初心者のための登山とキャンプ入門

初めての富士登山は何から?~ 準備と計画の立て方

はじめての富士登山 イラスト

はじめての富士登山。まずは何から?

このサイトには「富士山登山をしてみようかな」という方のために役立つ情報をたくさん準備しています。写真や季節ごとの体験記も豊富にありますので、楽しみながら読んでイメージをふくらませてもらえればと思います。
このページでは「それで、富士登山をするにはいったい何からしたらいいの?」という方に向けまずは富士登山のスケジュール例を紹介しています。その次に「手順1から9まで」順を追ってやることが書いてありますので、これに沿って読んでいただければ富士登山の計画と準備に必要なことが全部わかるようになっています。

富士登山のスケジュール例

まずは簡単に富士登山のスケジュールの例を紹介します。
ここで例にあげているのは富士山の登頂プランを立てるのページで紹介している「山小屋一泊ご来光プラン」です。富士山の五合目から登山を開始して八合目の山小屋で仮眠、深夜に山小屋を出発して富士山の山頂でご来光を見る、と言った流れのプランです。

ルートは富士登山でもっとも人気のある「吉田ルート」、移動手段は車、登山時期は「マイカー規制」のある8月に東京のとある場所から1泊2日で富士登山をする、という設定で富士登山の大まかな流れを説明したいと思います(時間はおおよそのものです)。

富士登山に向け出発 イラスト

4:30 自宅を出発

ここでは車で富士山に向っていますが、富士山の五合目行きのバスが近隣の駅から出ているのでアクセスは便利です。

例えば吉田ルートの登山口である「富士スバルライン五合目」行きのバスは富士山駅や河口湖駅から出ています。また、新宿から富士スバルライン五合目まで直行する便利なバスもあります。

富士山パーキング(旧富士北麓駐車場)イラスト

8:30 富士山パーキング(旧富士北麓駐車場)に到着

7月・8月のマイカー規制期間中は、富士スバルライン五合目まで車(マイカー)で行くことができません。そのため、この期間中は麓の「富士山パーキング(旧富士北麓駐車場)」を利用し、そこからシャトルバスに乗り富士スバルライン五合目に向かいます。

シャトルバスで吉田口五合目へ イラスト

9:00 シャトルバスで五合目へ

マイカー期間中に運行しているシャトルバスです。富士北麓駐車場からスバルライン五合目までの所要時間は45分。運賃は片道1540円、往復は2200円(子供は半額)、早朝から30-60分間隔で運行しています。

富士山 吉田口五合目イラスト

9:45 富士スバルライン五合目に到着

富士スバルライン五合目に到着しました。標高2305メートルまで上がってきました。すぐに出発すると高山病を発症しやすくなりますので、準備運動をしたりお土産屋さんをのぞいたりして、時間をたっぷり使って体を高度にならします。

吉田口から富士登山開始 イラスト

11:00 富士登山開始

準備が出来たらいよいよ富士登山のスタートです。まずはゆっくり、ウォーミングアップの感覚で六合目を目指します。

吉田ルート 八合目の山小屋イラスト

15:30 八合目の山小屋に到着

冨士山の山小屋の予約は原則必要になります。また繁忙期の週末の予約はすぐに埋まることもあるので早めに予約しましょう。富士山の山小屋リストと予約 のページに冨士山の全山小屋の情報を掲載しています。

富士登山 山小屋での食事と仮眠 イラスト

18:00 山小屋で夕食を食べ、仮眠

山小屋の夜ご飯(定番はカレーライス)を食べたら、深夜の出発に備えて早めに横になります。宿泊と言うよりは仮眠、休憩と言ったイメージです。

富士山 ご来光登山 イラスト

0:00 起床、暗闇のなか山頂を目指す

仮眠を終えたら出発します。冷え込むので防寒着を、そして頭に着けたヘッドランプで足元を照らしながら山頂を目指します。

富士山の山頂 イラスト

3:30 富士山の山頂に到着

無事、富士山に登頂しました(標高3710m)。すごく寒いので防寒着をたくさん着込み、ご来光の時間まで待機します。

富士山 山頂からのご来光 イラスト

5:00 ご来光を眺め、下山へ

ご来光を望んだら下山を開始します。時間や体力に余裕があれば、富士山の一番高い場所である「剣ヶ峰(3776m)」に登ったり、富士山の山頂をぐるっと周る「お鉢巡り」をしてから下山します(所要時間は約1時間30分)。

