初心者のための登山とキャンプ入門

SPFで作る机の天板DIY・苦難の記録

SPFで作った机の天板

軽い気持ちで始めた机の天板作りですが、すごく苦労し挫折もし、しかし始めたからにはやめられず、結局完成までに半年近く要しました。安く天板を作ろうと言う企画でしたが、次々に道具や塗料を買うことにもなりました。天板を自作しようと考えている人の、ほんの少しでも参考になれば嬉しいです。

端材の天板 大失敗

以前日記に書いたけれど、机の足に「石灰」と「バターミルクペイント」と「アンティークリキッド」でアンティーク加工を施した(机の脚をアンティーク加工 の日記へ)。けれどそのせいで、ピカピカの天板とのバランスが悪くなった。なので今回は、同じくスクラップメイドのインテリアで紹介されている「端材で作る天板づくり」に挑戦しようと思った。今ある天板に木の端材をぺたぺたと張り、モザイク柄の無垢の天板の様な雰囲気を出し、アンティーク加工した足と雰囲気を合わせたいと思った。

プリント合板の天板
作業前の机の天板。プリント合板というやつだろうか。

端材で作る天板。と言っても端材は全く持っていなかったので、楽天で安価なひのきの端材を大量に買った。工作用として買う人もいるようだし、薪ストーブの燃料として買う人もいるようだ。
僕が買ったものは15キロで2500円。箱いっぱいの、しばらくは使い切れそうのないほどの檜が送られてきた。木々のサイズは98%くらいは同じのものだったので、カットの回数も少なく苦労もなさそうだった。

木材を天板に貼り付ける前に、あらかじめワトコオイルで塗装した。お試しで買った少量のワトコオイルが全色あったので、それらを適当に塗り乾燥させ、時間をあけ、そして水性ボンドで天板に一気にくっつけた。

端材のモザイクの天板

そして失敗した。ボンドづけしてしばらくすると全ての木材が反り始め、天板の表は使い物にならないくらいでこぼこになった。どういうことかと焦りネットで検索すると「ボンドを塗ると木が反るよ」と書いてあった。特に僕の買った端材は薄いので反り方が極端なのかもしれない。このまま目をつぶってしまおうか、としばらく悩んでみたけれど、やっぱり受け入れることができない。そして気持ちを切り替え、汗をかきながら大慌てで引っ剥がした。水性ボンドは乾燥しなければ水で取れるが、熱湯を使ったらもっと取りやすくなった。

ボンドでつけた木材を、クランプで1枚1枚しっかりと圧着していけば問題なかったのかもしれない。けれどそのためには長いクランプや変形したものが必要になるだろうと思ったし、それに、実際ボンドで木材を貼り付けた完成の姿を見た時、少し違和感があった。なので端材の天板作りを諦めることにした。

ボンドを塗ると木が反る、と学んだ。
大量のヒノキの行き場がなくなった。

SPFの天板づくりに挑戦

端材の机の天板に挫折してから数ヶ月経つ。その間すっかり落ち込んでいたが、再び天板づくりに挑戦。今回は小細工はせずに天板ごと替えてしまおうと言う作戦。無垢の天板でいこうじゃないかとネットで検索するも、それは非常に高く、悩んだ末最終的にはホームセンターのSPFしか選択肢がなくなった。

SPFの材料は、1200×140を5枚つくった。購入した木材は「1x6 12F」 という巨大なもので、これを2枚購入しカット。合計3200円程度で済ますことができた。

予定通り木材を買うことができ全ては順調に進んでいるかに見えた。未来は明るい様に思えた。けれどここでも失敗した。購入したSPFがかなり反っていたのだ。長い木材だからと言うこともあるかもしれない。
そのことをカットする寸前には気づいたのだけれど、また木材売り場まで戻り木材を選びなおす、という行為が非常に面倒だったので諦めてしまった。しかしこのことは1日中後悔した。メシを食べてもフロに入っても、言っときゃよかったと後悔した。

カットされたSPFを自宅で並べてみると、えらいぐにゃぐにゃだった。どれもこれも笑えるくらい反っている。手を打たねばなるまいと思った。

その他に買ったもの

ダボ接ぎを予定していたのでダボ関連のものは仕方ないが、それ以外の道具を買うのにはかなり躊躇した。家にものが増える度に罪悪感を感じるし、ハタガネなんてこの先どれくらいの出番があるのだろうか。スコヤもノギスも、僕のエセDIYにそこまでの正確性が必要だろうか。

