石鎚山登山と鎖 西日本の百名山を登る旅ファイナル
九州の百名山5つと鳥取の大山を登り終えると、ゴールデンウィーク中の姉家族と合流して四国にやってきました。徳島で剣山を登ると今度は石鎚山。 そしてこの石鎚山を登ると、半つきに渡った旅もとうとう終わります。
4月30日:徳島県の祖谷と高知県の桂浜観光
東祖谷落合集落
剣山を登り終えたあとは、高知に向う道すがら祖谷(いや)を観光した。上の写真は東祖谷落合集落。観光にはあいにくの天気だったけれど、ガスの力もあって落合集落はすごくいい雰囲気だった。
集落の人はどんな暮らしをしているのだろう。
下の写真は姪とカカシ。祖谷にはいろんな所にリアルなカカシがいる。
調べてみると、祖谷ではカカシによる町興し「カカシプロジェクト」なるものに取り組んでいるようだ。
どのカカシにも愛嬌があって、妙に雨の祖谷になじんでいた。
奥祖谷のかずら橋
かずら橋とは簡単に説明すると、とても原始的な吊橋ということになると思う。このかずら橋もここいらの観光名所になっている。
ちなみに僕は通行料の500円をケチって渡っていないので現場はどんな感じかわからない。
高知県の桂浜
その後は高知の桂浜に行き、夜はひろめ市場に行き美味しいカツオを食べた。
そして翌朝、高速を飛ばして愛媛の伊予西条へ。
僕と義兄のキタオくんは石鎚山に登り、残りは松山を観光する。
石鎚山登山
伊予西条駅から10時23分のせとうちバスに乗り、11時15分ごろ石鎚山のロープウェイ前に到着した。復路のバスの最終は17時22分。
ということで、17時のロープウェイには間に合わせなければならない。
石鎚山登山の参考コースタイムは5時間くらいだから、ほんとうに行って帰ってくる感じになってしまう。この時間から登り始めると少し忙しい。
ロープウェイ入り口付近の駐車場の様子。ここだけではなく、繁忙期様にもう一つ大きな駐車場が用意されていた様に思う。
ロープウェイ乗り場前のすごい方々。怖いんだけど、なんか安心感があった。
ロープウェイの待合室にある時刻表。発車時刻は毎時、0分、20分、40分。僕らは40分のロープウェイに乗った。
ロープウェイの乗車時間は10分もかからなかった様に思うけれど、その間に登った標高は800メートルにもなる。もちろん足で登ってくることもできるけれど、標高800メートルで片道1000円は安い。
ロープウェイ駅から「石鎚神社成就社」への道。広くてフラットで歩きやすい。神社にお参りするだけなら登山靴でなくても問題なく歩ける。
ロープウェイ駅から歩いて20分ほどで石鎚神社成就社に到着。売店、土産、旅館となんでも揃っていた。旅館の中では白装束をきた人達がくつろぐ姿があった。
八丁坂鞍部の休憩スペース。石鎚神社成就社からの下り坂を「八丁坂」と呼ぶらしいけれど、そこの一番下りきったところ。ここから山頂まで登るばかりとなる。
最近の登山日記では、整備されている道が多いと書き続けているけれど、この石鎚山もほとんどが木段だった。百名山で登る人が多いからだろう。お客の多い山でメジャーなコースを利用していればしょうがないことなんだと思う。
けど石鎚山の木段は鳥取の大山のものと比べると非常に登りやすい。登る人のことを考えてステップが細かくなっている。膝痛持ちにはすごくありがたい。
あけぼのつつじがきれいだった。
石鎚山の鎖場 特集
試し鎖
全てのクサリを登ってやるという意気込みだったけれど、鎖場の横の看板を読んで登ることをやめた。
「岩山の反対側が下りの鎖り場で大変厳しい岩場です」とあった。
このクサリは登っても必ず下りなければならないクサリで、登ってもあまり意味がないようだ。
