初心者のための登山とキャンプ入門

ベビーメタルとわたし #6
BABYMETALの好きなところ

babymetal スーメタル作

長々とベビメタについて書いてきました。ベビメタの発見からスーメタルの声を好きになり、ライブではその存在感に驚いたこと。そして東京ドームのライブで生の歌声に感動できたこと。ほとんどスーメタルに関することばかりでしたが、最後に違うことをいろいろと書いてみたいと思います。

- 前の記事: #5【東京ドームライブと降ってくる声】 -

東京ドームライブその後

ベビメタを発見した時から東京ドームライブまで、の日記的なものを5ペーにも渡り書いてきました。それ以降はあまり書くことがないのだけれど、せっかくなんでまとめてみたいと思います。

関東のライブはだいたい行く

ドームのライブ以降のライブは関東であればだいたい参加できていると思う。関東以外では唯一広島のライブに行った。初「遠征」という経験だったけれど、天気もよくとても楽しかった。そして広島は素敵なところだったのでまたライブをやって欲しいくらい。海外のライブは行きたいとずっと思っているけどまだ行けていない。

チケットはだいたい当たる

チケットの抽選はなぜか毎回当たる。滑り止めの一枚も当たってしまうので2日連続で行くことも多い。なので最近では初日しか申し込まない様にしている。
初日と二日目、演奏やショーのクオリティでは絶対に二日目がいいんだろうけど、僕は初日の緊張感や客の期待感みたいなのが満ちた独特の空気感が好きなので、初日を選んでいる。

念願の最前列

念願の最前列もゲットした。横浜アリーナのライブだった。お金も使わない、発信もしない申し訳ないファンではあるけれどすごく良い場所を与えてもらった。アリーナの最前列だと3分の1くらいは背を向ける感じになってしまうけれど、それでも嬉しかった。柵前にいるととてもいいことがあるのだ。

ベビメタ友達

ベビメタ友達は残念ながらいない。一人できたけれど、ベビメタが一番大変な時期に彼はベビメタから離れていった。

ある日彼に会った時「他界した」と嬉しそうに言っていた。はあ、とその時は返事をしたが家に帰りその意味がわかった。
はじめて会った時、我々はベビメタやそのまわりの世界について何も知らない同士だったけれど、彼はどうやら別のよりディープな方へ向かっていったようであった。それ以降連絡はとっていない。

そんな感じで、ネットでもリアルでも、ベビメタを語り合うような友人はいない。

ベビーメタルの好きなところ

ベビメタの広島のライブに行った時、平和記念公園の資料館に立ち寄った。
そこでは受付のおねえさんに「ベビーメタルのTシャツを着た方がたくさんいらっしゃってますが、魅力はなんですか?」と質問を頂いた。僕は全然答えられなくて「ありすぎて長くなります」と答えた。そんな返答をしてしまい残念だった、もったいなかったとは思うけれど、今再び同じ質問をされても同じ様に答えてしまうかもしれない。
なので、せっかくなので「ありすぎて長くなる」ほうをいくつか書いてみたいと思う。

ロック少年の心に再び火を灯す

ベビーメタルで一番素敵だと思うところは「ロックを聴かなくなったおじさんとじいさん」の心を動かしたことだ、と思っている。海外の掲示板「Reddit」を見ているとそういう話がすごく多い。「若いころはメタルを聴いてたけどある時期から聴かなくなった。でもベビーメタルを聴いてその頃の気持ちを思い出した」「またこの年になって音楽が楽しいと思えるようになった」みたいな。「久しぶりにギターを弾きたいと思った」みたいな。

たぶん同じような日本人も多いでしょう。そして自分がそれに完全に該当する。ロックって、バンドって楽しいじゃんって15年ぶりくらいに思ったし、ベビメタを知ってから音楽が大好きになってしまった。それも若い頃以上に。そしてギターも買ってしまった。

そうなった理由ってなんだろうかって考えてるけどよくわからない。みんなどこを刺激されたんだろうか。
ちなみにぜんぜん答えになっていないけど、ベビメタにはタイガーマスクとか仮面ライダーとか、子供心をくすぐるヒーロー的な要素がある様に感じている。そして応援して、一緒に戦ってる気分になる。

それとベビメタには昭和のバンドの匂いを感じる。なんだろう、あの時の色んなバンドが出てきたわくわく感を感じるというか。ベビメタに懐かしさすら感じることがある。

ワールドワイドでテクノロジーで

ベビーメタルの一番の楽しみと言えば、やっぱり海外でライブをやる時。

海外でのライブの前はいつもソワソワしてしまう。現地の時間と日本との時差を調べて、ライブ前にはツイッターやレディットでこまめに現場の状況を確認。そしてライブが始まればチャットのDiscordを開き、ライブ配信をしている人のリンクを受け取る。ライブ配信は高い確率でだれかがやってくれるけどそうでない時もある。けれど、それでも演奏した曲の情報とかメンバーの情報とか次々に流れてくるのを見ているのが楽しい。
ライブが終わればユーチューブでそのライブを検索する。何人かは必ずアップロードする。

こればっかりは日本の他のミュージシャンでは味わえない楽しみだと思う。海外ライブの多いベビーメタルだからこそこんな楽しみがあるのだ。そしてテクノロジーにも感謝。一昔前なら知らぬうちにツアーが始り、終わっていることだろう。

そしてそんな状況や時間を世界のファンと共有できていることが楽しい。みなさんタイムゾーンが違うから、ある人は寝ずに待っていたり早朝だったり、またある人は仕事中だったりするけれど、それぞれがそれぞれの国で待機してベビーメタルを待ちわびている、という状況が楽しい。新しい時代だなあと思う。