と思いつつも買ってしまった。けれど、こんなに木がぐにゃぐにゃだと、正確にやってもやらなくても結果は変わらないのではないだろうか。

ノギスのデプスケージ

ノギスのおしりにあるデプスケージは、ダボ穴の深さなども調べられるのですごく便利。ノギスは未だ全然使いこなせていないけれど、定規では測れないモノの内側の長さを調べることができる。

ハタガネ グルーイングクランプ

今回買ったハタガネの頭の部分。シルエットが美しくて部屋に飾っておきたいくらい。

反りをなおすために鉋を買う

ネットで検索すると、木材の反りをなおすために、反った部分を鉋で削り平にする方法を紹介している人がいた。それに挑戦しようと思った。というかそれ以外に選択肢が無いように思われた。

スコヤもノギスもそうだけれど、鉋もそこそこのものがいい。家に安い鉋があるけれど、それは木に傷をつけるためのものだった。鉋=使える道具、という実感が欲しかった。
数時間のリサーチの結果、替刃式の鉋で候補にあがったのは2つ。河怡(かわよし)と越翁(えつおう)。これ以外の鉋もあっただろうが、替刃式の鉋について語っている人はごく少数しかいないようだった。

鉋は数多くのサイズがあるが55mmに決めた。寸三サイズと言うのだろうか。これもネットの情報頼みだけれど、素人は大きなかんなを上手に扱うことができないという多数の意見と、女性は小さい方が良いという意見があったからだ。僕は男だけれど、手の大きさは女性並みなだから小さい方がよいだろう、そう思った。

間違えて「河弘」の鉋を買う

河怡と越翁の鉋で迷ったが安い方の河怡を選んだ。越翁は「鉋の刃を金印に替えるとかなりよい」的な話があり、それがどれほどのことなのかを知りたかったし、名前も「越王」と同じ発音で好みだった。けれど替え刃と本体をあわせると2万円近くになり諦めざるを得なかった。しかしよくよく考えれば僕にはそんな良いもの必要ないのだ。危うく買うところで買い物は怖いなと思った。買うためにはどんな理由だって付けられる。

しかし届いた鉋は「河怡(かわよし)」ではなく「河弘(かわひろ)」だった。

アマゾンでたった一つだけ2000円も安い河怡の鉋があり、これはお買い得と思い購入した。もちろんなぜ2000円も安いのかを出来る限り調べた。替え刃が入っていないモデルかも知れないし、型落ちかも知れない。何かしらの理由があるとは思い可能性を探ったが、違いは見つけられなかった。そして買った。
そして鉋が届いた時に商品名を見てみる。すると「河怡 河弘 替刃式鉋 55mm 」とあった。「河弘」と余分な字が書いてあった。

ややこしい。河怡と河弘の違いは、河弘は河怡のグレードを下げたものらしかった。台の木材の種類が違うとか、サイズが違うとか、替え刃の数が少ない、とかそんな記事がいくつか見つかった。河弘をちょっとダウングレードしてお求めやすい価格のものを作ったのだろう。だから2000円も安いのだ。
ややこしい。名前をもっと、激しく変えるべきだと思う。いや、商品説明にしっかりと書いてあってもよかったんじゃないだろうか。そんなこんなで河弘を返品して河怡を買い直した。送料も余計にかかった。物事はうまく進まない。

端材のモザイクの天板
【河怡】河よし 替刃式かんな 鉋 本体 55mm

鉋にSPFは厳しい

待望の河怡の鉋がお家に届いた。55mmというもので、カンナの中でも小さい部類に入ると思ったが、大きい。一般的な男性の手なら問題はないと思うが、僕にはやや大きい。女性にも大きく感じるだろう。アイフォン4Sよりも15ミリほど横に長い。

この鉋はすぐに使えると言うことなので、早速練習もなしに木材の反りを削る作業をした。
そしてすぐにわかったことは、節が削れないということだ。節がないところはシュパッと高音を立てながら削ることができるが、節があると「ガッ!」とつっかかってしまう。小さなものなら乗り越えられるが、大きい節だと確実にカンナが止まってしまう。鉋がけをすごく楽しみにしていただけにストレスが溜まる。残念だ。これまたネットで「カンナ 節」と調べると、「節は難しい、SPFでカンナなんて使わない方が良い、節で刃がこぼれる」などのコメントを見つけた。なるほど。SPFは節だらけなのだ。