試し鎖の反対側から。試し鎖では奥に見える岩山をあえて登り、そして下らなければならないので本当に「試し」だ。でも思うに「試し」とは名前ばかりで下りが一番危険。「試し」だからと言って簡単なわけではないと思う。
手前の青い小屋は一軒茶屋。お菓子やラーメン、ジュースにビールと何でも揃っていた。帰りに立ち寄った。
一の鎖
一の鎖は、ほどよい距離と程よい角度。足を置く場所もちゃんとあるので登りやすい。キタオくんは猿のようにピョンピョンと登っていた。
二の鎖
二の鎖は、感覚的に一の鎖より2倍の長さはあった様に思う。キタオくんは割りと平気で登っていたようだけれど、僕はけっこう怖かった。なのでどんな風に怖かったか、書いておこうと思う。
ニの鎖で怖かったこと
怖かった理由はいくつかあるんだけれど、一番は寒くて体がガチガチになったこと。風がすごく吹いている場所だったし、岩にツララが出来ていたくらいだからけっこう寒かったんだと思う。それで体が硬くなってうまく動けなくなった。準備運動をしておけば良かったなあと思った。寒い時は危険だ。
それとクサリを使わないで変な風に登ってしまったのもある。1箇所トラバースをするところがあってそこで失敗した。まずいなあ、と思って必死に手を伸ばしたらそれがツララだったのが笑えた。
たぶん、素直にクサリづたいに登って行けば問題無いように思う。ちゃんとアブミ(足を置く場所)もついていた。
そして最後に岩が滑ること。実際に滑ったわけじゃないんだけど。
石鎚山の全ての鎖場に言えるけれど、人がたくさん使っている鎖場だから岩がつるつるになっている。そんな岩肌だったので足元が不安だった。スニーカーだったら怖いなと思う。
という感じです。
今まで北アルプスや両神山なんかで大量の鎖場を消化してきたつもりだったけれど、初めて怖いと思った鎖場がここだった。たぶん、予想以上に寒かったこと、それと一眼レフを首にぶら下げていたのが原因かもしれない。
三の鎖
ニノ鎖で恐怖を感じていたので、三ノ鎖が工事中で正直ホっとした。工事期間はまだまだ長い様だ。
キタオくんは「残念だ」と言っていた。
僕も「そうっすね」と言っておいた。
下山
ガスの中の石鎚山山頂。
石鎚山の神社がある山頂は弥山(みせん)と言う名で標高は1974メートル。ここから縦走路を東に15分ほど行くと天狗岳という頂上があり、標高は1982メートル。ということでその天狗岳に行きたかったけれど、縦走路はガスで何も見えないのでやめることにした。楽しみにしていたので残念だった。
そして下山。
時間に余裕もあったので帰りは一軒茶屋に立ち寄った。
ここの名物は「あめゆ」という飲み物。せっかくなので僕は「力あめゆ」を注文し、キタオくんは「冷やしあめゆ」を注文した。
あめゆは生姜と砂糖が入った飲み物で、風邪の時に飲んだら元気になりそうな味だった。ちなみに「力」はHOTということのようで味に違いはない。けど寒い時に温かい飲み物は本当に元気がでてありがたい。茶屋のおじさんとの話も楽しかった。
ロープウェイ乗り場付近から見える北側の景色。西条の街だろうか。瀬戸内海の島々や中国地方も見える。
こんなに山は曇って寒いのに。下界は暖かそうだ。
ぶじに17時のロープウェイに乗ることができ、そして最終バスに乗って伊予西条駅まで帰ることができた。その後は近くの東予港で姉たちと合流し、やたら豪華なフェリーでいい気分になって帰った。
姉家族のゴールデンウィークも終わり、
そして僕の、西日本の百名山を登る旅も終わった。
予定通り九州の百名山5つ、鳥取の大山、四国の石鎚山と剣山も登り、今回8つの山を登ったことになる。まあそのうちの半分以上は痛い膝で泣きながら下山をしていたけれど、それ以外はトラブルもなく楽しく過ごせた。あまりにも旅が楽しすぎて、旅が商売にならないかと真剣に考えたほどだ。
まあでもまだ百名山は終わっていない。
次は北海道だ。