初心者のための登山とキャンプ入門

富士山の山小屋リストと予約

山小屋で寝る人イラスト

山小屋の予約はお早めに!

「受付開始はいつなの?」と思う方が多いと思いますが、実は山小屋によってマチマチです。

多くは4月1日などですが、さらに早いところでは2月中という山小屋もあります。山頂で御来光を見るプランで人気のある吉田ルート八合目の山小屋の土曜日の予約などは、早々に満室になってしまうこともあります。 かと思えば、七合目などの山小屋はガラガラだったり、HPの情報も昨年のままだったりもします。

なので「どうしても週末の登山で、宿泊は八合目、吉田ルートで登りたい!」と希望が決まっている方はいくつかの山小屋に狙いを定めておき、2月ころからたまにHPの更新をチェックしてみるとよいでしょう。

「平日でも大丈夫、場所にこだわりはない」という方は各山小屋のHPをじっくり比較したり登頂プランを練った上で予約するとよいでしょう。アットホームか大型か、静かか賑やかか…似たような料金を払うのでも全く違います。

吉田ルートの山小屋

富士山 吉田ルートの山小屋の地図
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山小屋名 所在地 標高 料金 収容 電話
佐藤小屋 吉田口五合目 2230m 6500円~ 100人 090-3133-2230
奥庭荘 富士スバルライン奥庭 2300m 90人 0555-82-2910
富士山みはらし 富士スバルライン五合目 2305m 6600円~ 68人 080-2681-3776
富士急雲上閣(カプセル) 富士スバルライン五合目 2305m 7560円~ 53人 0555-72-1355
里見平星観荘 吉田口六合目 2325m 6000円~ 100人 0555-24-6090
花小屋 吉田口七合目 2700m 5800円~ 150人 090-7234-9955
日の出館 吉田口七合目 2720m 6500円~ 150人 0555-24-6522
七合目トモエ館 吉田口七合目 2740m 8000円~ 200人 0555-24-6521
鎌岩館 吉田口七合目 2790m 8600円~ 150人 080-1299-0223
富士一館 吉田口七合目 2800m 10000円~ 130人 080-1036-6691
鳥居荘 吉田口本七合目 2900m 8800円~ 250人 0555-84-2050
東洋館 吉田口七合目 3000m 12100円~ 320人 0555-22-1040
太子館 吉田口八合目 3100m 10000円~ 350人 0555-22-1947
蓬莱館 吉田口八合目 3150m 6700円~ 180人 0555-24-6515
白雲荘 吉田口八合目 3200m 9900円~ 300人 090-7240-1282
元祖室 吉田口八合目 3250m 10000円~ 250人 090-4549-3250
本八合目富士山ホテル 吉田口本八合目 3400m 9250円~ 350人 0555-22-0237
本八合目トモエ館 吉田口本八合目 3400m 8500円~ 250人 0555-24-6511
御来光館 吉田口八合五勺 3450m 11000円~ 160人 0555-73-8815
  • 上記の料金は宿泊の最低料金を記しています。また宿泊料金には変動がありますので最新情報は山小屋のウェブサイト等でご確認ください。
  • 上記の山小屋全てに食事付きの宿泊プランがあります。
  • 金曜日や休前日は500~2000円ほどの割増料金があります。

