初心者のための登山とキャンプ入門

初めての登山① ~初めての山選び~

山歩に憧れて山に登りたくなった人イラスト
石井スポーツ 登山学校

初めての山選び

はじめに

登山を初めたいのだけれど、まず何をしたら良いのかわからない、どの山に登ったら良いのかわからない、と言う人は沢山いると思います。私もそうでしたが、登山をしたいのだけれど登りたい山は決まっていない、でも自分のレベルにあった山に登りたい、と言う様な感じでした。本屋に行っても山の名前すらわからずすごすごと帰ってきた覚えがあります。

しかし私の場合、登山を長くやっている人たまたま知り合うことができ、私の体力にあった山や計画の立て方、準備の仕方など色々と聞く事ができました。初めての登山はその経験者の方とは一緒に登山をする事ができなかったのですが、しっかりと計画を立てたので初心者同士でも楽しく無事に登山をする事ができました。この時登山の知識が何もない私しでしたが、計画の段階から登山を始めたので登山のやり方と言うのをおおよそ理解することができました。それ以降もずーっと自分で計画を立てながら登山を楽しんでいます。ですのでまずは難しいことを考えず、一度山に登ってしまいましょう。不安があるかもしれませんが、思い切って始めてしまえば登山をすると言う感覚は自然とわかってきます。もちろん初めての場合は経験者の人と登山をするのがベストですが、周りに経験者がいない場合は、初心者でも安全な、簡単な登山から始めると良いでしょう。

ここでは私の登山の経験から、山の選び方や計画と準備のやり方を紹介します。足らない事もあるかもしれませんが、同じ様な進め方をすれば初めての登山もきっとうまくいくと思います。

経験者を探す

とは言うもののやはり経験者の人と一緒に登山をするのが一番です。安全と言う事もありますし、一緒に行けば初心者同士で行くよりも、登山の知識を多く身につけられるでしょう。

登山の経験者が周りにいない場合は、インターネットを活用して登山経験者の方を探してみましょう。メジャーなサイトは、趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)やmixi(ミクシイ)などの「コミュニケーションサイト」。登山を始めたばかりの人たちが集まってワイワイ話し合っている"コミュニティ(集まり)"のような所もありますし、登山経験者の方が ”登山を一緒にしませんか?初心者の方でもかまいません” 、と登山仲間を探している場合もあります。気があいそうであれば声をかけてみるのも良いでしょう。

しかしこの様な不特定多数の人が集まる場所ではどのような事が起こらないとも限りません。信頼のおけそうな人を探し、充分に連絡を取り合う様心がけましょう。

登山ツアーに参加する

てっとり早く登山ツアーに参加すると言う方法もあります。登山ツアーでは旅行のツアーと同様に何名か人を募り、添乗員やガイドと共に登山をします。

登山ツアーの良い点は、貸切バスで現地まで乗り入れているので、ひとりで電車乗って高いバスを乗るよりも安い、時間のロスもなく、効率的に組まれている、などでしょう。
何回か行けば登山の雰囲気もわかり、持ち物や食べ物など周りの人の様子を見て知ることがあります。またわからないことがあれば添乗員やガイドの方に質問することができますし、 気の合う登山仲間を見つけることが出来ると思います。

ただし団体行動をするツアー登山ではそれなりの難しさもあります。ひとつはペースの問題。ツアー登山ではしっかりと時間が決まっているので、ペースを遅らせるわけにはいきません。がんばってついて行こうとするためにへばってしまうこともあるのです。休憩したくても自分の都合だけではなかなか休憩できません。ですので登山ツアーを利用する際には、初心者を対象としたツアーを選ぶようにしましょう。またツアーの行程を調べ、標高差が少なく行程時間も短いものを選びましょう。

登山の人数は?

一人で登山をしたいと言う人もいるかも知れませんが、単独登山では足首を軽くひねっただけでも遭難につながりかねません。最低でも一人の同行者がいた方が安心して山を歩けます。友人や家族を誘って一緒に登山をするようにしましょう。

山の選び方

登山の本を買いに行くも、どの本を買ったら良いかわからず困っている人のイラスト

ガイドブックを買う

どこの山に登ったらいいのだろう? と悩んでいる方は、まず始めに「ガイドブック」の購入がおすすめです。山のガイドブックには山の「おすすめの季節」や「コースの情報」、「コースの特徴」、「アクセス情報」など、山に関する多彩な情報が掲載されています。しかしガイドブックにも沢山の種類があり、初めての人にはなかなか選びにくいものです。「~山」と書いてあるガイドブックも、一体どこの山の事を言っているんだろう?と思うこともあるかもしれません。

「低山」や「日帰り登山」が中心のガイドブックを

ですのでまずは、自分の住んでいる地域の、「低山」や「日帰り登山」などを中心としたガイドブックを購入してみましょう。「低山」と言うのは標高が低い山のことで、初心者の方でも比較的登りやすい山のことを言います。「日帰り登山」も同様に、比較的山に登っている時間が短く、その日のうちに帰ってこれる登山のことを言います。このように標高が低かったり、日帰りでも行ける山が初心者には向いている山と言えます。登りたい山が決まってない人はまずこのようなガイドブックを手にしてみても良いでしょう。

