初心者のための登山とキャンプ入門

軽くて栄養満点。ひじきの煮物定食

山ごはん ひじきの煮物

ひじきは安くて軽くて栄養満点の登山の料理に向いている食材です。特に鉄分、カリウム、カルシウムなど不足しがちなビタミンやミネラルが補えるので長期山行の時はメニューに取り入れていきたいものです。一品だとさみしいのでなにか簡単な付け合せを添えて定食として食べるとちゃんとした一食分の晩ご飯になります。

石井スポーツ 登山学校

ひじきの煮物の食材

ひじきの煮物の材料

乾燥ひじき

40g入り、130円。安くてどこでも買えるのがうれしいですね。春に出る芽の部分が芽ひじきで、茎の部分が長ひじきです。芽ひじきの方が細かいですが長ひじきなら袋の上から折ってから料理すると良いです。ふやかして煮るととっても膨らみます。家で作るならあまった分は冷蔵庫に入れておけますが、登山の場合だと食べきってしまわないといけないので気軽に大量に作るわけにはいきません。特にこういった乾燥食材は水分を含むと予想以上にボリュームが出たりするので作る分量には注意が必要です。登山でメインディッシュ的に食べる場合は(他の具材にも依りますが)一人あたり10gくらいがちょうどよいかなぁと思います。

にんじん

今回は4人分を作るのに半分持っていきます。にんじんはカットして持って行っても乾燥にも比較的強いので便利ですよね。彩り的にも重要な存在です。

干ししいたけ

ひとつかみ分くらい。

めんつゆ

商品によって味も濃度がちがうのですが、今回はひじきの煮物なら5倍希釈用のものを大さじ2杯(30ml)持って行きました。

あげだま・かつおぶし

ひじきの煮物に定番の油揚げを持っていけないので代わりにと思いましたが両方共あまり存在感はなかった気もします。軽いのでお好みで入れて下さい。初日の晩ご飯や真冬の山行で作るなら油揚げやさつま揚げ、ちくわなどを持って行った方が確実においしいです。

ひじきの煮物の材料

4人分。192g。やはり軽いですし、安いです。

ひじきの煮物の作り方

1. にんじんを切り、しいたけを戻しておく

. にんじんを切り、しいたけを戻しておく

にんじんを細く切り、しいたけをカップ1杯のお湯に入れて戻しておきます。(このようにすでにスライスされているタイプなら戻さなくても大丈夫です。)

2. ひじきを戻す

ひじきを戻す

クッカーにひじきとひじきがうまるくらいの水を入れて、フタをして火にかけます。沸騰したら火を消して5分くらい蒸らしたあと、フタを押さえてすき間から水を捨てます。こうすると戻す時間も短いし大量の水を必要としないですよ。「ひじきをもっと洗いたい!」という人は普通にタップりの水で洗うのもよいですが水を捨てるときにひじきもこぼれないように注意しましょう。

3. 具を加えて煮る

具を全部加えて煮る

すべての具としいたけの戻し汁も入れ、フタをして弱火で10分くらい煮ます。焦げないように、水分が無くなってしまったら途中で追加して下さい。

4. 味付けをする

味付けをしてできあがり

にんじんが柔らかくなったら味をみながらめんつゆを加えつつ少し煮て味を馴染ませませて、最後にかつおぶしを和えます。

ちなみに、この作り方は油で炒める行程を省いたあっさりバージョンです。これでも充分おいしいですがふだんこってり系の味付けで食べている人は物足りないかもしれません。こってりしたい人は油を持って行き、お湯を捨てたあとに油を追加して軽く材料を炒めてから煮ると良いでしょう。

また、めんつゆによってはあまり甘くないものもあります。めんつゆだけだと味の調整ができないので、飲み物セットに常備しているであろう砂糖を最後に加えて調整するとよいでしょう。

できあがり

ひじきの煮物できあがり

今回ひじき40gを使って出来た量は451gです。実際に食べてみたところ、一人110gちょっとがちょうど良いと感じました。水分を含む量と他の具材の量によりますが、一人分の乾燥ひじきの量は10~15gで充分かと思います。

