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登山の料理道具と食事道具

登山の料理道具と食事道具

山でフリーズドライやレトルト食品、ラーメンなどを作って食べたい時、必要な道具はコッヘル、ストーブ、ガスカートリッジの3つだけです。お米もこの3つの道具があれば炊くことができます。
しかし登山で料理を作ったことがない人はこれだけでも大変だと思うかも知れません。ですが軽い道具を揃えれば3つあわせても500g程度で済ますことができてしまうのです。少々ボリュームがあるのでザックにスペースが必要になりますが、500g程度の増量でお湯が沸かせるのはとても魅力的なことです。特に寒い日には暖かいコーヒーやお茶、ラーメンは本当にたまりません。

レトルトではなく料理を作ろうと思っている人も、基本的にはこの3つの道具だけで大丈夫でしょう。必要以上に道具をもつとザックが重くなり、片付けも収納もとても面倒くさくなります。登山の料理道具はシンプルに。あるものを効率良く使う工夫をすれば、少ない道具でもある程度の料理なら作ることができます。まずは簡単なところから始めて、必要に買い揃えて行くと良いと思います。

ここでは登山の料理に必要な基本的な道具と食事用品、その他あると便利な道具を紹介しています。

  1. 登山の料理道具 -基本編-
    ①コッヘル / ②ストーブ(バーナー) / ③ガスカートリッジ
  2. 登山の料理・食事道具 -いろいろ-
    ①シェラカップ / ②ス箸、スプーンとフォーク / ③調味料ケース / ④ナイフ
    ⑤サーモスの水筒
  3. ガスストーブの使い方

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1. 登山の料理道具 -基本編-

① コッヘル(クッカー)

epiのチタンクッカー

EPI / ATSチタンクッカー TYPE-3 M
熱伝導効率を高めるため鍋底に加工が施されたEPIのチタンクッカー。
100mlごと記してあるメモリも嬉しい。

コッヘルとはアウトドア用の鍋のことでクッカーとも呼ばれています。アウトドアでも快適に扱えるよう小さく軽く設計されており、燃料とストーブがすっぽり収まったり、取っ手が折りたたみ式になっているなどの工夫がされています。
コッヘルの用途はお湯を沸かす、煮る、痛める、ご飯を炊くなどの調理意外に、フタの部分はとり皿などのウツワ代わりにもなります。

コッヘルの素材は主にチタンとアルミの2種類があります。チタンはアルミに比べ値段が高いのですが軽くて頑丈。熱伝導率が悪く局所的に熱くなるのでご飯を炊くなどの用途には向きません。またこげやすいと言う欠点もあります。しかしお湯は充分に早く沸くので、フリーズドライやレトルト食品だけに使用すると考えれば、この軽さは魅力的です。
アルミはチタンのコッヘルに比べると手頃な価格ですが、多少重くなります。しかしチタンとは異なり熱伝導率がよいので炊飯や本格的な料理には向いている素材です。いずれの素材も長所短所がありますので、料理や登山のスタイルにあわせて選ぶと良いでしょう。

コッヘルの基本的な形は円柱で、それ以外には浅くて広い日常で使う鍋の形に近いコッヘルがあります。円柱形の理由は、その中に燃料とストーブを収納することができるからです。コッヘル、ストーブ、燃料をザックの中にバラバラに入れてしまうとあっと言うまにザックがパンパンになってしまいますし、取り出すのも大変になってしまいます。料理道具をセットにして収納できるのがコッヘルの魅力なのです。また円柱型のコッヘルは直接飲んだり食べたりしやすいと言う特徴があります。
一方広口タイプのコッヘルは熱効率も良く調理がしやすいと言う特徴を持っています。どちらが良いか、この辺りは好みの部分になるでしょう。

コッヘルのサイズも数種類あります。利用人数に応じてサイズを選べば良いと思いますが、最低でも燃料と自分のストーブが一緒に収納できるサイズのコッヘルがいいと思います。ストーブとコッヘルを一緒に購入する場合は店員さんに相談し、ストーブとコッヘルが一緒に収納できるものを選ぶと良いでしょう。
またコッヘルの取っ手の位置が、フタの下に収納できるものと側面に収納できるものがありますが、フタの下に収納できるものは何かの拍子にロックがはずれ、フタに入れたご飯などをこぼしてしまう場合があります。 コッヘルを選ぶ際にはその辺も確認しておくと良いと思います。

最近ではコッヘルと言っても様々な種類のものがあります。パーティ登山でたくさんの料理をつくるための皿やフライパンが一式セットになったものなど。個人的には山で料理を楽しむなら焦げない加工のしてあるフライパンはおススメです。早くテント場についた時に余った行動食のウィンナーや冷えたパンを焼いてつまめばおいしくなるし、メニューにお好み焼きやホットケーキをとり入れたりベーコンなど焼いたものは山では格段においしく感じます。

トランギアのクッカー

trangia (トランギア) / メスキット TR-124T
少々重いがフライパン、プレート鍋の3点セットのコッヘル。収納もしっかりとできる。

また、ソロ登山者に人気なのが ジェットボイルシリーズ。 保温クッカーと熱効率の高いストーブがセットになっています。アルファ米とフリーズドライの汁物、食後のコーヒーなどに必要なお湯を沸かすことができるサイズ。小さなクッカー内にすべてが収納できる。日本ではモンベルが正規取扱店です。

ジェットボイルのジップ

JETBOIL / ZIP(ジップ)
2011年春夏の新モデル。500mlのお湯を2分で沸かすことができる。800ml、345g。

② ストーブ(バーナー)

revoのコンパクトストーブ

EPI / REVO-3700 ストーブ
計量、コンパクト、高出力、三拍子揃ったガスストーブ。

ストーブ、バーナーとはアウトドア用コンロのことで、この上にコッヘルを乗せて使います。ストーブの下にあるものはガスの燃料で別売です。

登山でよく使われるストーブにはガスストーブとガソリンストーブの2種類があります。写真のものはガスストーブになります。ガスストーブの特徴は軽量コンパクト、着火が簡単、そして扱いも非常に楽です。地面からの高さがあるので安定性は少し悪いのですが、気をつければ問題はありません。まず最初に買うべきストーブと言ってよいでしょう。

もう一方のガソリンストーブの特徴は、低温に強い、火力が強い、ガソリンや灯油などの燃料を手に入れやすい、ガスカートリッジのようにかさ張らずに大量に持ち運べる、などです。ですので一般的な登山と言うより海外遠征やガスカートリッジが手に入りにくい僻地へ行く、数日間縦走をする、雪山に行くと言うような登山に向いたストーブでと言えます。しかも着火するためには「プレヒート」と言うやや時間がかかる作業をしなければならないので、ガスストーブの用にパッと使う事ができません。好みでガソリンストーブを買う人もいますが、やはり最初に購入するのは手軽で簡単なガスストーブがおすすめです。

ガスストーブの使用方法はとても簡単で、ガスカートリッジにストーブを装着してツマミを回し、自動点火ボタンを押すだけ。自動点火ボタンが無いモデルはライターの火で点火をします。ツマミを反対に回せば消火することができるので扱いは本当に簡単。コーヒーが飲みたいなと思ったらすぐお湯を沸かす準備ができてしまいます。

ガスストーブにも様々なモデルがありますが、おすすめはコンパクトで自動点火装置がついているモデルです。コンパクトなモデルはクッカーにガスカートリッジと一緒に収納をすることができますし、自動点火装置つきならライターを忘れたり無くしてしまっても安心です。
しかしコンパクトストーブの小さいバーナーヘッドは大きな鍋に対して熱効率が悪くなってしまいます。ですので本体の大きさや重量、使う人数、メニューとのバランスを考えて選ぶことが大切です。

③ ガスカートリッジ

epiのガスカートリッジ

EPIのレギュラーカートリッジ。春~秋用。

ガスストーブに必要なのがガスカートリッジです。ガソリンストーブには専用のボトルにガソリンや灯油を入れて使用します。

ガスカートリッジのメーカーはEPIガスかプリムスが一般的。サイズは数種類あるので登山の内容に応じて使いわけるといいでしょう。またノーマルのカートリッジの他、寒冷地用、極寒冷地用のガスカートリッジもあります。寒冷地用のストーブを暖かい所で使用すると火が出る場合があるので注意して下さい。
一般的なガスカートリッジの重量は230g程度で値段は450円ほど。コンビニなどには置いてありませんが、登山用品店の他にはホームセンターでも取り扱っている場合がありますし、山小屋でも販売していることがあります。

ガスカートリッジはメーカー推奨のものを使う用にしましょう。どれも同じ用に見えますが、本体とカートリッジを接続するバーやパッキン部分が微妙に異なるため事故に繋がる可能性があります。なにかトラブルがあっても保険が適応外になってしまいますので注意して下さい。
また使い終わったカートリッジは必ず穴をあけ、ガス抜きをしてから処理をする必要があります。

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2. -登山用料理・食事道具 -いろいろ-

1. シェラカップ

シェラクラブのシェラカップ

SIERRA CLUB【シェラクラブ】 / オリジナルシェラカップ
容量300mlアルミ製のシェラカップ。頑丈で長く使っていける。

お椀に取っ手がついた不思議な形をしたシェラカップ。他人数の登山で使用する取り分け用の食器として、また飲み物用のカップとしてシェラカップはおすすめです。
シェラカップの優れている点はその形にあります。口が広いのでご飯を盛ったり取り皿代わりにもなりますし、深さもあるのでマグカップとして使うこともできます。マグカップはコーヒーや味噌汁は飲みやすいのですが、口が狭くて深いのでお椀や皿代わりにはなりません。またコッヘルのフタは浅いので皿には向きますが、コーヒーを飲むにはちょっと苦しいです。シェラカップはそんな両者の良い点を持った、ちょうどマグカップとコッヘルのフタの中間に位置するウツワなのです。単純なことなのですが、よくこの形を発見したなあと感心してしまいます。

シェラカップはもちろん直接火にかけられるので料理もできます。煮炊きをしたり炒めたり、長い取っ手はコーヒーを再加熱するのにも便利です。
飲む、焼く、盛る、煮る。万能なシェラカップは1番最初に買うウツワに最適。色々な使い方が出来るので持っていても損はありません。

写真のシェラカップは「シェラクラブ」のシェラカップ。シェラカップの元祖です。ウツワの内側の模様がちょうど200mlのところから変わるので、料理をする時の計量カップとしても使う事ができます。

2. 箸、スプーンとフォーク

モンベルの野箸

モンベル【mont-bell】 / 野箸
スライド式で扱いが簡単なモンベルの野箸

箸はわざわざ買わなくても割り箸で充分だと思います。しかし登山中に食事を何回もする場合、同じ割り箸を使いまわすのはちょっと嫌かもしれません。また使い終わった割り箸はゴミとして扱いづらくもあります。そんな場合には「携帯箸」がおすすめ。アウトドアのものならコンパクトに収納出来るので持ち運びに便利です。
モンベルの「野箸」は31gと軽く、収納時は12cmと極めて小さいです。箸本体から木箸部分を引き出すスライド式の箸なので、組み立てて使用する携帯箸に比べ扱いが簡単。もちろん箸本体と木箸部分を切り離すこともできるので、しっかりと洗うことができます。

箸はともかく、スプーンとフォークはコンビニのお弁当についてくるもので充分でしょう。でもかっこいいのが欲しい、と思っている人もいるはず。そんな人にはライトマイファイヤーの「スポーク」がおすすめ。スプーンとフォーク、ナイフが1つになっているので大抵の食事はこれ1つで済ますことができます。軽いし安い。カラーリングも豊富でかわいいので食事ももっと楽しくなるはず!

他にも超計量化されたスプーンとフォークのセットや、十徳ナイフのようなセットなどもありますが、シンプルなものが一番使いやすいと思います。スプーンとフォークを交互に使う食事なんてなかなかありませんし、カトラリーがいくつもあるとかえってじゃまになってしまいます。

LIGHT MY FIRE / スポーク

LIGHT MY FIRE / スポーク
フォーク、スプーン、ナイフが合体。

3. 調味料ケース

ライトマイファイヤーのスパイスボックス

LIGHT MY FIRE / スパイスボックス
3種類の調味料を入れることができる調味料ケース。デザインもかわいい。

グルメな人に必要な料理道具が調味料入れ。何かの小瓶や小さなパックを利用しますが、調味料の持ち運びはなかなかうまくいきません。ゴミがでるのと、調味料を鍋に入れるのに苦戦します。私の場合唐辛子料理が多いので唐辛子、と後は塩。この2つをどうしたらいいかなあなんて探していたらよいものを見つけました。ライトマイファイヤーの「スパイスボックス」です。

このスパイスボックスは調味料が3種類も入るし、フタを開けて入れることができるので補充も簡単です。各調味料の出口にはアルファベットが書いてあるので「塩のつもりが砂糖だった」なんて間違いもありません。容量も充分あるので一回の登山に充分な量の調味料が入りますし、調味料の出もスムーズです。
値段も高いしかさ張るのでどうかなあなんて思いながら購入しましたがなかなか使えます。ストイックな感じの登山では出番はあまりないですが、それ以外ではほとんど使っています。かなりしんどい時はご飯に塩をかけて塩分を摂ったりしています。

