初心者のための登山とキャンプ入門

赤ちゃん山デビュー!5ヶ月で伊吹山登山

伊吹山の山頂

2010年10月10日土曜日。
名古屋からは、意外にも、3方に山が見える。町から見える山並みはすごくうれしいものだ。
妊娠して出産してからもう5ヶ月、ずっと山に行っていない。
いつになったら山復活ができるだろうか。サクチャンはいつ山デビューできるんだろうか。

ある土曜日、丸の内にある北尾くんの会社寄った帰りにとりあえず高速に乗った。
どこでもいいから遠出しようといったその日が、サクチャンの山デビューとなった。
名駅周辺では名古屋まつりが行われ、小さな人形が乗った御神輿のようなものが行列の先頭を歩いていた。

名古屋に引っ越してきて2週間とちょっと。
最近のサクチャンは北尾くんを見て泣く日があったり泣かない日があったり。
離乳食もまだあんまり食べない。寝っころがりながら足首をつかんで足をなめるのが最新の技で、
あとはアーアーと太い声を出すようになった。

全身の動きでいえば、二ヶ月前から始まった飛行機がまだブームで
寝返り帰りもしないし、腰も座らないという状況。
私も抜毛が落ち着いてきて体力もほとんど戻ってきた。
北尾くんも新しい支店で気疲れし気分転換をしたいと言っていた。

石井スポーツ 2016冬季 岳人祭

一宮ジャンクションを越えた頃、後部座席で全国地図を見ていた北尾くんが 「伊吹山はどう?」 と言った。
テレビ塔から見えたあの山だ。ナビでは伊吹山まで60km。関が原で降りるらしい。
その後は有料道路に乗って頂上付近までいけるらしい。
森林の中の登山道をちょっとでも歩いたらリフレッシュできるんじゃないかな。

サクチャンは大丈夫だろうか。
エルゴでおんぶすれば大丈夫かな。
北尾くんもいるし。
まぁ、行ける所まで行けたらいいや。

名古屋の高速に慣れるために私が運転をした。
北尾くんが不在でも、今後はサクチャンとふたりでガンガンお出かけしよう。
だから高速道路も慣れたいし、とにかく家を出る習慣を付けたい。
ふたりきりで知らない地の家の中ですごす一日は、とてもとても長いのだ。

天気は晴れ。高速道路は空いていて快適。
サクチャンのご飯はどうしようか。
途中に唯一サービスエリアがあるからそこに入ろう。養老SAだ。
ここには名古屋定番のお土産、岐阜の山の恵み系のお土産がたくさんあった。
フードコートにもおいしそうなものがあったけど、今回はレストランに入ろう。
私は岐阜産の鳥や野菜を蒸したセット、北尾くんはカオリジンのカツカレーを食べた。
私はオリジンは知らなかったけど、なんでも昔のカレーの定番らしい。親戚の正信くんたちの話に出てきた。

レストランではソファー席を案内してくれた。ありがたい。
ソファーにストールを引いてサクチャンを転がすと、さっそく足首を持って丸くなった。
長いことチャイルドシートに入っていたら運動がしたいよね。
サクチャンは丸くなったり寝返ったりして楽しそうだった。
犬を飼っていないからピンとこなかったけど、ドッグランが喜ばれる訳もわかるよね。
レストランの食事は特別においしかったわけじゃないけど、ゆったり料として払う価値はあるね。
特に赤ちゃんがいるときは。
サービスエリアの混雑感はお出かけしてる感じがして楽しいけど、赤ちゃんには混みすぎているし。

私たちの食事の後は、サクチャンのごはん。
授乳室がないかと思ったけど、ちゃんとあった。
個室の授乳室があったし、オムツ台とオムツ用のゴミバケツもあった。
あぁ、これはホント助かるな~。
オムツも替えて、すっきりお腹いっぱいになったところで山に向かおう。

