょう。