初心者のための登山とキャンプ入門

クライミングシューズの選び方

クライミングシューズイメージ

どのようなクライミングシューズを選べばよいでしょうか?

シューズは基本的に出来る限り小さいサイズを履いて、 足の力(が逃げないような)を最大限発揮できるような靴を選びます。 そのため自分の足のサイズから1cm〜2cmくらい小さいサイズが良いと言われています。
しかしシューズが小さ過ぎたり、足の形と合わないものを履いていると、足の爪が割れたり、痛みによってクライミングができなくなるので、始めてのシューズは専門店で相談して購入する事をオススメします。

店員さんのオススメのシューズを購入するという考え方もあるのですが、納得してシューズが購入できるよう基本的な知識を持ってショップに行くのも一つの方法でおすすめです。

まずは自分の足の形を知ろう。

自分の足の形を知れば、数多くあるクライミングシューズの中から選びやすくなります。
人の足の形は主に下記の3タイプに別れます。

足形
  • エジプト型:親指が一番長く、小指に向かって短くなる足形
    大半のシューズはエジプト型を元に作られているので一番クライマーに向いている足形
  • ギリシャ型:人差し指が一番長く、次に親指や中指が続き、小指に向かって短くなる足形
    人差し指が一番長くターンインした(つま先が内側へ向かう)靴を 履くと痛くなりやすいと言われてます。
    (自分もギリシャ型ですがターンインした靴は普通に履けてます。)
  • スクエア型:ほぼ指の長さが揃った足形
    先細した靴だと痛みが出やすいので、つま先が幅広な靴がオススメです。

また上記以外でも、人それぞれ足の大きさの違いや、 左右の足の違いもありますので、自分の足を測定する事も大事です。

クライミングシューズの基礎知識

お店やネットで検索をかけてみると色々なタイプのクライミングシューズがあることがわかります。
実際にカテゴリ毎に分けていくと靴が3種類、 +オプション的な形状3タイプの組み合わせで靴を カテゴライズできます。

レースタイプのシューズ:スニーカーのように紐で縛るタイプのクライミングシューズ。

レースタイプ
  • メリット:足の形に合うように調整が効く。
  • デメリット:脱ぎ履きが面倒。たまにほどける。紐が切れると縁起が悪い空気が流れる。

スリッパ:スリッポンタイプ。

スリッパタイプ
  • メリット:パーツがないので脱ぎ履きが楽。
  • デメリット:靴が伸びると履けなくなる。 履いた時空気が漏れてオナラみたいな音がする。

ベルクロ:マジックテープの脱ぎ履きしやすいタイプ。

ベルクロタイプ
  • メリット:マジックテープで足入れが楽。スリッパタイプに次いで履きしやすい。
  • デメリット:スリッパに次いで、靴が伸びると履けなくなる。 ベリベリする所にゴミが溜まる。

靴のフィット感の順番

レース>ベルクロ>スリッパ
※革が伸びてきた時の事を考えるとこのような順番になります。

脱ぎ履きが楽な順

スリッパ>ベルクロ>レース
※パーツが少ないスリッパがだんとつに着脱が簡単で、パーツが増えていくほど着脱が面倒になります。

クライミングシューズの形状

パッと見では分かりにくいのですか…形状の違いもあります。

フラットソール:靴底が平なクライミングシューズ。

オーソドックスな形状で、スラブ・垂壁に向いている。長く履いていても疲れにくい。

ダウントゥー:つま先が下がっているクライミングシューズ。

フラットタイプ

上級者向けのシューズの多くに採用され、傾斜の強い壁に向いている。(足が切れにくい)

ターンイン:つま先が内側に曲がっているクライミングシューズ。

ダウントゥータイプ

足先に力が集まりやすく、ジプス(小さいホールド)に立ちやすい。

ターンインタイプ

クライミングシューズ選びのポイント。

ここから、選ぶポイントにスポットを当てて話しを 進めて行きたいと思います。

クライミングシューズのサイズ選び
だいたい30分くらい我慢して履けるシューズをベストサイズと考えます。
これは、ジムなどの壁に取り付いている時間と、革製のシューズが多い事から、シューズ自体が伸びる事を考えてのチョイスとなります。

※異様に痛い(足型に合っていない)シューズや、小さ過ぎるシューズを買うと、ジムで履けない場合があるので慎重に選らんでください。 (あくまで個人的な印象ですが…試し履きした時よりジムなどで履いた時の方が10%くらいキツい印象がします。)

足型に向いたクライミングシューズを選ぶ。

一概には言えませんが、足型に向いたシューズの例をあげるので 参考にしてみてください。

エジプト型の足の人(親指が長い)

エジプト型

アナサジベルクロ(ファイブテン)ミウラー(スポルティバ)
コブラ(スポルティバ)などなど…。

ギリシャ型(人差し指が長い)

ギリシャ型

カタナ(スポルティバ)フォース(スカルパ)
ミタケ(ミレー)などなど…。

スクエア型 (指の長さが揃っている)

スクエア型

ミウラーVS(スポルティバ)スパイア(ファイブテン)
モカシム(ファイブテン)などなど…。

※個人差があるので、この例に当てはまるとは言えません。
ちゃんと試し履きをしてみて、確認する事をおすすめします。

機能面からクライミングシューズを選ぶ

これまでは足形などで考えて来ましたが、実際にシューズを機能面で選ぶとすると…

クライミングシューズの形状

  • ジム…スリッパタイプ:着脱が楽で休憩を入れる事が容易。
  • 外岩…レースタイプ:ロープなど長時間履く事がある場合に 足が疲れにくい。
  • どちらでも…ベルクロ :スリッパとレースの中間に位置しているので汎用性がある。

…と経験上このように思いますが、どのようなシチュエーションでも。。。

ソールの固さ

  • ジム向き…柔らかめのソール
  • 外岩向き…固めのソール

ソールに関しては 、柔らかいソールは小さいホールド(ジプス)に乗りにくくなるので 固いソールの方が向いているとは言えますが、固すぎると被った壁で弾かれる事もあるので 実際には、どっちがどっちと言えない部分でもあります。

ソールの形状

  • 垂壁…フラットソール
  • 被った壁…ダウントゥー

と言ってはみたものの…
言い切れない部分が大きいので…
やっぱり、実際に履き比べてみてください。

選ぶ基準、その2。

機能と足形と来ましたので ここではそれ意外で選ぶ基準になりそうな事を。

足首の固さ

足首の固さでも判断が効きます。

変な話になりますが、 和式トイレって座るのが辛い方いますよね。
その時って足首が曲がらなく体制がきつくないですか?
この足首の柔らかさで 柔らかいと[スメア]というテクニックで 固い人より有効に使えるという事があります。

例えば、スラブ(垂直まで行かない急傾斜の壁)で 足首が柔らかければ、スメア(ホールド以外に靴の底の摩擦利用してバランスを取る事)を効かせてバランスをとれる。
固いと、ジプス(小さいホールド)にエッジング(指の先〜付け根部分で立つ)する方が バランスがとれます。

足首が固い人には、

エッジング性能に優れた靴。…例えば、ミウラー(スポルティバ)など。

足首が柔らかい人には、

スメア性能に優れた靴。…例えば、モカシム(ファイブテン)など。

という事も選択基準になります。

まとめとオススメ

と言った感じで、クライミングシューズに関して知った事などをいろいろ書きましたが…

はじめの一足目は、小さい靴に慣れてない事もあり
すぐ大きくなってしまいます…。

そして、すぐ二足目が欲しくなります。
良く言われるのが、小さすぎるを買ってしまうか高機能な上級者向けシューズを買って履きこなせず…。

すかさず、三足目へ。
やっと、自分に合う靴をゲットできる。

というジンクスがありますので、失敗しないで早く自分に合った靴をゲットできるようがんばってください。

オススメのクライミングシューズ

一足目や上手くなるまでは、フラットで固いソールの靴をおすすめします。

その理由は…
足の使い方が上手くなるまでは、フラットソールの方が、靴の性能まかせにせず、自らの力で足をコントロールする事や
テクニックを学んだ方が上達の近道になります。またソールが固いシューズの方が、足置きを丁寧にしないとちゃんと置けませんし、ジプスなどにエッジングする事にも向いている靴なので、テクニックを磨くのに向いていると思います。
そして、固いと外岩にも向いているので 一足でいろいろと使えて便利!となるワケです。

いろんな事を書いてきましたが
個人的にオススメシューズをすると…。

ミウラー&アナサジ

スポルティバ ミウラー。

ファイブテン アナサジベルクロ。

 

です!定番なんですが、間違いのないシューズだと思います。

結局言うなら、いろいろ長々と書かなくていーじゃん。となりそうですか…
二足目、三足目など、今後に役立ててください。

ヤハケンのクライミングシューズ選び

いろいろ調べたりして、靴についての知識が増えてきましたが、実際、3足目で知識が活かされて自分に合うシューズを買う事ができました。

初めは何も分からず、レンタルシューズで数回経験してみて、楽しくなって来たから買っちゃうかぁ〜〜という勢いのみ。
知識も無く、クライミングに本当にハマるのだろうか?という…不安もありつつ、お店に行ったんですが。

一足目は、お店で足のサイズを計ってもらい、色々試し履きをした結果。
ミレーのミタケというシューズを購入しました。
理由はレンタルシューズはフラットだから、本気っぽさがあるダウントゥーにしたらカッコいいとか
ベルクロは脱ぎ履きが楽だし、アラタの「カッコイイよ!似合ってるよ!」という後押しもありつつ…。

結局、初めから痛くない大きさを買った事もあり、しばらくしたら足が少し余る大きさに。
少しクライミングも慣れて傾斜のある壁も登れるくらいになった頃、悪〜い考えが…。
ちょうど、会社の人がクライミングに興味を持っていたので
中古価格でミレーのミタケを売りつけ。もっとカッコいい靴を買ってやろうと…。

その作戦が上手く行き、新たなシューズをゲットいたしました。
余り人とカブらないシューズ。という不純過ぎる希望の靴を探し…。
アンドレアボルディーニのアパッチというシューズを探しだし、ゲットする事ができました。
なんと、おフランスのシューズで1足1足、靴職人が手作りというオシャレ過ぎるスペック。

2足目はオシャレという理由だけで買ってみたものの、実際にはとても良い靴で
上手い人が履くような高性能シューズを買ってしまいました。
そんな靴を使いこなせるはずもなく、早く履きこなせるような実力が欲しいと頑張っていました。

そして月日が経ち、外岩へ行くようになってから
アラタに「足を信用しないと!点で乗る感じ!」と自分の弱点をスバッと言われ
「スポルティバのミウラーいいよ〜」と。
このままだと足も信用できず進歩のない日が続きそうだったので
アドバイスを信じ、後日お店にスポルティバのミウラーを買いにいきました。

そして、履いてみるとターンインされていて靴の力が入るポイントが良く分かる。
良く行く外岩が、御嶽・小川山なので点で乗る事が重要になる課題が多いので
靴に助けられる事が多々ありました。

結局サイズの問題ではなく、カッコつけという不純の理由で
ジンクス通りの3足目で自分に合う靴に巡りある事になりました。
めでたし、めでたし。

ちなみに、足置きに自信がない人や上手くできない人には
めちゃくちゃオススメしたい靴が、スポルティバのミウラーです。
外岩に行くと、上手い人も履いてる方が多いですし
紐タイプですが、工夫がされててスムーズに履けますし
ジムだと紐を結ばず登っちゃう事もしばしば…。
限界のグレードの時は縛りますが…適当でも登れない事は無いですし。
カカトが小さめの方はミウラーウーマンもありますし。
しかもメッシュタイプのタングが採用されているので
蒸れにくい仕組みなので臭い対策も万全です!。
白い靴も男性が履いてもカッコイイので
足の形で選んでもらえればいいと思います。