油なんかはナルゲンボトルの18mlのボトルに入れています。もともと実験用だそうで、フタがしっかりと閉まるので安心して油を持っていくことができます。ちなみにお弁当についてくる魚の形をした容器などは、登山中に中身が飛び出す可能性がかなり高いのでおすすめはできません。
油以外に液体の調味料を持っていく場合には、30mlのナルゲンボトルに入れて持っていきます。醤油やみりん、砂糖などをあらかじめ1つに調合しておくと便利です。
料理をしない日帰り山行でも、きゅうりに味噌をつけたりオリーブオイルとビネガーを持って行ってサンドイッチを食べる時にかけたりと、ちょっとの調味料でより満足したランチにもなります。
また、容器を使わない油の持って行き方では、チューブバター、チューブラード、無料の牛脂を持っていくなどがあります。料理をする場合、油があるとメニューの幅が広がります。

4. ナイフ

オピネルのナイフ

オピネル(OPINEL) / トラディショナルナイフ
ロック機能がついたオピネルのナイフ。サイズもたくさん。

ナイフは自炊をする人もしない人も、非常用に持っておくと良いでしょう。
料理用のナイフは特別なものでなくても良いと思います。ビクトリノックスの十徳ナイフも切れ味は良いですし、 ガーバーの小型のポケットナイフも持ち運びに便利です。軽くて扱いやすく、ロック機能がついて洗いやすいナイフが良いと思います。

私の場合は安いので「オピネル」のナイフ#8を利用しています。1500円程度で購入できること、ロック機能がついていること、軽い、などが利用している理由です。切れ味も充分に優れているので、料理以外にも枝を切って箸を作ったりしています。
使用しない時期は油を塗って保存し、キレが悪くなったらシャープナーでササっと研いでいます。とにかくガンガンつかっていけるのが良いところですね。

5. サーモス(テルモス)の山専用水筒

サーモス(THERMOS) / 山専ボトルFEK-800

サーモス(THERMOS) / 山専ボトルFEK-800
山には山専用の魔法瓶を。衝撃にも強く容量は800ml。

サーモスは料理道具ではなく水筒ですが、アツアツのお湯が運べるので日帰り登山で食べるカップラーメンやドライフードにかなり使えます。
通常、山の昼食にドライフードやラーメンを食べようと思ったら、コッヘル、ストーブ、燃料、水、最低でもこの四つは必要になります。日帰り登山でも暖かい食事をしようと思うとそれだけで荷物がかさ張ってしまうのです。しかしサーモスの水筒があれば熱いお湯を持っていけるのでこれらの道具は必要がなくなります。しかもお湯を温める待ち時間もなくなるので、寒い日には本当に助かります。

問題はどれくらいの保温力かと言うことですが、室温20度で95度の熱湯をサーモスに満たし、6時間放置で76度以上、8時間で49度以上、と言う結果がサーモスのホームページに書かれています(800mlのボトルの場合)。
私の場合春秋の日帰り登山で使用しています。朝4時頃サーモスにお湯を満たし、それから7時間~8時間後にそのお湯をカップラーメンに使うのですが、普通に暖かいラーメンを食べることができます。ドライフードにもばっちりですね。 もちろん状況によって温度が変わってくると思いますが、私の周りでサーモスを使用している人も問題がないようです。

日帰り登山で荷物を少なくしたいならサーモスはかなりおすすめです。また寒い時期の登山でも、コーヒーやお茶もまたずに飲むことができます。

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ガスストーブの使い方

伝統のロングセラーシングルストーブ

写真はプリムスのIP-2243PAシングルバーナー。20年を越えて活躍するロングセラーストーブです。現在主流の軽量・小型のバーナーとは異なりどっしりとしたサイズですが、高出力で風にも強く安定した火を提供してくれます。炎がコッヘルの底面に広くあたるので自炊料理に最適。20年間選ばれ続ける、と言う事は完成度が高く安全・安心である、と言う事。愛好家の人も多く、買っても間違いのないシングルバーナーです。

[手順1] ストーブをカートリッジに装着

ゴトクを広げカートリッジに装着

ガスカートリッジのふたを取り、ストーブとカートリッジを接続します。緩みがないように最後までしっかりと締めます。

[手順2] 火力調節レバーを回す

セッティング完了。火力調節レバーを回す

続いて火力調節レバーを少し回します(回しすぎに注意)。するとシュー、と言う音と共にガスが出ます。

[手順3] 点火。完了

点火。完了

ガスが出たら間をおかず自動点火レバーを押します。これで無事に火がつきました。あとはツマミを回して火力を調節してください。ツマミを反対方向に回しきれば消火します。自動点火装置のついていないストーブの場合、ライターで点火します。ライターを忘れない様に注意しましょう。
また使い切ったガスカートリッジは必ず穴をあけ、ガス抜きをしてから処理をして下さい。

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