初心者のための登山とキャンプ入門

MSR ドラゴンフライの掃除とメンテナンス

MSRのドラゴンフライ

5年間使ってきたドラゴンフライ

先日行った赤岳の夕食は、お湯を沸かしてカップラーメンを作りました。
持っていったストーブはMSRのドラゴンフライ。ガソリンストーブです。ガスストーブでもよかったのですが、雪山だと安定しないとかごにゃごにゃあったので、重いのですがガソリンストーブであるドラゴンフライを持っていく事にしました。

ちなみにドラゴンフライ、かれこれ5年以上所持しているのかな。
自転車で旅をしていた時期がありましたが、当時は毎日使用していました。旅が終わると出番は減り、登山の縦走でたまに使うのみとなりました。重いしうるさいし、何でこんなストーブを選んだのか、と思う事もありましたが、その間一度も故障せずによく頑張っているな、と最近は褒める様になりました。

Msrドラゴンフライ
MSR・ドラゴンフライ

話がそれてしまいました。
そう、それで行者小屋でドラゴンフライでお湯を沸かしたのですが、翌日は何とドラゴンフライが使えなかったのです。
ドラゴンフライ、もしくはポンプのどこかが凍り、ガソリンがうまく流れていないようでした。雪山では凍らない様に管理せねばなりませんね。

下山後自宅で確認すると、問題なく点火しました。まあそれで良かったのですが、今までの頑張りをねぎらうと言う事で、ドラゴンフライのお掃除とメンテナンスをすることにしたのです。

本格的に。

メンテナンスは以前に一度やったことがありますが、お掃除は初めてです。

掃除前のドラゴンフライ
掃除前のドラゴンフライ2
掃除前のドラゴンフライ3

とまあこんな感じで、鍋から吹きこぼれた汚れがこびりついて汚い状態です。

という事でまずは分解します。

ドラゴンフライを分解

フューエルラインをエンクロージャーから取り外します。プッシュナッツと言う小さな留め具で固定されていますが、ここは強引に外してみました。使用した道具はレザーマンのJuice S2にあるピッキングの道具のような物を使いました。これをエンクロージャーとプッシュナッツの間に突っ込み、プッシュナッツを強引に取り外します。

レザーマンのジュース S2
LEATHERMAN レザーマン juiceS2 ジュースS2
レザーマンのジュースS2

↑ぼけてしまいましたが取り外したプッシュナッツと、レザーマンのジュースS2の使用したツールです。

ドラゴンフライのエンクロージャーからフューエルラインを取り外した状態

そして取り外すとこんな感じ。
続いてカップ(名称不明なのでカップと名づけました)を取り外します。ドラゴンフライをひっくり返すとネジが3つあるので、それを取ればカップをエンクロージャーから分離できます。

ドラゴンフライのエンクロージャーからカップを取り外した状態

↑カップをエンクロージャーから取り外した状態です。エンクロージャーの内側はススがひどく真っ黒で、カップには食べ物の燃えカスがぎっしりとこびりついています。

真鍮ブラシでドラゴンフライを掃除

そしてこれからが本番、カップの汚れを真鍮ブラシで落とします。モシャモシャと真鍮ブラシで磨きますが、ここでふと思いました。傷が多いな、100均の真鍮ブラシってどうなのだろう、と。メンテナンス雑誌の道具を見ても、真鍮ブラシの形が違うし、100均のブラシとどこが違うのであろうか。ということでここで作業は一度中断し、400円ほどの真鍮ブラシを購入しました。

そして二日後に届きました。

チャンネルブラシ 真鍮ブラシ

写真の上が、購入した真鍮ブラシ。チャンネルブラシと言うのが正式名称みたいですね。先がカーブしているので、くぼんだ部分も磨けます。柄の部分もかっこいいし、持ちやすい。そして下が100均で3本セットで売っている真鍮ブラシ。無人島で頑張って作った歯ブラシみたいな形です。無骨で愛嬌があります。(ちなみにこの写真は、チャンネルブラシ使用後に撮ったので、毛がよれています。)

チャンネルブラシ 真鍮
【SK11】 チャンネルブラシ真鍮 曲柄 NO.36

この2本の真鍮ブラシ、違いは歴然でした。
見ての通り毛の量が圧倒的にチャンネルブラシの方が多い。そして細くて柔らかい。なので全然傷がつきません。ヤスリの目の粗さを変えた様な感じでしょうか。磨き続けると細かい粉末がでて、手がどんどんと黒くなります。呼吸をすると吸い込んでしまうのでマスクが必要です。とまあ、それくらい繊細に磨く事が出来るようです。
いやー、世の中には色々な道具がありますね。
出会って良かった。

そしてモシャモシャと2時間くらいでしょうか、磨きました。エンクロージャーの内側も、すぐススで真っ黒になるとわかっていますが、とりあえず磨いておきました。

完成です。

ドラゴンフライの掃除後2
ドラゴンフライの掃除後1

うん、きれい。エンクロージャーの内側も外側もカップも、何もかもピカピカで新品のようになりました。

掃除が終わったあとはドラゴンフライの取説に従って、ポンプの点検をしたり、ポンプカップにオイルを足したり、Oリングを確認したりなどのメンテナンス作業を行いました。