バターミルクペイントとクラック塗料とブライワックスでツールボックスをアンティーク加工する。
ひまだったので、バターミルクペイントなんかを使用したアンティーク加工のテストをした。今回犠牲になったのはツールボックス。
「スクラップメイドのインテリア」で紹介されている、「何回も塗り直されたカップボード風のテクニック」をこのツールボックスで試してみようと思った。塗装回数は3回で、それプラス、クラック塗料とブライワックスも使っているので手間がかかる作業になった。
加工前のツールボックス
もとのプレーンの状態。上の写真と見比べてしまうとこっちの方がいいんじゃないかという気にもなるけど、加工後の方が断然ステキだと僕は思う。もとの状態はテカりすぎてギラギラしていて、少し存在に違和感があった。
バターミルクペイントで下塗り
まずは密着スプレーのミッチャクロンを全体に2度ほどかけ、乾いたらバターミルクペイントを塗る。本にあるように、アイボリー、黒、ピンク、黄色を適当に塗った。使用した塗料はバターミルクペイントの「イエロイッシュホワイト」「ブラック」それとお試しで購入したプロバンスの「Jaune de Provence」と「Rose」。
クラック塗料でヒビ割れを作る
ベース色が乾いたらその上からクラック塗料「オールクラックアップ」を塗り、それが乾いたらバターミルクペイントの「ファンシーチェアグリーン」を塗る。
するとこんな感じになる。でもこのままだとひび割れが大きすぎるのでさらにこの上から緑色を重ね塗りする必要がある。
今まで色々な塗料を試してきたけれど、一番慣れが必要だなと思うのはクラック塗料だと思う。使いこなすのがまだ難しい。
クラック塗料を塗るだけならいいけれど、その上からバターミルクペイントを塗る時に注意が必要で、サッと一回で塗らなければならない。そして塗ったらそれに触れてはいけない。ちょっとでも触るとクラックがグチャグチャになってしまうので気を使わなければならない。
それに、バターミルクペイントの水分が多すぎてもいけない気がする。はじめ緑色の上澄みの薄い部分を使って塗ったら、クラック塗料がグチャグチャになり再度塗り直すことになってしまった。
バターミルクペイントの重ね塗り
緑色のバターミルクペイントを塗った上からさらに緑色、今回は黒を少し足して濃い緑の色を塗る。
心配だったのが、せっかくクラックを作ったのにそれが重ね塗りで消えてしまわないだろうかということ。けれど先ほど塗ったクラック塗料は生きていたようで、その上に塗った濃い緑色にも細かいクラックができた。先ほどの様な大きくて激しいヒビ割れではないので、より自然な風合いになる。クラックのあとの二度塗りがかなりポイントだと学んだ。
またそれだけだと寂しいので、端っこは千枚通しや爪でペリペリと塗装を剥がしダメージを激しくする。ちょっと考えなければならなかったのは剥がすタイミング。塗料を乾燥させすぎると剥がせなくなるし、乾燥させないと塗装がずるっと大きく剥がれてしまう。
という感じで、これでほとんど作業は終わりなのだけれど、どこか違和感がある。それは多分、これだけ塗装が剥がれて古く見せているのに、色には時間経過が少しも感じられないからだと思う。それにバターミルクペイントのマットな感じもツールボックスにはあわない。
ということで本に書いてある通り、ブライワックスで磨いてツヤと古さを出すことにした。
ブライワックスでツヤを出し完成
ブライワックスの効果はとても大きい。色も落ち着いたし、ツヤもでたのでツールボックスの形状に適した素材感になった。
期待は全然していなかったけれど、出来栄えは良いと思う。塗装前のものよりも部屋に良く馴染んでいるし、むしろ馴染みすぎていて作品としては面白くない気もする。まあでも、これがアンティーク調のインテリアを求めて塗装をしたのなら及第点ではないだろうか。けれど、売ってたら買いたいかと考えると「500円以内なら考える」と言ったレベルだと思う。
そこまで価値が低くなってしまった理由は色だ。2回目の濃い緑色を作る時に調子に乗って黒を入れすぎてしまった。なのでイメージよりもかなり色が暗くなってしまったこと、それにブライワックスを塗ることでさらに色が落ち着いてしまった。ブライワックスを塗ることも考えもう少し明るい色にしておくべきだったと思った。海苔の佃煮みたいな色で若干小汚い印象になった。
そう言うわけでもう一度明るい色で塗り直したいんだけれど、けっこう手間がかかるのでこれでやめにしようと思う。取っ手なんかの色をゴールドやシールバーで塗ったらまた雰囲気も変わるかもしれない。