ゲストハウス「Seoul Myeong Dong House」とケビン 韓国旅行記③
Seoul Myeong Dong House ゲストハウス
韓国旅行1日目後半、ソウルはインチョン空港からリムジンバスに乗りミョンドンへ到着。そしてミョンドン駅の3番出口から、5分ほど南の方角へ登った所にミョンドンハウスはある。山の上にはソウルタワーが見えるので、それを目指せばいい。この小汚い所にどんなゲストハウスがあるのだろうか、と期待していたが、ミョンドンハウスはとてもきれいで拍子抜けをした。見かけも綺麗だしドアがオートロックだった。
中に入るとさらに驚いた。ものすごく綺麗だ。下駄箱もある。この時点で今まで僕が宿泊したゲストハウスの中で「1番きれいなゲストハウス」になった。何もかもピカピカである。受付で宿泊代3日ぶん63000Wを払うと、若いオーナーらしき人がゲストハウス内を案内してくれた。まとめてみる。
貴重品用のロッカー、冷蔵庫、電子レンジ、浄水サーバー(お湯もでる)、トイレは1階と2階にある、シャワーは3つ、タオルは無料で貸出し、オートロック、24時間出入り可能、テラス有り、タバコは外、朝食無料、コーヒー無料、Wi-Fi無料、パソコン2台が無料で使用できる、巨大なテレビ、床暖房、ドライヤー。とまあこんな感じで設備も素晴らしい。僕が出会ったゲストハウスの中で「1番設備の整ったゲストハウス」にもミョンドンハウスは輝いた。何よりも嬉しいのが、ゲストハウス内が普通に暖かいこと。ゲストハウス=くそ寒い、と言う僕の考えは少し変わった。スーランは本当に素敵なゲストハウスを見つけてくれた。ありがたい。
そして、僕が選んだのは6人部屋のドミトリーだけれど、この部屋もとても綺麗だ。リビングとは違い部屋は寒いが、布団も厚いので寒さの心配なさそうだ。そうそう、韓国用のプラグを持っていなかったのでスタッフに尋ねると快く貸してくれた。ありがたい。
ミョンドンハウスのWi-Fiにつなぎフェイスブックにアクセスすると、ケビンから連絡がいくつかあった。「今どこですか?」「心配です」「家から出られません」という事だった。僕が最後に送った「今からバスに乗ってミョンドンに向かいます」というメッセージが届いていないようだった。申し訳ない。
いくつか落ち着いてチャットをした結果、ケビンが今からミョンドンに来るという。彼はスウォンと言う街の近くに住んでおり、ミョンドンまでは2時間以上かかるらしい。僕は遅いのでもう大丈夫だと言ったけれど彼は来てくれるようだ。ありがたいことだし会えるのはとても嬉しいけれど、彼がやってくるまでゲストハウスで待機というは少し辛かった。しかしスーランと連絡はとれなかったのだろうか。スーランに聞けば僕がゲストハウスに向かっている事は想像できると思うのだけれど。なかなか物事は思う様に進まない。
ケビンがミョンドンに来るまで暇だったので、僕はカカオトークのインストールに挑戦することを決めた。ローミングで高いお金を払う事になってしまうかもしれないが一瞬だけだし、それにカカオトークなるものは便利そうだった。そしてインストールは成功した。
カカオトークは相手の電話番号がわかっているとチャットをすることができる。僕はビビアンの番号がわかっていたので試しにビビアンにメッセージを送ってみると、瞬間的に返事があった。何て便利なのだろう。韓国に来る前にインストールしておけば良かった。
ケビンと合流。カルビを食べる。
ビビアンとのチャットで時間を潰し、シャワーを浴びるとケビンがとうとう到着した。スウォンから遥々2時間もかけて。本当にありがたいことだ。
ケビンと会うのは約1年ぶり。久しぶりに会う彼はかなり痩せていて驚いた。ダイエットしているらしく、かなり体重を削ったようだ。うん、今の方が素敵である。
そう、彼は今までのごちゃごちゃとしたメッセージのやり取りをどの様に思っているだろうか。お互いがどの様に考えていたかを話しあってはっきりとさせようとも思ったが、それも面倒なのでやめた。僕がデタラメな奴と思われてしまうだろうけれど、まあ良い。とにかく腹が減った。ということでミョンドンの街へ僕とケビンは繰り出した。
ミョンドンのショッピング街は、原宿の竹下通りが巨大になったような感じだ。細い道の両脇には延々と服屋やレストランや土産屋、コスメ屋などが続いている。ネオンが眩しく、洋服屋の鳴らすポップミュージック、客引きの大きな声。賑やかな場所だ。そして道の中心には屋台がいくつか出ているし、歩く人の数も多く歩きづらい。台湾でこんな感じのマーケットに来たことがあるけれど、またそれとは違った感じがした。台湾の場合はかなり異国を感じさせたが、ここミョンドンは日本と同じ雰囲気。そして若い女の子とすれ違う度に日本語が聞こえる。もうここはいいや、って思った。
しばらくケビンと話しながらミョンドンの喧騒を歩き、そして焼肉が食べられるお店に入った。何というお店かは忘れたし、いくら払ったのかも忘れた。
店内は薄暗くテーブルには鉄板がありジュージューと気持ちの良い音を立てている。見渡す限り周りは韓国人で日本語を話しているのは僕らだけ。僕らはカルビのセットを2人前注文し、次々と小皿が運ばれてくる。カルビが鉄板で焼かれる。店員のおばちゃんが焼きあがった肉をハサミでチョキチョキと切る。ここに来て、ああ、僕は韓国にいるんだなあと感じてとても嬉しくなったしテンションがあがった。韓国には、ニュージーランドで彼らと別れてからずっと来たいと思っていた。その地に僕は今いるのだ。長年の夢がかなったような、不思議な気分だ。そしてカルビうまい。ほんとにうまい。
食事が終わると店を出てミョンドンハウスに向かった。ケビンがお見送りしてくれるのだ。歩きながら明日の予定を話す。明日はスーランとハンナとケビンと僕の4人でソウルを観光するようだ。帰ったら明日の予定をカカオトークで連絡するので、起きていられたら起きていて下さいね、とケビンは言った。
人通りの少ない道路脇でケビンとタバコを吸う。最近、韓国もどうやらタバコのマナーに厳しくなっているようで、バス停などで吸っている場合は罰金を課せられる事もあるらしい。僕が携帯灰皿を使ってタバコを吸っていると「その辺に捨てたらいいですよ。ここ韓国やし。」とケビンは関西弁で言った。面白い。こうゆう考え方は嫌いな方じゃない。
ケビンはゲストハウスの近くまで僕を見送ってくれて、そしてミョンドン駅の方へと向かっていった。2時間もかけて来て、ちょっとご飯を食べて、また2時間かけて帰るのだ。今日は申し訳ないとありがたいの気持ちでごちゃごちゃだ。
ゲストハウスに戻り自分のベッドに入る。ごめんケビン、君が家に着くまで僕は起きていることができない。申し訳ない。
そして瞬間的に眠りについた。夜の9時前だろう。