養老から先は北尾くんが運転した。
すんなり高速道路を降り、ナビに従い伊吹山ドライブウェイに入る。往復3000円。
時間制限があって、今日なら7時までに下りてこないといけないみたい。

中腹からは今来た方面の町並みが小さく見えた。
道の先にはなんだか予想以上に大きく迫力のある山が見え隠れした。
もしかしてあれが伊吹山かな。
そういえば伊吹山は日本100名山なんだって。
だったらきっと、山容は立派なのかもしれないな。
麓からの形を見ていないから分からないけど、上部だけ見てもガッチリした山だということが分かった。
なんというか、まあるっこい里山みたいのじゃなくて、アルプスみたいな壮年期の山。
1300mくらいだから何も期待していなかったけど、とにかく立派な山だ。

だいぶ駐車場に近づいてからは、御岳方面に大きなカメラを三脚にセットしている人たちが道路わきにちらほら現れた。
何を狙っているのかな。
かなりの範囲に散っていたけど、みんな同じ方角にレンズを向けていたようだった。

駐車場は広かった。
今日から 「紅葉祭り」 的なクーポンを料金所でもらったけど、
紅葉もまだだったからか車は多くはなかった。

隣の車の家族が戻ってきた。お父さんもお母さんもおしゃれなアウトドアファッションをしていて、
赤ちゃんは背負子的なものに乗っていた。
今後の参考にしようと思って挨拶をして装備を見せてもらったら、
その背負子はモンベルのもので下部にイスの足のようなものがついていて赤ちゃんを乗せたリュックごと地面に着地させた。
なるほどーこういうものがあるのかーと思った。調べてみたらこれだった。
お母さんは 「こんなにキッチリした服じゃくても全然登れるんですけどね」 的なことを言っていたけど、
その横で私たちがした準備をみて少し心配になったかもしれない。
私たちはもちろん普段着だけど、とりあえずふたりとも運動靴を履いていた。
サクチャンには夏用の靴下を履かせ、おしゃれ用のレッグウォーマーといちごの帽子をかぶせ、
エルゴで北尾くんがおんぶした。
その上からストールを北尾くんごとぐるりと巻いて、さらに大きすぎて普段着ないからと車に積んでおいた厚手のジャンバーを羽織った。
寒くはなかったけど山の空気だからスカッとしていた。

私は折りたたみ傘を持って、ママバックに両腕を通し背負った。
あと、車に積んでおいたおくるみやオムツなどを持った。サクチャンのものだけで荷物がいっぱいになった。

伊吹山の駐車場から頂上までのコースは3つあって、私たちは登りは40分のコースを行く事にした。
短い山とはいえ、装備が何もないので心配だったけど天気も晴れていたし、まだ時間も早かったから大丈夫だろうと思った。
そのコースは琵琶湖を眺めながら緩やかに登っていくというものだった。

自分の靴と北尾くんの靴ヒモもしっかりと結びなおして、ぜったい転ばないようにと確認しあって出発した。

伊吹山山頂にて

こんなところに赤ちゃんを連れてくることはいいんだろうか、と
誰に対してか分からない“怒られるんじゃないか”感もありつつ、細心の注意を払って登った。
登山道上は白い岩が地面から出ている道だったけど、
白いレキが敷き詰められていて段差もなく非常に歩きやすく整備されていた。
後に知ったことだが、この山は海底火山の山でサンゴの石灰岩が出るらしい。
どおりで、山の反対斜面の道にはセメント工場があったわけだ。

伊吹山山頂にて

そして道の両脇には、夏には種類も豊富で賑やかだったことが目に浮かぶようなお花畑の枯れ草が広がっていた。
高山植物っぽいものとそうでなさそうなものも沢山あった。
そのなかにまだトリカブトが鮮やかに咲いていたりアザミが残っていたりして夏山を思い出させてくれた。
看板には、伊吹山には固有の高山植物などもあって種類も豊富なことなどが書かれてあった。
約1300mなことを考えると珍しいんだろう。
アルプスより南の植生をまったく知らないから今度勉強しよう。