付け合せの例「いわしの味噌煮」

いわしの味噌煮

今回は和定食をイメージしていわしの味噌煮を合わせてみました。一昔前はカンヅメでしかなかったこういったものが、パウチで発売されているというのは登山者にとってはうれしいですよね。

カンヅメは重いし缶切りを持って行かないといけないし、何よりも下山後のゴミの分別がイヤでしたね。食べてから数日たって下山した後にゴミを開けて魚系の缶を取り出さないといけないですからね。かと言って缶だけ単独でビニールに入れれば良いかというと、それだと汁も垂れるし穴が空いたら最悪なんですよね。

この商品はイワシが60g、液体が30g、パウチが20g。小さいイワシが2匹分入っています。2-3人分ですかね。パウチも小さめ、角も丸くそのままでも食べられて常温保存可能と、とても便利です。欲を言えばもっと液体分が少ないもので常温保存可能な商品を種類豊富に発売して欲しいところです。

いわしの味噌煮の温め方1

温め方のその1としては他の料理をしている時にフタの上に乗っける、です。なんならナベの中にいっしょに入れてしまう、という方もいます。(今回の場合はひじきだらけになってしまいますが・・・)

いわしの味噌煮の温め方2

温め方のその2としては、シェラカップや細長いクッカーなどに水をはった中に立てて火にかける、です。これなら多少保温もできます。パウチを中身がこぼれないくらい短く切ると、中身が取りやすくなります。

大変に細かいことで恐縮ですが取り箸用にスプーンを入れておき、イワシを取る時にいっしょにスープもとってもらえると余ってしまったスープを処理する手間が減ります。こういう液体は山には捨てられませんからみんなでちょっとづつ残りが少なくなるように食べるようにし、どうしても余った分は食器を拭いたあとのティッシュをこれに詰めて垂れないようにする、というのが良いかと思います。

なぜ温め方について書いたかというと、クッカーや食器の中に直接入れて温めるのは避けたほうがいいかなぁというのがあります(トップの写真では撮影の都合上器に入れました)。というのも登山では通常食器を洗いませんのでこのようにニオイの強い魚を入れてしまうと、ティッシュで吹くだけではクッカーについたニオイはなかなか取れません。ですのでパウチをそのまま食器代わりにして食べられるものはそうしたほうが無難です。もちろん、山でのニオイなんて気にならない!というたくましい山男や山女なら別です。

余談 ~恐怖のカレー紅茶~

高校山岳部の時はよくカレーが登山の晩ご飯に登場しました。なんかいつもルーがサラサラっぽくておいしいと思ったことなんかなかった気がします。それよりも何よりも、食べ終わったあとの儀式がサイアクでした。

晩ご飯はいつもいちばん大きなテントに全員集まってギュウギュウになって食べていました。背中を丸くして体操座りになって黙々と食べます。まずいカレーは冷めると更にまずくなります。食べ終わった人がカレーを作ったナベに水を注ぎ、それに紅茶のティーパックを入れて再び火にかけます。そこに大量の砂糖が入れられて、同じくカレーをよそったお玉で各自の食器に配られます。紅茶のティーパックは長らく部室のロッカーにスベアや灯油ポリタンといっしょに入れられていたもので、本来こういう味の紅茶なのかどうなのか、なんだかよくわかりません。まぁカレーのルーが混じった時点で紅茶のティーパックのクオリティーはどうでもよくなります。カレーのナベで作られてカレーを食べ終わった食器によそられた紅茶は当然カレーの風味がした甘い汁で、各自は食器についたカレーを落としつつそれを飲むわけです。すると食器やクッカーはティッシュで拭く必要もないほどにすっかりキレイになる、という合理的な方法です。

クッカーの汚れを箸で落としている様子

だれが思いついたのか、思い出してもツライ恐怖のカレー紅茶です。純粋に味がまずかったかと聞かれたら、どうなのかよくわかりません。ただ紅茶にカレーが混じっているという事実が心理的に乗越えられないだけの事なのでしょう。確かに山を汚さずにドロドロのクッカーをティッシュで拭いてキレイにしようと思ったらやむを得ないのは理解できますが。しかし数年後、画期的な方法を教えてくれた先輩がいて、このカレー紅茶は永久に封印されることになりました。それについては後日のカレーのレシピのところで書きたいと思います。