初心者のための登山とキャンプ入門

漆喰塗りDIY① 壁紙の上から漆喰・下地処理に寒冷紗とこんにゃく糊計画

漆喰を塗った壁

部屋の壁に漆喰を塗ろう

今の家は賃貸。ここに20年以上も暮らしていて、仕事もこの家の一室でやっている。そしてこの部屋を改造することにした。いまさらだけど、あまりにもみすぼらしい部屋で我慢がならなくなった。人生の多くをここで過ごすことになるかもしれない。せめて素敵な空間にしたい、と思った。

みすぼらしいところはたくさんありどこから手をつけるか迷うのだけれ、一番の理由は壁。部屋は和室スタイルなので、壁紙には薄い緑というか、くすんだ色のザラザラした壁紙が張られている。そのくすんだ感じが汚くて、写真を撮る時はいつも背景が暗くなり参っていた。これを変えようと思う。

一番簡単なのは壁紙を張り替えることだ。今ある壁紙を剥がして白くてきれいな新しい物にする。簡単というか、ほとんどの家ではこの方法が普通だろうと思う。
でも僕は壁紙というものが好きではない。まあ、好む好まざるに関わらず普通は壁紙しか選択肢がないのだ。けれど、その昔オープンしたてのカラオケで働いている時、新品の壁紙が張られた部屋の匂いで気分が悪くなる、という経験があった。
ということで僕は部屋の壁を漆喰で塗ることにした。

ちなみに壁に漆喰を選んだはっきりとした理由はない。ただ、好きな壁があるとすれば南スペインの家々の白壁だ。質感、手作り感、ボテッとした厚み、汚れたらまた塗り直せばいい気楽な感じ、そんなのが好きだ。漆喰を塗ったらそんな感じになるんじゃないだろうかと思った。(たぶん、僕が好きな感じは石灰モルタルだったんだろう、と今では思うけれど)

壁紙の上から漆喰、またはベニヤに漆喰

ネットで検索をしても、賃貸で漆喰を塗っている人は一人しか見つけられなかった。そうだろうと思う。そしてその人の場合、ベニヤを一枚ひきその上に漆喰を塗っている様だ。当然ながらそうだろうと思う。
けれど僕は今の壁紙の上から直接やってしまおうと考えている。6畳間の壁を埋めるだけのベニヤを用意するのは面倒だし、計算するのも面倒だ。それに、たとえ壁紙の上から漆喰を塗ったとしても、引っ越しの際には壁紙を張り替えるのだから良いのではないだろうか。

そして、今更という気もしてくる。
僕の家に限ることだろうけれど、賃貸であろうが20年も住んでいると家の改造はひどくなる。押入れの真ん中の板を大胆に取り除いてしまったり、ハンモック用の大きな穴を柱に空けてしまったり、ダーツで壁や柱を穴だらけにしたり、リビングはペンキで真っ白になったり。そう言う理由で、僕が部屋の壁に漆喰を塗るくらいなんなんだ、と思えてしまう。

練り済みの漆喰は高いので自分で練ることに

一般の人が漆喰を買おうとすると、漆喰を自分で練るか練らないかの2パターンが考えられる。練済みの漆喰を買うか、粉の漆喰を購入し自分で練るのかの違い。

そして練済みの漆喰にも2パターンあって、「うま〜くヌレール」の様な下地処理の必要がなく開けたらそのまま塗れるもの、「城かべほんねり」の様な下地処理はいりません、とは書いてないものがある。

「城壁 ほんねり」はそこまで高くないが、それでも練られていない漆喰に比べると値段の差は大きい。うま~くヌレール辺りになるとさらに値段の差が出る。ちょっとの壁を塗る分には問題ないとは思うけれど、6畳間の壁全面をうま~くヌレールで塗ろうとするとかなりの出費になるだろう。
もちろん塗る漆喰の厚さにもよるだろう。けれど材料費にびくびくしながらの作業は少しきつい。

なので面倒ではあるけれど、安く済ませるために自ら漆喰を練る事にした。練られた漆喰を見たことも触ったことも、むしろ塗られた漆喰はお城以外見たことないような気もするが、やりながらおぼえていくことにしよう。

下地処理をどうするか。シーラーは塗ることに。

壁紙の上からは直接漆喰を塗ることができないらしい。もちろん塗れることは塗れるだろうけれど、今後すぐに剥がれてしまうかもしれない。
ということで漆喰を塗る前に下地を作らなければならない。調べたところ、

  1. シーラーを塗り、灰汁を止める(城かべシーラーなど)
  2. 下地処理剤を塗る(ベストアンダースーパーカーボンプラスターなど)
  3. 漆喰を塗る

というのが理想的な作業行程の様に思えた。
ちなみに部屋の壁の半分は壁紙の裏がベニヤ、残りの半分はボード、だと思う。

けれど、上記3行程は面倒でさすがにここまではやっていられない。というわけで2番の「下地処理剤を塗る行程」を省くことにした。シーラーは塗ることにしよう。簡単そうだし。

この選択が失敗の原因になるかも知れない。でも悩んでても時間が過ぎるだけなので試しにこのパターンでやってみようと思う。

下地処理はシーラーを使わず寒冷紗(かんれいしゃ)とこんにゃく糊を使うことに

綿寒冷紗
大量の綿寒冷紗

壁の下地はシーラーを塗るということだけにしたけれど、それでも何かと面倒だ。シーラーは水で薄めて刷毛もしくはローラーで適当に塗れば良い。でも作業はそれだけではない。穴が空いた所はパテなどで埋めなければいけないし、壁紙が剥がれてきそうなところにはファイバーテープなるものを張らなければいけなそうだ。ファイバーテープを張ればまたその上からパテを塗らなければならないと言う話し。

すごく面倒だ。 漆喰を塗るまでに行程が多すぎるし買わなきゃならない物が増える。おかげでやる気もなくなってきた。しかし他に何か良い方法はあるまいかと調べていると「綿寒冷紗とこんにゃく糊」で下地を作れるということがわかった。

寒冷紗とはガーゼの様な布のことで、それをこんにゃく糊なるもので壁に貼り付ける。それが漆喰様の下地になる様だ。
パテもファイバーテープも必要ないとあり、見つけた時はこれだと思った。全てがいっぺんに片付く。しかも自然素材だし、作業としても魅力的だ。

寒冷紗とこんにゃく粉探し

こんにゃく粉
こんにゃく粉

我が家倶楽部 ←こちらのお店から綿寒冷紗とこんにゃく糊を使った下地づくりの方法も載っているし販売もしている。なのでこちらのお店から買えば良かったのだけれど、やっぱり用意されたものは高いので自分で探してみることにした。

ということでまずは寒冷紗探し。
ネット上で綿の寒冷紗で漆喰壁に適した寒冷紗を見つけるのは困難だったけれど、しつこく調べたら大阪の永井工房さんが見つかり、そこから購入することができた。メールで注文して銀行振り込み。畳15枚分くらいというと、余裕を持って30メートルくらいがいいのではないか、ということ。1メートルで95円、送料込みで合計3530円となった。

そして、こんにゃく糊を作るためにこんにゃく粉を探す。
こんにゃく粉100グラムあれば15畳に必要な糊を作ることができる。ネットでは100グラムで1000円ほどで購入できた。こんにゃく粉 手作りセット 50g+5g(凝固剤)

こんな感じで、うま~くヌレール的な練り済みの漆喰を使い簡単に終わらそうと思っていたけれど、なんだかしぶい感じになった。だけどその分、かなり安く仕上げる事ができそうだ。