ガイドブックの選び方

ガイドブックの内容で重要なのは、一つ一つの山に関する情報が多いことです。沢山の山が紹介されていても、1つの山に関する情報が少なければ意味がなくなってしまいます。そして合計歩行時間や難易度、頂上までの標高差、コースタイム(歩行時間)、コースガイド(登山コースの情報。)、詳細な地図、などの情報があるものを選びましょう。これらの情報を良く読み自分にあった山を選んで行きます。

ガイドブックに必要な情報
  • 登山口から山頂までの標高差
  • 難易度
  • 歩行時間
  • コースタイム(歩行時間)
  • コースガイド
  • 詳細な地図
  • 登山時期

だいたいのガイドブックには上記の内容が掲載されていますが、上記の情報がより細かく、より詳細な地図がついたガイドブックを選ぶと良いでしょう。

ガイドブックから山を選ぶ

しかしガイドブックから山を選ぶ作業も、初めての場合は難しく感じるものです。体力や難易度を★3つとか★5つとかで示している場合が多いのですが、一体それをどの程度信じて良いのかわかりません。★だけで示すにはあまりにも対象の幅が広いからです。ですのでその★も参考し、それプラス登山口から頂上までの歩行時間と標高差も参考にしてみると良いでしょう。
ですが大事なのは、なるべくなら自分が行きたいと思う山に行く事。自分が興味を持った山の中から自分に合った山を選べばモチベーションも自然とあがります。

まずは登山に最適な季節を知る

関東以南の標高1500m以下の山では、春と秋が初心者の方に最適の季節です。4・5月、10月・11月が登山入門者におすすめの季節です。夏は山、と言う感じもしますが、初めての登山では夏山は向きません。低山の夏山は暑くて大変ですし、3000mクラスの標高が高い山は登山道がとても険しいです。なお東北地方や中部地方の日本海側では、春はまだ雪が残っていることもあるので、秋が登山に適している季節です。

山選びのポイント① -歩行時間と標高差-

歩行時間と標高差を説明するために、東京八王寺の「高尾山」を例にあげてみます。
登山の開始地はケーブルカーの駅である山麓駅。そこから稲荷山コースを歩いて高尾山の山頂を目指すコースが例です。山麓駅の標高は224メートル。高尾山山頂の標高は599メートル。標高差は375メートルとなり、おおよその歩行時間は登りで1時間30分。下りが1時間10分です。

ぱぱっと書いてしまいましたが、登山が初めての方は、このように登山の開始地点から山頂までの標高差が300m程度で、歩行時間が2時間程度で山頂に到着できる山を選ぶと良いでしょう。年齢や体力の違いで感じ方は異なると思いますが、初心者の方はまずこれくらいの山から始めるのが無難です。

これでは物足りないと言う方も多いかもしれませんが、本格的に登山をしようとすると荷物もかなり増えますし、慣れない登山靴を履くと登る感覚も違ってきます。また何かあった事を考えると、初めての登山では物足りないと思うくらいの山でもいいかも知れません。
逆にこれくらいでもきつい、と思う方もいると思います。そのような場合にはもっと標高差が少ない山を選ぶか、登るペースをもっとゆっくりにすると良いでしょう。富士登山でも高尾山登山でも、きついと感じる人はペースが速い場合が多いのです。登山の登りの基本はゆっくりと。ちょっと遅いかな?というペースが調度良いのです。ゆっくりと自分のペースで登れば、思ったよりも楽に登れると思います。

ハイキング程度でも、山選びから登山を始めれば標高差や歩行時間の具合がなんとなく体でわかります。次の山を選ぶ時の参考にもなるので、まずはガイドブックの情報を参考に、標高差と歩行時間が少ない山を選んで登ることにしましょう。

山選びのポイント② -人気の山を選ぶ-

人気のあるポピュラーな山なら登山道も整備されていて、危険な場所も少ない場合が多いです。山は静かな山が一番かもしれませんが、それは経験を積んでからのがおすすめ。登山者が多ければ道がわからなくなっても聞く事ができますし、もし怪我で動けなくなっても力を貸してくれる人がいるので安心です。

山選びのポイント③ -山容が険しすぎる山も避ける-

低山でもゴツゴツとした岩山で、転落してしまうと大怪我をしてしまう山もあります。ハシゴやクサリなどがありスリルがあるかも知れませんが、山に慣れないうちは避けた方が良いでしょう。
また下りのコースの傾斜が強い山は初心者には適しません。登りは一歩一歩ゆっくりと登ればなんとかなりますが、急な下り道には正しい歩行技術をマスターしていないと膝をいためたり、転倒して怪我をしてしまいます。