チームベビーメタルの姿勢

チームベビーメタルが好きだ。ロックだなあって思う。一回決めたら絶対曲げないし、設定守るし。なんの説明もないし。一回しかやらない曲あるし。いきなり4人になったり7人くらいになったり。みんなが普通になれって願えば願うほど違う方向に進んだり。そしてみんながコメントとかで「こうすべき」って書いてある様なことはまずやらない。 まあそんなものは見てないだろうけど。
そういうベビーメタルのあり方が好き。そして仕事の進め方に思い切りがあっていつも驚かされるし、それが楽しい。

最近で一番驚いたのはMetal Galaxyの曲だ。PAPAYAの時点でベビメタの懐が深すぎて泣けてしまったが、そのあとにユーロビートが待っているとは思いもしなかった。
僕はてっきりベビメタはメタルの重鎮方面へ進んでいくのかなと思ってた。メタルの大御所たちに認められ、メタルフェスではメインステージを盛り上げ、メタル雑誌で表紙をかざる。今後はメタルの世界でベビーメタルらしい音を見つけていくんだろう、3rdアルバムはそうなると目論んでいた。そしてラムシュタインやスリップノット的な存在になりメタルを盛り上げていくのかなと。

そしたらまさかのユーロビートで、さらに絶対にメタルじゃない宇多田ヒカルみたいなポップスが入ってきて、ものすごく驚いた。一曲目でヘビーメタルじゃないって言っちゃってるし。

よくここまで思い切れるなって思う。普通はもっとかっこつけちゃうんじゃないかな。メタルでスタイリッシュなバンドを目指した方が絶対に楽だろうし、2ndがメタルよりだったからそっちの期待も多いだろうし。
ベビメタがメタルかメタルじゃないかでいつも議論があって、そのメタルじゃないって意見をねじ伏せる様な方向で行きそうなもんだけど、逆に絶対にメタルじゃない音楽をやる。ああこれがベビメタだったな、とあらためて思った。かっこいい。

スーメタルの歌声

スーメタルの歌声は倍音がどうとか、鼻腔共鳴がどうとか言われてるけど、知識がなさすぎて自分にはよくわからない。でも他のボーカリストとスーメタルの声の違いは自分の顔面の鳴り方だ。スーメタルのハイトーンは自分の顔の上半分をよく鳴らしてくれる。寺の金を間近で聴いた時みたいな、シンセサイザーのレゾナンスを目一杯上げたときみたいな。その「鳴る」感じがとても気持ちいい。

他にも顔面を鳴らしてくれる人はいる。でもみんな耳のちょっと上くらいまで。一方スーメタルの場合は頭のテッペンまで響きが到達する。なので白目を向きそうになる。そしてそれが気持ちいいのだ。

最近マイルスのライブを見ていたら、彼の出すハイトーンがスーメタルの歌声に似ているなと感じた。僕はコルトレーンも大好きなので、スーメタルの歌声は管楽器に近いのかなあと思ったりする。
そしていつも思う。スーメタルのアカペラ集(未加工)があれば10万出しても買うのにって。

踊りは音符・モアメタル

ダンスを知らなすぎてよくわからないけれど、ベビメタのダンスを見ていると音符だなあと思う。なので音楽だけで聴くより映像で見た方がより音が複雑になって楽しい。

スーメタルのことばっかりでモアメタルに触れてこなかったけれど、彼女の存在はとても貴重で重要だと思っている。彼女がいなければベビーメタルはただのメタルで退屈になってしまうだろうし、彼女がいるおかげでベビメタのビジュアルの魅力が何倍、何十倍にもなっていると思う。ベビメタをベビメタらしくしているのは彼女の魅力と力で、ベビメタのビジュアルの「表現」部分を担当するもっとも重要な存在だと思っている。ライブでもライブ以外でも、ベビメタの印象、イメージを作っている人だと思う。

Metal Galaxyについて

CDが届く前にサンプルを聴きまくってしまったので新鮮味がぜんぜんなかったけれど、すごく良いと思う。新しいことにたくさん挑戦しているし、早くライブで聴きたいって思わせる曲ばかり。 色々なタイプの歌があってスーメタルがどう歌うか楽しみでもある。ちなみにCDとレコード買いました。
またいつもより間奏と言うか「間」が長の曲が多い気がする。これはダンスで魅せる場面が多いんじゃないだろうか。モアメタルの出番が増える気がする、と予想。

DA DA DANCEはかっこいいし、BxMxCもKOHHみたいでかっこいい。BBABも意外と生で聴いたらノリよさそうだヘビーでいいと思う。ライブ映えしそう。Night Night Burn!はスーメタルの太い声をライブで聴くのが楽しみ。そしてBメロを聴いてるとスペインを弾いている藤岡さんが浮かんでくる。
Oh! MAJINAIはダンスが楽しみだし、Brand New Dayはとてもいい曲で聴きたくなる。スーメタルがこんな感じの曲を歌ってくれているだけで幸せだ。

Metal Galaxyは明るいアルバムではなくて、どちらかと言うと哀愁が漂っていると思う。ワンダフルなジャーニーな感じではなくて、悲しみを持ちながらもその先に行こうとしている印象がある。
そして 1枚目から2枚目まで通しで聴くと、ああ、長い長い旅をしてきたんだな、と感じる。それと同時にいろんな思いがやってくる。こらえていたファンほどグッとくるものがあるんじゃないだろうか。最後の2曲では特にそれを感じるんじゃないだろうか。

今までと違ったジャンルの歌が大量に入ってきて、ベビーメタルの印象がカラフルになった印象を持った。ライブがどう変わるかがとても楽しみです。