初心者のための登山とキャンプ入門

バンガローとは?キャンプ場の「バンガロー」と「コテージ」の違いを検証

雨天時 バンガロー内で遊ぶ子供

小雨の降る中、林間のバンガローでキャンプしてきました。今回は、泊まる場所選びにあたってなんだか良くわからなかったバンガローやコテージの違いについてまとめてみました。

バンガローやコテージは何がちがうのか

施設名だけでは判断できない設備

バンガローとか、コテージとか、キャビンとか・・・なんだかいろんな名称があってサッパリ分かりません。いろいろ比べて最終的に辿り着いた答えは、施設名にとらわれずに設備を見て選ぼう、ということです。同じ「バンガロー」でもキャンプ場によって全然違うんですね。

個人的には次の順に設備の有無を確認すると、準備しないといけない荷物などが見えてきてよいかと思います。

  1. 寝具
  2. キッチン
  3. トイレ
  4. 電源
  5. 冷蔵庫
  6. シャワー(浴槽)
  7. 調理機器(レンジ、炊飯器、トースターなど)
  8. 調理器具(包丁、ナベ、ボウルなど)
  9. 食器類
  10. 冷暖房器具
  11. ドライヤー

私の経験では、「コテージ」と呼ばれるものに泊まったときには上の1~10までは全部ありました。11のドライヤーはコテージでもあったりなかったりでした。

問題なのは「バンガロー」です。全然内容が違います。経験では、一泊(一棟)5,000円程度のバンガローには、上の1~10はどれもありませんでした。ただ、板に囲まれた空間でした。床にはゴザが敷かれており、設備と言えばホウキとチリトリ、ハダカ電球といった具合です。この場合は、寝袋とかマットとかを含めた、テントに泊まる時と同じような装備が必要です。登山では、前日中に登山口付近まで行って翌日早朝から登るということがよくあるのですが、そういう時に前泊の宴会がてら利用していました。人数分のテントが無い時や、雨のときも便利でした。

1.寝具

寝具は一番かさばる荷物なので、備え付けがあるかどうかは準備の手間に大きく左右します。
現に我が家では子どもたち用の寝袋を持っていないので代わりに布団や毛布を持って行くことになります。雨だと運び入れるのも大変だし、いきなり畳の上に毛布一枚で寝るって言うのもチャレンジ過ぎる感じがします。1歳と4歳とまだ年齢も小さいので、十分に眠れないと夜泣きされたり翌日グズられる恐れがあります。
と、軟弱な事を言ってしまいましたが、畳に毛布一枚で寝られるのは何歳からでしょうか。今のところ子どもたちを世話する自分の体力を温存しておきたいので多少お金を掛けてでもラクをしたいですが、そういうことを考える必要が無くなるだろう小学校低学年くらいからだと良いかもしれませんね。

2.キッチン

ガスコンロと流しがあれば、普通の生活と同じように調理ができますね。外で調理したければすればいいし、もし寒かったり大雨だったりした時に中で調理すればイイ、という選択肢があるのは特に大勢の時に安心です。特に水場に水を汲みに行ったり子供の手を洗ったり食器を洗ったり・・・というのは便利です。

3.トイレ

汚いトイレや共有トイレにめちゃくちゃ拒否反応を示す人ってけっこう多いですよね。バンガローにはトイレがないものも多いですが、今回は中にあったので4歳になる子どもたちは勝手に行ってくれて助かりました。これがちょっと離れたところにあればその都度付き添わなければいけなかったと思います。

4.電源

ますます軟弱な話になってしまいますが、電源が無いと携帯の充電ができないのが一番不便です。なんでもスマホで調べるクセがついてしまっているので。電源がない場合は、使わない時に電源を切っておいたり予備のバッテリーを持って行ったりと頭を使うことが増えます。