富士スバルライン五合目 登山 イラスト

10:00 富士スバルライン五合目に生還

下りはヒザに負担がかかり大変ですが、ケガもなく五合目に戻ってくることができました。

富士山の五合目からシャトルバスで富士山パーキングへ イラスト

10:30 シャトルバスで富士山パーキングへ

再びシャトルバスに乗って富士山パーキング(富士北麓駐車場)へ向かいます。

富士登山 下山完了 帰路へイラスト

11:30 富士登山終了。温泉へ

駐車場に到着。無事に富士登山を終えました。
近くには日帰り温泉があるので、温泉に入ってご飯を食べてから帰ることにします。

富士山近くの温泉 イラスト

12:00 日帰り温泉に入り昼ごはん

温泉で富士登山の汗を流し、おいしい食事をして、時間に余裕があれば仮眠をとってから帰路につきます。冨士山周辺の温泉情報は、富士山周辺の温泉と食事・仮眠施設 にあります。

以上が富士登山の行程のイメージです。
文章中に「マイカー規制、シャトルバス、山小屋、剣ヶ峰・お鉢巡り」などの言葉が出てきましたが、このサイトでは全ての情報を扱っていますのでぜひチェックしてみてください。

なお富士登山がはじめての方は下記の「9つの手順で計画を立てよう!」を見ながら富士登山の計画を立てると簡単です。

9つの手順で計画を立てよう!

手順1 行く日を決めよう!

7月の富士登山と残雪
雪が残る7月の富士登山の様子

実は富士山に登れる期間は1年間にたった2カ月間。開山期間が決まっています。その期間を外すとトイレも山小屋も売店も便利なバスツアーも無く、路線バスの本数も少なくなります。なによりも天気が荒れたときはひどく寒くなり降雪の可能性も。これらの理由から、登山初心者は必ず開山期間中に登るべきです。

まずはとにかく日にちを確保してしまいましょう。 登頂プラン詳細はあとで練るとして、7月上旬から9月上旬のあいだに連続した2日間を取れればとりあえずOKでしょう。翌日の仕事復帰が心配な人はもう半日か一日休みを取っておくと安心です。どの日にちにするかを決める情報は、「 富士山登山の時期と山開き 」をごらんください。

手順2 地図を手もとに用意しよう!

富士登山の地図
富士山のルート全体図、各ルートの地図がダウンロードできます。

ルートの名前、登山口の名前、登山口までの道路の名前…どれも似ててなんだか分かりづらいですよね。地図をプリントアウトして、それを見ながら読み進めて行きましょう。全体を知ることはこの先のプランを考えやすいだけでなく、道迷い防止にも役立ちます。

大きな概念図は、「 プリントできる富士山登山地図 」をごらんください。プリンタがない場合はスマホにダウンロードを。

手順3 登頂プランを立てよう!

富士山登頂プラン

夏期の富士登山は24時間いつでもできますから、どんなふうにでも歩けてしまいます。でも突き詰めていくとそのパターンはだいたい4つ。体力、使える日数、費用、ご来光(日の出)をどこで見たいか…などでだいたい落ち着いてきます。 そのパターンについては、「 富士山の登頂プランを立てる 」をごらんください。

手順4 どこから登る?4つのルートについて知ろう!

プラカードを持った人 イラスト

富士山登山には4つのルートがあり、それぞれ特徴があります。 岩場や砂礫といった道の様子、山小屋の数やトイレの数、混雑具合、交通の便、山頂までの距離、歩く時間…どれも状況が違います。

「 富士山の4大登山ルートを紹介 」では、それらのルートを詳しく紹介していますのでご覧ください。 また、山頂を一周する「お鉢巡り」のコースも紹介しています。

手順5「マイカー規制」について知ろう!