富士宮ルートの山小屋

富士山 富士宮ルートの山小屋の地図
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山小屋名 所在地 標高 料金 収容 電話
表富士五合目レストハウス 富士宮口五合目 2400m 20人 090-7618-2230
新六合目宝永山荘 富士宮口新六合目 2493m 6000円~ 80人 090-7607-2232
六合目雲海荘 富士宮口六合目 2493m 6000円~ 80人 090-2618-2231
新七合目御来光山荘 富士宮口新七合目 2780m 6000円~ 180人 090-4083-2233
元祖七合目山口山荘 富士宮口七合目 3010m 6000円~ 180人 090-7022-2234
八合目池田館 富士宮口八合目 3250m 6000円~ 250人 090-2772-2235
九合目萬年雪山荘 富士宮口九合目 3460m 6000円~ 250人 090-7025-2236
九合五勺胸突山荘 富士宮口九合五勺 3590m 6000円~ 150人 090-5855-8759
頂上富士館 富士宮口頂上 3740m 6000円~ 150人 0544-26-1519
  • 上記の料金は宿泊の最低料金を記しています。また宿泊料金には変動がありますので最新情報は山小屋のウェブサイト等でご確認ください。
  • 上記の山小屋全てに食事付きの宿泊プランがあります。
  • 金曜日や休前日は500~2000円ほどの割増料金があります。

須走ルートの山小屋

富士山 須走ルートの山小屋の地図
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山小屋名 所在地 標高 料金 収容 電話
山荘菊屋 須走口五合目 2000m 5000円~ 70人 090-8680-0686
東富士山荘 須走口五合目 2000m 50人 090-3254-5057
砂払五合目吉野家 須走口砂払五合目 2300m 4000円~ 100人 090-7854-7954
長田山荘 須走口新六合目 2450m 25人 090-8324-6746
瀬戸館 須走口本六合目 2700m 6000円~ 120人 090-3302-4466
大陽館 須走口新七合目 2960m 150人 090-3158-6624
見晴館 須走口本七合目 3200m 7000円~ 80人 090-1622-1048
江戸屋(下江戸屋) 須走口八合目 3350m 7500円~ 160人 090-2770-3518
胸突江戸屋(上江戸屋) 須走口本八合目 3400m 7500円~ 180人 090-7031-3517
御来光館 須走口八合五勺 3450m 11000円~ 160人 0555-73-8815
山口屋 須走口頂上 3740m 6000円~ 150人 090-5858-3776
扇屋 須走口頂上 3740m 宿泊ナシ 50人 090-1563-3513
  • 上記の料金は宿泊の最低料金を記しています。また宿泊料金には変動がありますので最新情報は山小屋のウェブサイト等でご確認ください。
  • 上記の山小屋全てに食事付きの宿泊プランがあります。
  • 金曜日や休前日は500~2000円ほどの割増料金があります。

御殿場ルートの山小屋

富士山 御殿場ルートの山小屋の地図
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山小屋名 所在地 標高 料金 収容 電話
大石茶屋 御殿場口新五合目 1500m 50人 090-8955-5076
わらじ館 御殿場口七合四勺 3090m 9000円~ 39人 090-8678-3050
砂走館 御殿場口七合五勺 3090m 7000円~ 150人 090-3155-5061
赤岩八合館 御殿場口七合九勺 3300m 6500円~ 150人 090-3155-5061
  • 上記の料金は宿泊の最低料金を記しています。また宿泊料金には変動がありますので最新情報は山小屋のウェブサイト等でご確認ください。
  • 上記の山小屋全てに食事付きの宿泊プランがあります。
  • 金曜日や休前日は500~2000円ほどの割増料金があります。

山小屋とはこんなところ

富士山の山小屋

富士山には多くの山小屋が点在していますが、山小屋には宿泊施設としてだけではなく、休憩所として、売店として、またトイレとしての顔もあります。山小屋の利用を考慮しながらプランを立てると、よりいっそうスマートな登山をすることができます。

1. 宿泊施設

富士山の山小屋の様子

山小屋は富士登山の休憩や仮眠の拠点となる宿泊施設です。しかし観光地の宿泊施設とは違い、設備はとても簡素になっています。個室はなく相部屋が基本で、宿泊施設と言うより仮眠所と考えていた方が良いかもしれません。

営業期間

基本的に山開きの期間に合わせて営業されますが、お客さんが少ない場合は早く閉めてしまうところもありますので、閉山間近の御殿場ルートで、山小屋で昼食を取るの予定をしているなどの場合は事前に確認をしておくと安心です。