それでもなんとか、部屋中がかんなくずだらけになるほど削ったが木材が平らになることはなかった。あまりにも反りすぎているのだ。2mm以上は反った部分を削っただろうか、それでも平らになるにはまだ削らなければならない。まあこれはやる前からわかっていたことで、ただ僕が知りたかったのは、鉋がけにどれくらいのエネルギーが必要か、ということだった。そしてやってみてわかったのは、真冬なのに汗だくになるほど大変だと言うことだった。

大変なのにはいくつか理由がある。まずは節で鉋が止まってしまうこと。次に、地べたで鉋がけをしているから疲れる、ということ。はじめは机の上でやっていたが、鉋がけのパワーに机の足が負け鉄の足がぐにゃとなり、地べたでやらざるを得なくなった。
物事はうまく進まない。天板を作る前に作業台を作らねば話しにならない、と思った。

そう言う訳で、鉋で反りを削る作戦は一時中止。反った木材同士をダボで強引にくっつけ、あとで凸凹の表面を鉋で整えよう、そうゆう作戦にチェンジした。
ちなみに、河怡の鉋は良いような気がする。良い鉋を知らないし今回はじめて鉋を使ったに等しいが、僕の中では必要十分に削れている。フシがなければシュパーッと小気味の良い音を立てながら、長い長いかんなくずを作ることができるのでとても気持ちがいい。

まあ道具のことは置いておいて、今は自分の無知と無能に悲しくならざるを得ない。そして物事は思い通りに進まない、と思う。

ダボ接ぎ本番・ガタツキを鉋で修正

物事は思い通りには進まない。

本番の前にダボ接ぎの練習をしたのだけれど、ドリルの穴を真っ直ぐにあけられない、ということがわかった。購入したピカピカのスコヤとノギスを駆使し、正確に穴を開けるためのポジションを必死に作ったとしても、穴がまっすぐでなければだめなんだ、と言うことがわかった。僕はばかなのだろうか。練習に使った木材が軽すぎることもあるかもしれないが、穴が斜めに開いていたりすると木が持ち上がりジョイント部分がずれてしまったりする。最低だ。

世の中にはボール盤やドリルスタンドや、ドリルを真っ直ぐに開けるための補助的な道具、水平器を使ってまっすぐを保つという方法もある。自作の道具を作る方法もある。けれど、これ以上お金を使いたくなかったしとっとと終わらせたかったので直感を選んだ。直感で穴を開ける。曲がりたければ曲がればいい。もともとぐにゃぐにゃなのだ。もうどうでもいいんだ。

ダボ接ぎ本番

ハタガネでダボつぎした木材を圧着

全てを諦め開き直ったので、本番はさほどてこずらなかった。購入したスコヤとノギスを使い、正確であろう穴を木材の側面に5箇所あけた。購入したダボマーカーだけど、なんか信じられなかったので使わなかった。その後ダボとボンドを使い木材同士を接着。一枚一枚確実に接いでいけば良いのだと思うが、面倒だったので全部一気にやった。

そしてハタガネ4本で木材を圧着。穴が曲がっているせいか木が反っているせいか、端っこが浮いてきたのでクランプで固定したり本を重石に使った。クランプは2つしか所有しておらず、圧倒的に足りないと思った。少なくとももう2個は欲しかった。

鉋でガタツキをなくす

反って歪んだ天板を側面から

本気で蹴飛ばしたら壊れるかもしれないけれど、とりあえずなんとかくっついたようだ。あんなにも反った木材通しをくっつけたのに、なんとなく机になったので嬉しい。このままで机としての用は足りるけれど、せっかく鉋を買ったので机の表面を整えることにした。

完全なフラットは不可能なので、とりあえずは目で見て違和感のあるところ、とくに端っこのかなり反った部分を鉋で削り、なんとなく平らっぽくした。遠目から見て平らに見えればいい。机の足もかなり曲がっているし床は畳の上に絨毯だから水平とか目指すのはかなり厳しい。
それと同時に木材と木材のジョイント部分の段差もなくし、触った時に一枚の木の様に、段差を感じない様に整えた。鉋はすごく便利。その力の半分も使えていないとは思うが、買っていて本当に良かったと思った。これをヤスリでやっていたらえらいことになったと思う。

