初心者のための登山とキャンプ入門

北村とソウルタワー観光 韓国旅行記⑥

ソウルタワーのバーとスーラン

iPhone見つかる

韓国旅行3日目、朝8時に約束通り日本人宿泊者が起こしてくれた。iPhoneをなくした事で目覚ましもなくなってしまったので、昨晩お願いしておいたのだ。全然寝た気がしない。頭の中は無くしたiPhoneの事を延々と考えていた。なので2度寝して9時に起きた。9時に起きると今度はパソコンを立ち上げてスーランからのメッセージを確認した。「申し訳ないが、明日の9時にキョンボックンに電話をして確認してもらえないだろうか?」と昨夜メッセージを送っていたのでその結果を知りたかったのだ。返信なし、また寝た。

12時過ぎに起きるとシャワーを浴び、13時にミョンドン駅前の「Caffe Bene」のB1Fで待ち合わせた。テンションはそれほど低くないし、iPhoneをなくした事に対してはポジティブな姿勢だけど、気が重い。スーランと会う事に気が進まない。ハンナはまあいつも通りだろうけど、スーランは怒ってるだろうなあ。宿の事でもお手数をかけたし今度は携帯。やっぱりスーランへのプレゼントは高級マカロンだったな~と後悔した。そんな事を考えながら、二人の到着をカフェで待った。

ハンナは時間通りに来た。そしてスーランは10分ほど遅れて到着した。スーランが入口から入ってくる顔をみて「あ、俺のiPhone持ってるかも」と直感的に思った。何か一仕事終えて来たような、そんなキリッとした雰囲気をスーランの表情から感じ取る事ができたのだ。
そしてやっぱりスーランは僕のiPhoneを持っていた。スーランの話によると、朝キョンボックンに電話で問い合わせると、日本人の物らしきiPhoneの落し物の届出があったそうだ。それでスーランは待ち合わせ前にキョンボックンへ行きiPhoneを取ってきてくれたようだった。
本当に良かった。これでこれからも韓国を気持ちよく旅行できる。それにしてもこんな事があるなんて。100%見つからないだろうと思っていたのに。見つけてくれた人と預かってくれていた人に感謝。そしてスーランにも感謝。でも、それよりも自分が情けないな~と言う気持ちの方が強い。スーランに対してかっこ悪い事したなあと思う。日本語が話せるなら僕の考え方を話したり色々な言い訳が出来る。大体は言葉でごまかす事ができる、という自信もある。でも英語だとそれは難しい。なので結果が全て。僕は”スーランに宿を探させ、iPhoneをなくし取りに行かせた男”なのだ。あー情けない。穴があったら飛び込みたい。

とまあそんな情けない気持ちでいっぱいの中僕らはランチを食べにでかけた。ランチはミョンドンの繁華街にある「シンソン ソルロンタン」というお店。地球の歩き方にも掲載されている。ソルロンタンとは、コムタンと同じような牛骨や牛肉を煮込んだ白色のスープ。ソルロンタンとコムタンの違いは牛骨を煮込むか煮込まないからしい。ソルロンタンは牛骨を煮込んでいる方だ。二人ともライスをスープに入れて食べていた。僕もマネをした。ソルロンタンうまい。コクがあるまろやかなスープ。きっと女性は好きな味だ。

ソルロンタン

インサドンで母にお土産、北村観光

今日の観光コースは北村(プッチョン)。ここは韓国の伝統家屋が今でも多く残るエリアで、キョンボックンの東に位置する。昔は権力者の居住地だったそうで、今では博物館や工房、また伝統文化が体験できるアーティスティックな観光スポットになっている。そこに歩いて向かうのだが、僕らはインサドンを経由して向かう事になった。母親へのお土産選びのため、スーランとハンナがこの道を通ってくれた。

インサドンにはいかにもお土産屋というものしかなく、僕が求める様な工芸品を扱う店はなかったが、1店だけ見つける事ができた。そのお店は明らかに高級って感じで、見るもの全てがそそった。どれもこれも安物の土産とはちがう。その中でも特に気に入った物は厚い紙でできた箱で、箱の表には韓国のトラディッショナルなペイントがされている。サイズも様々あり、というかほとんど大きいんだけど、そしてデザインも数種類あった。これだ、と思い直ぐ様そのお店で購入。かさ張るので持ち運びは面倒だけれど、お土産にうるさい母も気に入ってくれるだろう。しかも実用的なところがいい。本当に良いものに出会った。「考えられうる韓国のお土産の中で最高の物を買ったね」と姉からの賛辞も頂けた。スーラン、ハンナ、ありがとう。

インサドンで買った母親への土産
長辺が30cmでお土産にしてはちょっと大きいけど、手紙などの書類整理にいいと思う。

んで北村。大きな土産袋を持ちながら北村をうろつく。エリア全体が山になっており狭い道の両脇にはトラディッショナルな瓦屋根の家々が立ち並んでいる。車は通らないし観光客もわずか。道を登れば登るほど辺りは静かになっていく。散歩するにはもってこいの場所だ。ここらには工芸品を扱うお店も多いようなので、次回もう一度来て見ようと思う。

北村の街並み

しばらく写真を撮りながら北村をぶらつき、その後こじんまりとしたカフェに入った。本当に韓国はカフェが多いと思う。おかげで休憩場所やコーヒーにも困らないし、Wi-Fiも使うことができる。韓国は旅行がしやすい国だ。

カフェ ハンナとスーラン

1時間ほどそのカフェで休憩し、我々はタクシーに乗りミョンドンへと向かった。ミョンドンではロッテの免税店に行き、姉に頼まれていたルイヴィトンの財布を購入した。店員は日本語を話せたので問題はなかったのだけれど、帰りの飛行機の情報が必要だと言うことで慌てた。免税店で買い物をするなんて初めての事なので、空港で受け取るシステムとかがわかっていなかった。しかしフェイスブックに自分の旅程をアップしていたので事無きを得た。
ヴィトンの財布は数十分で買うことができた。それもこれもハンナとスーランが韓国語で店員との話をつけてくれているからだ。ありがたい。

ソウルタワー観光、スーランと洒落たバー

ロッテの免税店を出ると僕らはソウルタワーを目指した。ソウルタワーは、僕が宿泊しているゲストハウスのちょうど裏手にある。一旦宿に戻り荷物を置くと、ソウルタワーを目指して坂道を登った。

ソウルタワーの麓までは、僕の宿泊しているソウルミョンドンハウスからは20分もあるけば着きそうだけれど、僕らは既に疲れていたのでケーブルカーを利用することにした。ケーブルカーの料金は片道6,000W。帰りは歩いて降りる事にした。

ケーブルカー駅には想像したよりも人が多かったが、回転も早くすぐに乗ることができた。観光客ばかりかと思いきや韓国人の若いカップルが多かった。東京タワーみたいなものだろうか。乗車時間は5分もないと思う。
あっという間に山頂。ここがソールタワーの根元になる。恐らく、ここでまた別のチケットを購入すればエレベーターでタワーに登れるのだと思うが、我々は登らなかった。

ソウルタワー、またはナムサン(南山)タワーとも言うが山頂はなかなか面白い場所だ。カップルのデートスポットになっているようで、展望スペース近くの壁などにははメッセージの書かれた南京錠がぎっしりとかけられている。願掛けのようなものだろう。またベンチはV字型のシェイプをしており、座ったカップルが自然と寄り添う仕組みになっている。僕はさり気なく隣にスーランを座らせ満面の笑みで記念撮影をした。

ソウルタワーの南京錠
ソウルタワー南京錠の木
ソウルタワーv字型のベンチ

ナムサンの山頂にはカフェや洒落たバー、土産屋などもある。展望は素晴らしくソウルの街を一望できる。夜景も素晴らしい。
ということで、我々はその洒落たバーに入る事にした。素敵な女性二人とデートスポットに来ているので、せっかくならそんな雰囲気を味わいたい。

全面ガラス張りになっているバーは、どこの席に座ってもソウルの夜景を楽しむ事ができる。そして窓際にはカップルソファーが景色に面して並び、若いカップル達が幸せそうにお酒を飲んでいた。僕もここに座りたいなあ、と思っていたけど残念ながら二人用のソファー。なのでテーブル席を選んだ。ハンナがいなければ、なんて事をちらっと思った。

ソウルタワーのバーとスーラン

僕はお酒がほとんど飲めないが、雰囲気を楽しむためにも飲むことにした。ミント味のお酒。甘くてアルコールを感じず飲みやすかった。3人ともお酒を飲んだ。僕はとても疲れていて、普通の顔をキープするのがせいいっぱいで、しかもお酒も飲んで、この時どんな話をしたか覚えていない。とりあえずスーランがすごく美しかったことと、ハンナがいなければいいのにな、と思った事は確かだ。すまんハンナ。素敵な夜だな。

バーを出ると山頂からのバスに乗ってミョンドンに向かった。歩いて下山するつもりだったけれどもう遅い時間だった。飲酒後に山道をバスで下るのはつらかった。

ミョンドンでは地球の歩き方にも乗っている、「ミョンドンギョジャ」で夜飯を食べた。昼間は行列ができる人気店。僕らがオーダーをすると全ての食事は10秒ほどで来た。ほんとに。そしてかなりうまい。ほんとに。
僕らがオーダーしたのは恐らくカルクッスと言う韓国風うどん。鶏のダシが効いた優しい味のスープがとてもおいしい。替え玉が無料と言うのも嬉しい。そして蒸し餃子。これまたおいしい。噛むと餃子の中のたっぷりの肉汁が口の中に広がる。このレストランは韓国旅行3日間の中で今のところ1番。キムチの辛さも1番。また来たいと思うお店だった。

ミョンドンギョジャのカルクッス

食事が済むとハンナとスーランをバス停まで見送った。ハンナはこれで最後である。明日からの釜山ツアーには参加しない。本当に色々とありがとう。地図を片手にキョンボックンやインサドン、それと北村をガイドの様に案内してくれた事は忘れない。本当にありがとう。

ゲストハウスに戻ると、2Fのリビングでは法政大学の彼らと韓国のメンバーがお酒を飲んで盛り上がっていた。とりあえず僕はiPhoneが見つかった事の喜びを伝え、スーラン美人だっただろ?と自慢し(昼間ばったり彼らと会った)、千葉県市川市は東京と呼んでも良いか、というような話をして盛り上がった。(市川の人間が2人いたが、市川は千葉の他の所よりは栄えている、一緒にされたくない、というような主張だった。)

しばらく彼らと談笑しシャワーを浴びてドミトリーのベッドに入った。幸せな一日だ。iPhoneは奇跡的に見つかったし、母親への素敵な土産も、姉から頼まれたお買い物もできた。そして夜景とスーランは美しかった。体の疲れ方は半端じゃないが、言うことのない素晴らしい1日だった。昨日の夜と比べてどうだろう、この幸せさは。
そして明日からは釜山。リブ、ビビアン、そしてエイデンが待っている。楽しみだ。