また、夏期登山期間が終わると山頂までの道は通れなくなりますが、五合目周辺のハイキングなど景観を楽しむことができます。11月まで営業しキノコ料理をふるまう山小屋もあり、夏の登山とはまた違った楽しみ方をする提供するところもあります。

山小屋の料金と食事

山小屋の宿泊料金は、1泊2食付きの相部屋で7500円前後、素泊まりで6000円前後が相場です。週末には基本料金に500~2000円程度プラスされるのが一般的です。
夕食はカレーライスが定番。朝食にはおにぎりやサンドイッチなど手軽に食べられるものが多いです。朝食が早すぎて食欲がわかない人には菓子パンに変更してくれたりする山小屋もあれば、食べて出発ではなく予めお弁当タイプになって渡される山小屋など様々です。

料金も、素泊まりはナシで一泊二食付しか受け付けない山小屋、朝食を含まない一泊一食で必要な人はパンを買う仕組みの山小屋などもあり、分かりづらいので気を付けたいところです。素泊まりの場合もバーナーを使っての自炊はNGなところが多いので、持ち込んだパンやおにぎりを食べる形になります。また夕食では、たくさん食べたい人にうれしい「カレーライスお替り自由」などの特典を設けている山小屋もあります。

山小屋の予約

山小屋は基本的に予約制です。週末やお盆などピーク時は早くから予約が埋まってしまいますので、予定が決まれば早めに予約をするのが無難です。山頂でご来光を見るプランが人気なため、特に八合目あたりの山小屋には予約が集中します。

富士山の山小屋では、入山制限や台風による道路や登山道の通行止めなどがない限り、キャンセル料を取られてしまいます。早めなのは吉田ルートの山小屋で、最悪で宿泊予定の1か月前からキャンセル料が発生し、銀行振込となってしまいます。ほかは1、2週間前からとか、前日からとか、さまざまです。

2. 休憩所

富士山の山小屋 休憩所

山小屋で販売している飲み物や軽食を注文すると室内の休憩所を利用できます。ただこれは宿泊客が使っていない日中の時間に限られます。 小屋の前にベンチを置いていてくれていますが、そこでは無料で休憩する事ができます。

ふだん登山しない人はあまり知らない事実ですが、富士山に限らず、山小屋に入って休憩し、自分が持ってきた食べ物を食べる場合は「休憩料」を取られることがあります。山小屋設備の維持や小屋を暖める薪などの燃料のために必要で、300円程度だったりします。注文すれば「休憩料」は支払わなくても良い場合がほとんどです。なので、風を避けて体を温めたいときはホットコーヒーを注文するなどしてうまく利用しましょう。

3. 売店

富士山の山小屋 売店のメニュー
富士山の山小屋 売店のメニュー2

疲れた体に嬉しい暖かい飲み物やペットボトル飲料、うどんやカレーといった軽食も山小屋では販売しています。物価は標高が高くなるにつれ上がって行くので、何も用意していかないとなんやかんやでお金がかかってしまいます。500mlの水は頂上付近で500円ほどで販売されています。

4. トイレ

富士山の山小屋のトイレの様子

トイレは山小屋の宿泊者だけでなく登山者全員が利用することができます。ただし一回100円~300円のチップ制になっているので、あらかじめトイレ用の100円玉を用意しておく必要があります。宿泊者の料金設定も山小屋によってさまざまで、つねに無料、2回目以降は無料などルールが異なります。

山小屋で快適に過ごすポイント、便利グッズ

山小屋で寝る人

スーパーのレジ袋はなるべく使わない

シートゥーサミットのドライサック
SEA TO SUMMIT ウルトラSIL ナノ ドライサック 4L

出発時刻は宿泊者によって様々で、隣の人がグッスリ寝ている間に支度をして出かける事もあります。ガサガサという音が耳につくスーパーのレジ袋などは避け、防水性のスタッフサックを用意するなど音を出さない工夫をしましょう。
防水ではありませんが100円ショップで売っているマイバック(エコバッグ)なども音が出ないのでおすすめです。