天板の歪みを鉋で削った状態

サンドペーパーで整える

鉋が木のフシで止まってしまうから木の表面は傷だらけになる。なのでそれをサンドペーパーで削りとった。
はじめはサンダーで挑戦したが、振動する音がかなりうるさい。今まで小さな木材だけをサンダーがけしていたのでわからなかったが、今回の様に巨大な天板を削ると、木が楽器の様に鳴ってしまい非常に大きな音が出る。冬場でベランダの窓を開けている人は少ないと思うが、この作業を続けていられるほど僕のハートは強くない。なのでサンダーはやめて手で削ることにした。サンダーは団地でも使えるマシンだと思っていたので残念。せっかく買ったジグソーもうるさくてノコギリに変わってしまったし、周りを気にしなければならない環境で暮らす人は、機械に頼らず技術力を上げるしかないのだなと思った。

サンディングブロックを導入したので割りと作業はしやすかった。100番のサンドペーパーを使った。とんでもない木粉の量で、服もズボンも真っ白になる。この木粉たちはやがて風に飛ばされただよい、どこかの家の布団や洗濯物に着陸するのだろうか、と考えると心がやや痛くなったが、部屋でやることは不可能なので考えない様にした。なるべく遠くに飛んでいけばいい。

浮造り(削るバージョン)をして木目を出すつもりだったので、鉋の傷が消える程度のヤスリがけでいいやと思っていたが、100番をかけおわると天板がビシッとしたので、どうなるのか見てみたくて、つづいて180と240番のサンドペーパーをかけた。さらに細かい木粉が空に舞った。

鉋で反りもなくしたきれいな天板

仕上がりはとてもいい。時間で黄ばんだパインの表面は白くなり、240番のサンドペーパーで手触りがいい。まるでホームセンターで出来合いのパインの天板を買ってきた様だ、と思った。その程度のレベルまではなんとかいけた気がする。
だた困ったことは、予想よりもかなりビシッとした仕上がりになり、このままでも良いかも知れない、と保守に入り攻める姿勢を失ってしまったことだ。ガシガシ浮造りをして塗料を塗って色々試して、とやるつもりだったが、このきれいな状態を壊すのが怖くなってしまった。情けないことだ。

まあそうは言っても、今の天板の状態は生まれたてのパンダみたいに無防備な状態なので、塗料を塗ったり何かしらして守ってあげなければならない。

SPF塗装 実験を重ねる

本物のチークとオイルステインのチーク色比べ
左は本物のチーク。右はカンペハピオのオイルステイン・チーク をSPFに塗ったもの。

塗装の実験は去年から何度もやっている。オイルステインワトコオイルブライワックス、色々試してきている。SPFのような安い木材をなんとか素敵な色にできないものかと試している。
けれどこれと言ったものはまだ見つからない。まだまだ世の中には塗料はいくらでもある。オスモカラーとかその他天然の塗料もあるが、それらをいちいち試しているわけにもいかない。家には検証用に買った塗料が10色以上もあって、もうそろそろ増やすのもやめたいし、できるなら捨てたい。なので持っている塗料で机を塗りたい。

SPFの端材を使って試したのは、オイルステインのチークとワトコオイルのミディアムウォルナット、そしてエボニー。SPFに試してみると、オイルステインのチークはやや赤が強い、ミディアムウォルナットは黄色が強い、エボニーは怖い。そんな印象だった。
ミディアムウォルナットは悪くないが違和感がある。ワトコオイル全体的に言えることだけれど、仕上がりをみるとどうも不自然に感じる。僕の塗り方や工夫が足りないのかもしれない。耐水ペーパーで磨いてもいないし二度塗りもしていない。
もちろん、無理やり木材に色をつけているわけで不自然なことは当たり前なんだけど、それでもオイルステインの方が違和感は少ない。

そういう訳でオイルステインのチークで行こうかと思うが、これもなかなか難しい。濃くなりすぎるとちゃぶ台感がでてしまうので、部屋が一気に昭和っぽくなってしまう気がする。
でもちゃぶ台感も悪くないなと思うのは、モノとの相性がいいこと。色々なものをテストで塗装した板に乗せてみると、そのモノがよく見える。カップに入ったコーヒーも美味しく見えるし、銀色の木工の道具はクールに見える。安い時計もおしゃれに見える。モノが映える天板を作りたいと思っていたので、ちゃぶ台色は良いのかも知れない。