5.冷蔵庫

冷蔵庫があると本当にラクですね。買いすぎたお肉を冷蔵庫に入れて置けるのであまり計算せずに適当に持って行くことができます。子どもたちが好きな牛乳も買えます。この時も余ったカレーをジップロックに入れて凍らせておみやげにもらいました。
ただ、冷凍庫の大きさはさまざまなので気になる人は事前に確認したほうがいいかもしれません。製氷皿しか入らない小さなものもあるので、大量に買い込んでいったアイスが入らないこともあります。
ほぼ同じ時期にコテージに泊まった友人は、ついていた冷蔵庫がホテルの客室にある飲み物を入れるような大きさだったため、翌日予定していたBBQのお肉が入らずに困った、と言っていました。

6.シャワー・お風呂

私はキャンプに行ってシャワーを浴びたいと思ったことはありませんが、毎日必ずシャワーを浴びなければ気が済まない人は考慮すればいいでしょう。そういう人が春や秋にキャンプするなら、もしかしてコインシャワーでは寒いかもしれません。特に子供にも必ずシャワーを浴びさせる、というご家庭なら風邪を引かないようにお部屋に付いていたほうがいいかもしれません。

7.調理機器(レンジ、炊飯器、トースターなど)

これらがあるとできることが全然違ってきますね。特にガスの火でお米を焚いたことのない人は普通に炊けるし、後で食事を温めたり朝食にトースターを食べたりもできます。今回のバンガローにはなかったので、ガスコンロでお鍋を使ってお米を炊き、登山用クッカーのフライパンでトーストを焼きました。

8.調理器具(包丁、ナベ、ボウルなど)

包丁、まな板、ナベ、ざる、ボウル、フライ返し、しゃもじ、お玉、皮むき器、菜箸 など。
これらは使い捨てるものでもないしコテージより下の設備では付属していないことが多いでしょう。
お友達のあそさんはこれらのほとんどを100円ショップで揃えて「キャンプ用ケース」に入れっぱなしにしていますが、これはいい安だと思います。いちいちキッチンから取り出して揃えて戻すのも面倒だし、お気に入りのキッチングッズが炭で焦がされたりなくされたりしたら残念です。

9.食器類

食器がついているとアウトドア用の食器セットを持っていなくてもいいですし、紙皿や紙コップ、割り箸を使う必要も無くなります。紙皿や紙コップは風に飛ばされやすいですし、誰のものだかわからなくなって大量に消費しがちです。チョイチョイ飲む時に新しいものを出していてはそれこそ膨大なゴミになります。値段が安いのでついつい無駄使いしてしまいがちなんですが、キャンプ場のゴミ問題は深刻だそうですので、できれば持ち帰りなどで協力できると良いですね。

10.冷暖房器具

特に春や秋のキャンプで備え付け寝具が無いときは確認が必要ですね。これによって持参する寝具と防寒着の量を調節しなければなりません。今回のバンガローには、真夏でしたがコタツが備えられていました。予め設置されていたのは机だけでしたが、押入れにはコードとこたつ布団、マットが使えるように準備されていました。

11.ドライヤー

「えーキャンプ(BBQ)でドライヤーって、なに言っちゃってんの?」って思うと思いますが、これだけ設備が整っていると「無いの?持ってくれば良かった~」とかって思うもののようです。現に子供って風邪を引きやすいんですよね。なので春や秋、髪の長い方は要注意です。また、どんなに設備が整っていても意外になかったりするのがドライヤーなんですよね。以前泊まった設備が整ったコテージでも、ドライヤーだけはありませんでした。

その他消耗品

食器洗い洗剤、食器洗いスポンジ はキッチンがある所には備え付けてあるところが多かったです。

ラップ、アルミホイル、キッチンペーパーなどの消耗品は無いところが多いと思います。

洗面用消耗品は、シャンプーリンス、石鹸、歯ブラシ、タオルなどになります。経験上、「バンガロー」には付いていなく、「コテージ」になると基本的には無いけどまれにあるところもある、という感じでした。

確認したい庭の設備

屋根があって、雨が降ってもBBQできるスペースがあるのかどうかも大きなポイントです。

屋根がない場合で雨が降りそうなときは、タープが必須になります。

その他に、

  • BBQコンロ
  • アミ、トングなどのBBQグッズ
  • テーブル
  • イス

などのうち、どれがあるかによって持って行く荷物をだいぶ減らせます。もしコテージやバンガローの庭にこういった設備が無くても、みんなで共同で使うBBQスペースがあるパターンもあります。これにはほぼ必ず屋根が付いているので、雨天時にはタープの下でBBQするよりも広々として、かえっていいかもしれません。

また、車が何台入れるかも要チェックです。2台目以降は別料金になる場合は予め荷物を1台にまとめて、一台を無料のスペースに置くなどもいいでしょう。

つぐ高原グリーンパーク

今回利用したキャンプ場は、愛知県北設楽郡にある、つぐ高原グリーンパークです。

泊まった「バンガロー」は、5人定員の6畳和室。設備としては1~5の冷蔵庫までがありました。しかし同じく10人定員の「バンガロー」にはシャワーがついていました。逆に、1~11の設備のうち電源だけがあるバンガローは「プチバンガロー」という名前で区別していました。定員は同じく5名です。こちらにはテラスがあり、屋根の下でBBQをすることが出来るようになっていました。

これまでに泊まった経験だと、バンガローをこのように分け方ているキャンプ場は珍しいかもしれません。でも「トイレつきバンガロー」、「トイレ、シャワーつきバンガロー」などとややこしいことには変わりはないので、やっぱり設備で判断していくのが良いと思います。

バンガロー外観

つぐ高原グリーンパーク バンガロー

こちらが5人用バンガロー、一泊(一棟)\12,900(平日料金)。
「コテージ」だと一棟一棟の間が離れていたりと独立していることも多いですが、「バンガロー」だとこのように隣の建物がくっついていることが多いかもしれません。

目の前のスペースにはタープを張って車を一台駐車することが出来ました。

バンガロー内部

つぐ高原グリーンパーク バンガロー内部

中は6畳の和室です。

カーテンの向こうは押入れになっており、布団と毛布と枕、それからコタツ布団セットが入っています。ここは受付時にカギと買い物バスケットに入ったクリーニング済みのシーツを5セットもらいます。今回は大人3人、子供3人ですが、小学生は0.5人、それより下はノーカウントで、定員内で利用するルールです。

バンガローキッチン

つぐ高原グリーンパーク バンガロー内部

今回のところは、上記の1~5、つまり、寝具、キッチン、トイレ、電源、冷蔵庫までの設備。食器や調理器具が無いのでキッチンもシンプルです。

ゴミ分別ルールとゴミ捨て場

つぐ高原グリーンパーク ゴミ捨て場

このキャンプ場のゴミ分別ルールは、ビン、カン、ペットボトルのみを別にしてその他は「燃えるゴミ」の扱いになり、もらった45Lの袋に入れるという決まりでした。写真左の箱の様なものが燃えるゴミ入れで、カラスや動物に荒らされないようにフタがついています。

キャンプ場そのほかの施設

キャンプ場はとても広く、他には遊具広場、散策道、ニジマス釣り場と焼き場、テニスコート、パターゴルフ、天文台などがありました。

オートキャンプ場は全て区画サイトで、普通のサイトが37、キャビン付きが33区画。いずれも定員5名です。ちなみにサイト料金は5,100円(平日)。キャビン付きだと計8,100円。オートキャンプサイト区画に付いているバンガロー的な建物の事を「キャビン」と呼ぶことが多い気がしますが、おそらくこの「キャビン」には寝具、キッチン、トイレなどが付いていないのだと思います。

売店は道の駅にもなっており、この日はささやかな蛍祭りも開催されていました(寒くて蛍は見れなかったそうです)。
しかし雨でしたので、ウロウロすることもなくタープの下とバンガローの中で過ごしました。