眼下には琵琶湖が金色に輝いて広がっていて、思わぬ豪華な景色にテンションは一気にあがった。
名古屋からちょっと来ただけなのに琵琶湖まで見れるなんて。

伊吹山山頂にて

道には、私たちと同じくらいの赤ちゃんを抱っこしながら下ってくる人、
犬を連れて歩いている人などみんなラフな格好だった。
ただ場所によっては風があったので、やはり風を通さないジャンバーをサクチャンに羽織わせておいてよかった。
サクチャンはおんぶされてすぐに寝てしまった。
時々起きてぼんやりと空を眺めたりしていて、終始眠そうだった。

伊吹山山頂にて

頂上に行くと、琵琶湖の南側の町も見え視界はとてもよかった。店もやっていた。
なにぶん短いとはいえ始めての登山だったから、
山頂で記念写真を撮ってぐるりとあたりを見て歩いたらすぐに下山することにした。
こうしてサクチャンの日本100名山のひとつめは伊吹山 1377.3m となった。

帰りは階段の20分のコースにした。
登りもそうだったけど、時間はかなり多めに記載されている気がした。

このコースは、天気が良くて運動靴を履いていれば誰でも歩けるけど、
ただ赤ちゃんを連れて行くときは足元が見えないから絶対に背中に背負うのは必須だと思った。
あと足元に不安な人は下りも階段ではなく緩やかな40分コースを使ったほうがいいかもしれない。
でも滑りやすい人だったら、おんぶしていた赤ちゃんは潰されちゃうかね。
そういう人は駐車場で景色を楽しんだらよいね。

伊吹山山頂にて

駐車場に戻ってまたゆっくり北側の景色を楽しんだ。
芭蕉の句があって、やはり伊吹山はたいそう山容のすばらしい山であることがわかった。

芭蕉の句はこんなだった。

そのままよ 月もたのまし伊吹山

『伊吹山は月の力など借りなくても、そのままで立派な山だよ』
というような意味だと書いてあった。

料金所でもらったクーポンで葉書をもらおうと思って売店に行ったら、閉店していた。
4時までだったらしい。5分過ぎたね。
あと、公衆トイレもあるけどトイペがなかったな。

4時半ごろ下り始めたら、下りる車も少なかったのでせかされることもなく
上る車もなかったので驚く事もなく順調に下りてこられた。
すでに目覚めていたサクチャンは後部座席で北尾くんに脇をもって立たせてもらっていて、
カーブがくるたびに声を上げて笑っていた。
サクチャンが喜ぶので北尾くんも合せて、ふたりで遠心力に身を任せてキャッキャとやっていたが
あまりのカーブの多さに最後方はサクチャンは飽きて歓声も小さくなっていた。

その後どこにも寄らずに高速に乗って帰った。
高速に乗ってからはサクチャンはチャイルドシートにセットされ、
うめぼしみたいな顔になってずーっと泣いていた。激泣だ。
可哀想だったけど私の運転も不安なので高速中は我慢してもらったけど、
上社の出口手前で根負けした北尾くんがサクチャンを取り出した。
サクチャンは取り出されたとたん泣き止んだ。
やっぱりチャイルドシートが嫌いなんだね。

東山通りはやっぱり渋滞していたけど、一本北を走ってすんなり家に到着できた。
たった6時間のお出かけだったけど初の山登りは気持ちをスカッとさせてくれ大満足だった。
サクチャンの記憶にも何か残るんだろか。

※伊吹山ドライブウェイ のHPはこちら。
季節によって営業時間(ゲートを通れる時間)が変わってくるから公式サイトを見たほうがいいだろう。
帰ってからパンフレットを見たらいろんな季節に楽しめる、とっても良いところらしかった。
頂上付近だけでなく、麓からの植生も豊かだ。
夏は深夜に駐車場に滞在して星を見たりご来光を待ったりできるみたい。
次回は夏に行って、ぜひ下から登ってみたい。