少ない時間だとは思うけれど、今まで安い木材の塗装のテストを続けてきた。しかし今僕はSPFの限界を感じている。どれだけがんばっても、SPFは一定のレベル以上にはいけない気が、ここまでやって、ついにしてきた。
SPFは一般市民の強い味方なので僕はSPF材を自在にあやつれる男になりたかったが、それには今以上に長い時間とお金が必要かもしれない。今後は使用する木材も考えていかなければならないかと思う。

チャンネルブラシで浮造り

その後も塗装のテストを繰り返したが答えはでない。ということで、とりあえずは浮造りだけはやっておこうと思った。浮造りには、トーチバーナーで焼く、浮造り用の「かるかや」と言う道具を使う、などの選択肢もあったけれど、真鍮のチャンネルブラシで削ることにした。左官のコテの様な形をした取っ手のつい巨大なたチャンネルブラシを購入した。

SUNUP チャンネルブラシ 真鍮

浮造り作業はすこぶる大変だった。明日筋肉痛になるだろう。

購入したチャンネルブラシの毛が、僕がすでに持っていたブラシタイプのチャンネルブラシよりも柔らかいのだ。そのため木の柔らかい部分を削るのに時間がかかる。かたい毛よりも仕上がりは荒くないのは良いことだと思うけれど、体力的にかなりきつい。天板の3分の1を削ったところで「今日はもうやめよう」と思ったほどだ。手のひらの皮が剥けそうになるくらい赤くなった。そのうち手を動かすこともできなくなったが、なんとか最後まで終えることができた。荒くなっても良いので固い毛の方が良いと思った。

ちなみに後々、真鍮ではなくワイヤーのチャンネルブラシを試してみたが、ワイヤーのチャンネルブラシは毛が硬すぎ木材を削りすぎてしまうことがわかった。一応浮造りにはなるが木材の表面が激しくぼろぼろになってしまう。あえてシャビーな感じにする時のツールとしてはよいかもしれない。

240番のペーパーで削り白くなったSPFの天板は、浮造りすることによってわずかに色がでてきた。それでもやはり明るすぎるので色を付けたいし、色を入れないことには浮きあがった年輪が目立たないので面白くない。まずはオイルステインのチークを薄く入れて様子をみてみようと思う。

天板の塗装 作業の終わり

完成したSPFの天板

浮造り作業はなまった体にこたえた。3日間くらい調子も悪くなり、風邪もひいたようだった。

浮造りの作業後、本番に向け幾度と無く塗装のテストを繰り返した。ワトコオイルを使ったりオイルステインを使ったり、ワックスを変えたり、濃さを変えたり混ぜてみたり。そう、イケアのアンティークの塗料なんかも買ったりして試した。
そして最終的にはオイルステインのチークを使うことにした。自分が持っている塗料の中では一番、自然な着色の仕方だった。色はチークなので赤が強い。どちらかと言うと自然に枯れた、くすんだ様な色にしたかったのでチークとは違ったが、もう諦めることにした。ただ、濃く塗りすぎるとちゃぶ台カラーになるので、ペイント薄め液をまぜてほんのりと着色することにした。

ペイント薄め液とオイルステインの割合は適当で、おかげで予定した色よりも濃くなった。なのでオイルステインが乾燥したあとは、もう一度簡単にチャンネルブラシで削った。色がガッツリついたところを周囲となじませた。

この状態で、乾いた風合いでも良いかなと思ったけれど、やっぱり色みが浅いので、仕上げにブライワックスのミディアムブラウンを塗った。これで少し落ち着きがでた。

完成したSPFの天板
SPFとオイルステインの机の表面

さて、完成はどうだろう。良くも悪くもないと言った印象で、リサイクルショップで5000円で売っていたとして、どうしても机が欲しい状況であれば悩む、と言ったレベル。
それでもオリジナルのものよりはよっぽどいい。天板の色は予定よりも色が濃くなったけれど許容範囲。でも気になるのは脚。天板があまりにもびしっとしてしまったので、汚れた机の脚とのバランスがくずれて落ち着かない。天板と足の時代がかなりずれていると思うし、むしろ机の脚がどれくらいイケてないかというのが新しくなった天板のせいで強調されてしまった。

しかし天板がキレイで脚とのバランスがとれていないのは、仕方のないことなのかも知れない。というのも僕は今回、天板にアンティーク加工的なものはほどこしていないんだ。それは楽しみにとってある。これからこの天板を使い込んで傷をつけて、ワックスを塗り替えたり塗料をまた塗ったり、そうやって時間をかけて試しながら、良い感じの使用感、アンティーク感がでていけばいいと思っている。