カカトの靴擦れの対策と対処法
このページでは、初心者が新しい装備をそろえて山に行く時に最も注意したいポイントである「靴ずれ」の対策と対処法と、また便利なテーピングなどを紹介しています。
歩きに来たのに、足が痛いなんてすべてがイヤになってしまいますよね。
一読しておくともしもの時の心構えに役に立つでしょう。
ヒリヒリしたらすぐにテーピングや絆創膏を貼る
同行のメンバーが靴ずれをしたことに遭遇したことは数知れません。
現在のトレッキングシューズは内部も柔らかくフィット感に優れたものが多いですが、私が登山を始めた時に使っていた重登山靴(じゅうとざんぐつ)と言われる皮で作られた靴はとにかく硬く重く、両足で3キロもあり柔らかいインソール(内側の靴底)を敷くこともなく履いていました。
靴ずれで最も大切なことは次の2つです。
- ヒリヒリしたらすぐに(事前に)絆創膏を貼ること
- 絶対に絆創膏がずれないように、大きめのテーピングテープかなければ布ガムテープでカカト全体を覆うこと。
カカト全体を覆う、とは片手でカカトをガシっと掴んだ時に親指と中指の第一関節の腹が当たるあたり、そのあたりにいくと足の横幅って細いですよね。
そこは靴の中でもこすれず圧迫されないポイントなので、そのあたりまでテープでカカトを覆って下さい。
シワを残さない用に、テープは足の裏に行かない用に
本当のカカトのてっぺんは靴に当たりますので絶対にシワを残さないように絆創膏やテーピングテープを貼って下さい。
また、足の裏も動きやすく汗もかきやすいところなのでテープは足の裏になるべく行かないようにして下さい。
もし足の裏に豆ができて絆創膏を貼りたい時は、その上からぐるっとテーピングテープで覆うなどするとよいです。
その際も、テープの端っこはくれぐれも足の裏に行かないようにして下さい。すぐにめくれたりシワになったりして、その上を踏んで歩くので、今度は足の裏に豆ができてしまいます。
登山靴の履き方で気をつけたいこと
● 靴に足を入れたら必ず腰を降ろして、カカトを3回位地面にコンコンコンとやってカカトを入れてから靴ひもを結び始める。
● 靴ひもを結ぶ前に、靴下にシワができていないか、感覚で確認する。
● 足が靴の中でずれないように、指の先には空間を保ち、足の甲でしっかりヒモをしばる。
● 甲の最も高い部分はきつくすると血が止まりがちなので気をつける。
● 靴下がある程度のクッションになっている状態で履く。薄ければ薄い靴下2枚とか、厚い靴下1枚とかで調節する。
● 足の爪は切っておく。
● 新しい靴で靴ずれが心配だったら、予め心配な箇所に絆創膏を貼っておいても良い。
● 歩いている最中に靴の中に入ってしまった小石や靴下のよじれが足に当たるようだったら、めんどうくさがらず早めに靴を脱いで直す。
- 参考ページ:登山靴の履き方とならし・靴紐の結び方
水疱ができてしまった時は
みずぶくれができてしまった時につぶしたほうが良いのか、そのままにしておくべきなのか迷うと思います。
マキロンなどで消毒し、消毒した針で水ぶくれを潰し、ガーゼや絆創膏を貼る、という方法を勧めているものもありますし、感染してしまうので潰さないで放っておいたほうがいい、という方法を勧めている本もあります。
ですので、どちらでも大事故にはならない、と理解して良いと思います。
けっこうな水ぶくれができてしまって、絆創膏を貼って靴を履いて歩き始めたらすぐに潰れそう、という時は予め潰して水を出してしまったほうが良いでしょうし、皮膚がブニョブニョ程度で針を指しても水がほとんど出てこないようであればそのままのほうが良いでしょう。
また、宿泊の場合は絆創膏を適度に取り替えたほうが良いでしょう。
薄い絆創膏だけだと、歩いた時に剥がれやすいだけでなく絆創膏の上から靴の内側が当たったり擦れると痛みを感じます。
「今日はまだまだ歩くぞー」という行程の時であれば、初めの絵にありますが、カカト全体を覆うようにテーピングテープをガッチリと絆創膏の上から貼ると、痛みも感じなくなります。
皮膚がむけたカカト自体は、ガッチリガードされば痛くないのです。
靴ずれに有効な道具のまとめ
- 絆創膏
- テーピングテープ(幅が太め)
- 安全ピン(みずぶくれを潰す場合)
- 布ガムテープ(道具の修理などにも、少し持っていると便利)
少々値段は張りますが、カサブタを作らずに治すタイプのバンドエイド 「キズパワーパッド」もオススメです。
これの良い所は消毒液が要らないところと、最長5日間張りっぱなしで良い(貼りっぱなしにすることが大事)というところです。
普通の絆創膏だと中がぐちゃぐちゃになってしまい、そのまま貼りっぱなしだと臭くなってしまいますよね。いつまで貼っておいたらいいのか、それともはがしたほうが良いのか、のタイミングも悩みます。
しかしこれははがれさえしなければ(きちんと洗ってから貼れているという前提で)ずっと貼りつづけられるので、むしろそういったケアが充分にしづらい登山向けといえるかもしれません。
これまでには子供がひどく手の皮を剥いてしまった時などにも使っていますが、どうやら痛みも感じにくいようなのです。
ただ、流水で洗うのはしっかりしないといけないので注意してください。