マイカー イラスト

なんだかめんどくさい感じの「マイカー規制」。でもカンタン。登山口である5合目に十分な駐車場がないので、山麓の決まった駐車場にマイカーを留めてみんなでバスに乗り合わせて行こうよ、という事です。

マイカー規制については、「 富士山マイカー規制の時期 シャトルバスの料金と駐車場、時刻表 」をごらんください。

手順6 電車やバスでいくなら!

富士山登山バス イラスト

マイカー規制について知った後は、それを踏まえて交通手段を決めましょう。マイカー&バス、電車&バス、都心から直行長距離バスなど。特に復路(帰り)の最終バスのダイヤによって登山プランが制限されますよね。

電車の駅から富士山登山口(五合目)までのバスの時刻表については、「 富士山登山バス時刻表 」をごらんください。

手順7 山小屋を予約しよう!

山小屋で寝る人 イラスト

五合目から登り始めて八合目で一泊、頂上まで2時間歩いてご来光を見る…というパターンは人気があるため、特に八合目の週末の山小屋は4月すぐに早くから満室になってしまいます。
多くの山小屋が4月から予約を受け付けて、5月はじめには満室の日もかなり出ます。山小屋に泊まるプランに決めたのなら早めに予約しましょう。

富士山の山小屋一覧と連絡先は、「 富士山の山小屋リストと予約 」をごらんください。

手順8 服装を考えよう!

登山の服装 イラスト

アウトドアウェアをこの際買ってしまうか、有り合せの服で登るか…迷うところですよね。手持ちのもので済むものもあれば、買っておいてソンは無いもの、今後使えそうなものもありますよね。それに「冷え性」とか「膝が弱い」など体質に依ってお金を掛ける部分も違ってきますよね。

富士山登山に服装に関しては、「 富士山の服装とレインウェア 」をごらんください。まったく何も装備がない人には、「 レンタル登山用品のススメ 」もごらんください。

手順9 装備(持ち物)を考えよう!

登山靴 イラスト

装備のほとんどはすでに持っているものや周りの人に借りられるもので対応できると思います。「 富士登山の装備と持ち物リスト 」のページを参考に考えてみてください。ただ富士山は溶岩の山で岩やゴロゴロとした石、砂利の道、そして長い下りと足に過酷なことは事実です。靴についてはよくよく悩んで決めましょう。

当サイトの富士登山のページ 一覧

当サイトの富士登山に関するページの一覧です。上で紹介しているページ以外にも便利な情報がたくさんありますので、ぜひご覧になってください。

富士登山の計画を立てる

富士登山の計画に必要な情報のページです。マイカー規制や混雑予想、山小屋の情報やコースを紹介しているページがあります。

富士登山の準備「持ち物と服装」の用意

富士登山に必要な持ち物や登山用品、登山に適した服装の解説などをしています。初めての登山で何を用意したら良いのだろう、と言う方はぜひ。

登山ルート・コースの紹介

人気の吉田ルートの解説の他に、富士山の山頂を周るお鉢巡り、また御中道や宝永山遊歩道のハイキングコースも紹介しています。

「富士山写真館」は富士登山中に撮影したアルバムです。実際の富士登山はどんな様子か、たくさんの写真でお伝えします。(リンクをクリックするとグーグルのアルバムにジャンプします。)

安全に楽しく富士登山するための情報

富士登山の危険やマナー、緊急連絡先など、万が一のことも考え目を通して頂きたいページです。

登頂成功のためのポイント、日記

富士山登頂を成功させるためのポイントなどを書いています。登山日記では高山病の大変さや運動不足で登山をするとどれほど苦労するか、ということがわかります。

お役立ちファイル(PDF)

登山地図、登山届、装備と持ち物リストのPDFファイルを用意しました。A4サイズなのでプリントに便利です。富士登山の計画、準備の際にご利用ください。