初心者のための登山とキャンプ入門

テントの設営方法

ポールをスリーブに差し込んでいる人のイラスト

このページではテントの設営方法や設営の際のポイントの解説をしています。解説するテントは代表的なテント3タイプ。ドーム型とロッジ型とAフレーム型のテントです。

ドーム型テントの設営方法

コールマンのドーム型テントのイラスト

強度もあり設営が簡単なテント

ドーム型テントはポールをインナーテントのスリーブにセットし、立ち上げて自立させる構造になっています。この構造によりウォールの角度を作り出す事ができ、床面積に対して広い居住空間を生み出しています。また強度も高く、現在キャンプで一番使われているタイプのテントです。基本的に室内を作るインナーテントと雨や風から室内を守るアウターテントの二層構造になっており、インナーテントを組み上げてからアウターテントを被せて設営します。ポールの本数も少なく組み立てやすいので、慣れれば10分程度で設営する事が出来ます。

テント設営の際のポイントは、設営の際にポールの使用どころを間違えない様にすることです。ポールの長さが全て同じなら問題ありませんが、数種類のポールを使用するテントの場合は、それぞれのポールを正しい位置に置いてから設営し始めると間違いが少なくなります。

ドーム型テントの設営手順

1. 地面を整える

まずテントを設営する前に、テントを設営する予定の場所の地面を整えましょう。石が多いところにテントを設営すると、テント室内の床がでこぼこして居心地が悪くなりますし、地面がくぼんでいるところでは雨水が溜まりやすくなります。

2. インナーテントを広げる

テントを設営する場所が決まり地面を整え終わったら、インナーテントを地面に広げ、どの位置にポールをセットするか確認します。続いてテントの入り口の位置を確認し、グラウンドシート部分を引っ張りながら四隅にペグを打ちます。

3. ポールをインナーテントのスリーブに通す

ポールをスリーブに差し込んでいる人のイラスト

インナーテントのスリーブにポールを通して押し込み、ポールの一方の先端をグロメットにセットします。またこの時、ポールを引っ張ってスリーブに通すとスリーブの中でポールが分割してしまいますので、押しながら通すのが良いでしょう。ポール2本とも行います。

4. インナーテントを立ち上げる

テント本体を立ち上げる人のイラスト

全てのポールがスリーブにセットされたら、ポールを持って上に持ち上げる様に押し込むとテントが立ち上がります。人数がいっぱいいるなら、各ポールの端に1人ずつ付き、みんなで一斉にテントを立ち上げれば簡単です。

5. インナーテントの完成

インナーテント完成のイラスト

そしてもう一方の先端をグロメットに差し込んで固定し、ウォール部のフックをポールに掛ければインナーテントの完成です。(両方のポールにこの作業を行います)

6. フライシートをかけインナーテントに固定する

本体が完成したらフライシートをインナーテントにかけます。このときフライシート各部が正しい位置にあるか確認しましょう。次にフライシートのすみとインナーテントのすみを固定します。フライシートの内側に本体と固定する紐やマジックテープがあれば、それも忘れずに固定します。

7. ロープをペグ打ちして完成

ドーム型テントの完成のイラスト

ロープをペグ打ちし、しわが出来ない様自在金具でロープに均一にテンションをかけて完成です。なおこのドーム型のテントはシンプルな構造なので、慣れれば10分ほどで設営出来てしまいます。

ロッジ型テントの設営方法

ロッジ型テントのイラスト

手間はかかるが抜群に過ごしやすいテント

台形上のフレームにインナーテントを吊り下げ、その上からアウターテントを被せて設営するロッジ型テント。インナーテントを寝室、アウターがかかった部分をリビング・ダイニングスペースに、ポールで張り出したルーフ部分はタープの役割を持っています。寝室、リビングと一体型になっているため過ごしやすく、またどちらとも広さと高さが十分にあるため、長期間の滞在でも窮屈感やストレスを感じる事はなく、快適に過ごす事が出来ます。

設営は他の種類のテントに比べれば時間はかかるものの、慣れてしまえばそう面倒な事はありません。ただし構造上耐風性は良くないので、十分な本数のペグを打ち込んだり、ロープでしっかりとテントを固定するなど、徹底した風対策が必要となります。テントの重量もあり、設営にも手間がかかるタイプのテントですが、大人数のキャンパーや、より快適にキャンプを楽しみたい人、人とは違ったテントを!と思っている人におすすめです。

ロッジ型テントの設営手順

1. テントのフレームを並べる

テントのフレームが並んでいるイラスト

フレームを組み立てる前に、フレームの長さ、ブラケットの形状を確認しながらポールを地面に並べます。

2. テントのフレームを組み立てる

組み立てられたフレームのイラスト

それぞれのプラケットにポールを差し込でフレームを組み立てます。このときロッキング金具がブラケットの穴にきちんと入っているか確認しましょう。これがいい加減だと組み立ててる途中にポールが外れる恐れがあります。

3. インナーテントをセットする

インナーテントをフレームにセットする人のイラスト

フレームに、インナーテントを吊り下げ用フックで掛けていきます。このときインナーの向きに注意します。前室方向に出入り口が面しているかをチェックしましょう。

4. アウターをフレームにかぶせる

アウターをフレームに被せる人らのイラスト

次にアウターテントを広げフレームにかぶせます。このときも出入り口をしっかりと確認しましょう。

5. テントを立ち上げる

テントを立ち上げる人らのイラスト

アウターテントをかけ終えたら、脚部のポールを組んでテントを立ち上げます。テントが立ち上がったらアウター各部の固定用テープをフレームに固定します。

6. ロッジ型テントの完成

ロッジ型テントのイラスト

ルーフ状のウォールを張り出し、ポールをセットしたらロープで固定します。さらにテント周りにペグを打ち、必要なら本体のロープもペグ打ちしてロッジ型テントは完成です。

Aフレーム型テントの設営方法

Aフレーム型テントのイラスト

設営が簡単なAフレーム型テント

Aフレーム型テントの一番の特徴は組立ての容易さにあります。その理由は、両サイドにA形に組まれたフレームをもう一本のフレームで連結し、ほとんどの場合それに吊り下げ用のフックを引っ掛けて完成させる、というシンプルな構造になっているからです。
このAフレーム型テントは、モンベルのムーンライトテントに採用されている事で知られています。その名の通り月明かりの中でも素早くテントの設営ができ、また雨の日本の気候に最適な防水性と通気性に優れています。

Aフレーム型テントの設営方法(モンベルのムーンライトテント)

1. インナーテントを広げる

インナーテントを地面に広げ、フレームをセットする位置、方向を確認します。またまわりに大きな石が落ちていないかも確認しましょう。

2. フレームを組み立てる

両サイドのAの形をしたフレームを組み立てます。(下の絵のモンベルのムーンライトテントの場合2セットになります)

3. フレームとグラウンドシート部分を固定

フレームが完成したイラスト

フレームの連結が終わったらフレームの末端をインナーシートのグラウンドシート部分の固定用金具にセットします。ムーンライトテントの場合8箇所になります。

4. インナーテント完成

インナーテント完成のイラスト

インナーテントをフレームの吊り下げ用フックにかけるとインナーテントが完成します。

5. Aフレーム型テントの完成

Aフレーム型テントのイラスト

最後に上からフライシートをかけ、フライシートのすみとインナーシートのすみを固定して完成です。