気になる人はトラベルシーツ&枕カバー

インナーシーツ
ロゴス 寝袋 シルキーインナーシュラフ

布団の共有が気になる方は、インナーシュラフもしくはトラベルシーツと呼ばれるアイテムを用意するのもおすすめです。海外旅行や寝袋のインナー、冬場の防寒対策としても活躍します。
なお枕カバーはタオルなどで代用すれば良いですし、掛け布団の首もとを覆う大判のバンダナ等があるだけでも快適さは増すでしょう。

アルコールは控える。睡眠導入剤も飲まない。

利尿作用のあるアルコールは体を脱水に傾けます。脱水状態は高山病を招きやすいので、アルコールは控えた方が無難です。また睡眠導入剤を飲む事も高山病を進行させる原因にもなります。睡眠導入剤を常用している方は、主治医に相談して下さい。

ウェットティッシュ、歯磨きガム、アイマスク、耳栓

歯磨きガム
クラシエ 歯みがきガム
アイマスク
Onlygot アイマスク
耳栓
MOLDEX 使い捨て耳栓 お試し8種 ケース付

山小屋には洗面所やシャワーはありませんので、ウェットティッシュや汗を拭くシート、化粧や日焼け止め落としのクレンジングシートなどがあると快適です。
また基本的に歯磨きもできませんので、気になる方は歯磨きガムなどを用意しておくと良いでしょう。部屋の明かりや物音が気になる方はアイマスと耳栓を用意しましょう。

濡れた衣服で寝ない、装備を濡らさない

布団を濡らさないためにも濡れた服を着替えてから布団に入る様にしましょう。また服を濡らさない様にすることも重要です。レインウェアは絶対に用意し、ザックにはザックカバーをかけ、ザックや中の物を濡らさない様にしましょう。さらに着替えは防水バッグなどに入れたうえでパッキングすると良いでしょう。

自分の登山靴に目印をつける

登山靴に洗濯バサミで目印をつける

山小屋では登山靴を下駄箱にいれますが、似たような靴も多く取り間違えも多いです。自分は間違えない自信があっても、他の人に間違えられないようにする工夫もしておくとベターです。洗濯バサミを付けておいたり、わかりやすい目印を靴の中に入れておくなどすると、出発の時もスムーズになります。

布団に入る前に整理整頓をする

早朝にパッキングをするとガサガサと音を立ててしまい他の宿泊者の迷惑となります。ご来光を見るために早起きする予定なら、寝る前に出来る限りパッキングしておきましょう。朝は暗い中で準備して出発することになりますから、布団の中で靴下を脱いだりすると片方が見当たらない、なんて事にもなります。荷物は広げず、ザックか次項に書いている枕元の袋に入れるなどしておきましょう。

また可能ならば、起床後すぐにまとめておいた荷物をサッと持って寝床を出て、トイレを済ませた後や外に出た後にゆっくりパッキング出来ると良いです。これに慣れると団体登山ツアーでも遅れを取ることがありません。ただし玄関もごった返していたり雨が降っていたりする場合もあるので臨機応変に対応しましょう。

ヘッドランプ(懐中電灯)と水などを枕元に

PETZL(ペツル) E091DA ティキナ
PETZL / ティキナ

ヘッドランプとペットボトルの水などを枕に置きます。消灯後は暗くなってしまいますので、ヘッドランプを使用してトイレに行きます。また夜中に喉がかわいたら我慢せずに水を飲みましょう。高山病の予防にもなります。

この他には、夜中に鼻を噛みたくなった時用のティッシュや時間を確認したくなった時のための時計や携帯電話。これら夜中に使う可能性のあるものをザックに入れたままだと取り出す時にガサゴソと音を立ててしまいますので、いつでも手に取れるようにマイバッグなど音の出ない袋にまとめて、枕元に置いておくと良いでしょう。紛失防止になります。