初心者のための登山とキャンプ入門

ウェリントンのアパート暮らし2日目

今日は七時頃に起きた。ニュージーランドの朝は本当に寒い。タバコを吸いに外に出ると息が白かった。
朝食にコーンフレークにバナナの輪切りを落としたものを食べると、もうやることがなくなった。なので部屋を片付けてみたりパンツを洗ったりした。そして諦めて勉強を始めた。こんなにやることがないのは、それは今日が日曜日だからである。明日からは語学学校に行くので暇を感じずにすむことだろう。
昼過ぎまで英語の勉強をすると買い物にでかけた。鷹の爪と暖かい服を手に入れるためである。

街を歩くのはたった一日ぶりだけど、うきうきとしてしまう。街から少し離れた語学学校の一室で閉じこもっているのは体に毒である、と思った。

ウェリントンの街
ウェリントンの街

ぶらぶらと本屋に入った。なんとなくアジア系の店員の人が、「僕になんでも聞きな」みたいな顔をしてたから、子どもが読むような簡単な英語の本が欲しいと言った。そうすると彼はコーナーに案内してくれるだけでなく、2冊の本を選んでくれた。ハリーポッターの本と、冒険系の本だ。大人にあうかわからないが、すごく有名で良い本だ、とりあえず今ちょっと読んでみて、難しかったら声をかけてくれ、と店員のお兄さんは言った。
冒険系の本を買うつもりだったが、人と話したかったのでお兄さんにまた声をかけた。すると本棚を見ながら真剣に考えてくれている。良い本を探してくれているようなのだ。作者名とかを思い出しながらぶつぶつと言っている。
ちなみにここは古本屋である。何というプロフェッショナルな古本屋なのだろう。とても関心してしまった。ーーー結局お兄さんは4冊ほど本を選んでくれ、僕はその中から豚と少女の話の本を買った。映画でもやった有名な物語だ。しかしなぜか12ドル。ボロいのに高いぞ。

買った絵本

その後暖かい服を探しに何件かの店を廻ったが、やはり体にあった物は見つからず、結局マックパックの店でフリースを買った。170ドルが70ドルに割引されている。夏だから冬物をセールしているのだ。未だにそれが信じられない。こんなに寒いのに。マックパックをでると昨日のスーパーマーケットに向かった。風が強い。

スーパーではお気に入りのクッキーを見つけた。9枚入って9.79ドル。安くはないが、とても大きなクッキーでもちがいい。僕がミルフォードトラックを歩いていた時、毎日昼飯として食べていたクッキーだ。それを間食用に購入。

お気に入りのクッキー

鷹の爪はフレッシュなのはホールがあるが、ドライはホールがないらしいので、しょうがなくドライの切り刻まれたホールでない鷹の爪を買った。

買ったドライチリ

中国人の現場管理者的な人が丁寧に説明してくれた。ちなみにその直前に、僕は白人女子にシカトをされている。それを中国人の人はフォローしてくれたのだ。こういうところからも、僕は色々と考えてしまうようになっている。スーパーの店員はアジアやマオリの人間が多い。レジではそうでもないのだが、ガラスのショーケースの置かれた、肉や魚を量り売りしているとても大きなコーナーを見ると、そんな印象を持ってしまう。そして物色しているのは白人達である。移民が多い国ではあると思うし、僕は細かい事は一切わからない。ただ不思議だなと思う。

アパートに戻ると買ったばかりのフリースを着た。やっぱり少し大きいけどとても暖かい。とても幸せな気分になる。前にも書いたと思うが、こんなのが今の僕には最上の喜びだ。テレビもねえしラジオもねえ、話す相手もいないので、今は吉幾三の世界より、ややつらい場所にいると思う。

その後英語を勉強し続け、お楽しみの夜ご飯の時間になった。別に英語から離れられるのが嬉しいというわけではない。仕事があるのが嬉しいのだ。やることがあるって、幸せである。

今日も昨日と同じパスタを作った。鷹の爪入のパスタは昨日よりはうまかった。ただまた塩を入れすぎた。ちなみに僕は、パスタを箸を使って蕎麦のように食べるのが好きだ。なので箸で食べているが、欧米人は麺をすすらないので、食べるのに気を使ってしまう。もちろんその場に僕一人しかいないけど、すすってる音を聞かれて無作法者だとは思われたくない。なのでハムハムしながら一生懸命食べている。よく欧米人もラーメンを食べているのを見かけるが、皆ハムハムしている。大変なことである。

調理道具を抱えながら食堂を出ると、トーイとすれ違った。こんにちは、と日本語で挨拶をしてくれた。会えてよかったよ、とも言ってくれた。とても嬉しい。(1/30 end)