初心者のための登山とキャンプ入門

こどもと岐阜県の「金華山」登山 ~はじめての登山靴~

子供と岐阜県の金華山登山

下の子を乗せていた背負子・ドイターのキッドコンフォートを処分してしまったので、トレッキングシューズを履いての登山デビューとなりました。妹は3歳11ヶ月、姉は6歳5ヶ月。コースタイム往復2時間、山頂の観光含めて5時間。初めてにしてはなかなか長い登山となりましたが、トレッキングシューズや歩き具合の様子見としてはとても有意義なハイキングでした。

石井スポーツ 2016冬季 岳人祭

今年初の子連れ登山

妹であるカエデちゃんが父親であるキタオくんに背負われて登山に行ったのは、去年の8月が最後。カエデちゃん2歳9ヶ月のときだ。まだ14kgだったけど極暑の登山はきつそうだった。私の断捨離ブームが来たのを機に、押し入れで場所を占領していたキッドコンフォートを思い切って処分すると、キタオくんは急に「え~!もっと使いたかったのに」と不満を言っていた。しかし姉であるさくちゃんも3歳で自分で歩く登山デビューしている。カエデちゃんも、もうそろそろ歩けば良いんじゃないか。さらに、仮にカエデちゃんが歩けたなら、次はテント泊ができるじゃないか。という目論見で私は4人が寝れるテントまで購入して今年の秋山登山に備えていたのに、あいにく9月の週末は全て雨となり、運動会でつぶれた週末を除いてやっと晴れたのが、10月15日となった。

実はこれに先立つこと数ヶ月前、6月12日、まだ本格的な夏が始まる前のこと。この夏の登山を見込んで、私たちは背負子を使わずに旧街道ハイキングを試したことがあった。コースタイムは2時間10分。標高差は、登り200m、下り370m。距離にして7.5km。道はマウンテンバイクで走れるくらいの緩やかさだったけど、日常生活でやたらとバギーに乗りたがり「だっこ」を連発するカエデちゃんがどれほどあるけるのか未知数だった。だから歩けなければ一般道に下りてバスに乗ればいいや、というコースにした。しかし、ダラダラとだけど、4時間半掛けて歩き通すことができた。その時、「今年は夏山のテント泊ができるかも」と密かに思っていたのだった。

そしてテントは購入したものの、寝袋や親のザックの手配に追われている間に8月は終わってしまい、9月は雨、そしてキタオくんの休みと晴れが重なったこの日、ようやく出かけることが出来た。

金華山とは

金華山とは岐阜県岐阜市にある329mの山で、頂上には岐阜城がある。30~1時間程度のハイキングコースが10本あり、ロープウェイもあることから名古屋から気軽に来れる自然スポットとして人気があるらしく、以前から気になっていた。いや、気になっていたのはキタオくんの方で、私はどっちかって言うとそういう観光の山よりも自然の山に行きたいからキタオくんの申し出を無視していたけど、急に晴れたこの日に選んでいる時間も無かったので、ここに行くことになった。

ロープウェイがあって城があると聞けば高尾山のようなひらけた山かなあと思っていたら、2つのコースを歩いただけだけども、高尾山とはまた違う印象だなあと思った。

金華山のお城 岐阜城

なんていうか、まずこのあたりは木曽三川でできた広い平野の中に取り残された部分なので、急に、急峻な山が現れるのだ。例えば高尾山だと、駅を降りたそこはかなりの田舎なんだけど、ここは登山口の目の前には大きな道路があって、コンビニがあって、農家じゃない普通の住宅街が広がっていて、そして急に山が始まる。裾野の広い関東の方の山ばかり見ていた私には、その山の裾野部分がなくって家が密集している景色はとてもおもしろい。

金華山からの景色

あとは、金華山に関して言えば植林が続く裏山っぽい土の山とかじゃなくて、チャートというプランクトンでできた堆積岩が露出しているのでちょっと特殊感があって、歩くのにおもしろい。また歴史的にも天領、御陵林、国有林と保護され伐採から逃れてきたことから、気軽に入れる低山にも関わらず植生が豊かな気がする。パンフレットによると”手付かずの自然”らしい。その小さな山の中に10本のトレイルと城とロープウェイとリス村と資料館と・・・と満載なので、頂上は全然広くないんだけど歴史もあってかなり面白い山だと思った。

登山用靴、靴下、服装などまとめ

登山靴

子供の登山靴
妹はアク、姉はサロモン。いずれもミドルカット。

3歳のカエデちゃん、初の登山靴は、歩き初めは履き慣れないため甲がキツイと言ったが、その後慣れたようで何も言わなかった。靴ずれもなく2人共足にトラブルは無かった。

歩きはじめは登山靴の底の厚さがなれないためか、度々岩に靴底を引っ掛けるようにして転んでいたが、背も低いせいで大きく転倒するような怪我の心配はあまり感じられなかった。靴底の厚みは履いていくうちに慣れるだろうと思ったが、慣れるまでは転ぶことと起き上がることの繰り返しで疲れるかもなあと思った。

靴下

子供用登山の靴下

これまではお古で頂いた靴下を履いていたけど、テント泊をするなら予備も必要だと思ったため子供用靴下を買った。行ったモンベルの店にはこれしか無かったので、モンベルのウィックロンを購入。17-19cmと19-21cm、いずれも税抜き1400円。このフワフワパイルはいつまで持つだろうか。とても2枚履くような厚さではない。最近ではトレッキングシューズには1枚履きが主流なようだ。

パイルが潰れた靴下をこれまで履いていた姉は、新しいフワフワの靴下との組み合わせだと、「キツイ」と言ったので、一応普段履きの運動靴も持参した。下山時に一時履いたが、すぐにやっぱり登山靴が良いと言ってまた登山靴を履いた。登山靴が履けるか確認した2月前とくらべて足が大きくなったのかもしれない。子供の足のサイズはまったく油断ができないと思った。登山では替えの靴なんて持っていかないので、内部がきつくて指が当たるとかに特に気をつけないといけないと思った。

今回化繊の服などが間に合わなかったけど、かなり爽やかな天気だったので綿を着せていった。暑い時期や寒い時期など様に、速乾性保温性のウェアを買い直さないといけない。ユニクロなどで良いだろうと思う。下はジャージがあればベストだが保育園児なのでまだ持っていない。

ザック

  • ためしに1人1つザックというかリュックを持ってもらった。それによって歩きにくそう、ということはなかった。
  • 長女は、ずっと通してじゃないけど荷物もそこそこ持って歩いた。次回からは脱ぎ着するような自分の上着、飲み物などかなり持ってもらおう。なんか要求されるたびに取り出すのがめんどくさくて、親のリュックも後半ごっちゃごっちゃだった。
  • 「水~」ってうるさいので、水は小さくても一人に1つあったほうが良い。特に長女は喉の渇きにうるさいのでハイドレーションにしてあげたいくらいだ。
  • 晴天で短時間だしロープウェイもあったので雨具もヘッドランプもたいした防寒着も持っていかなかったが、それでも28Lと18Lの親のザックはいっぱいになってしまった。これらをきちんと持ったら日帰りでも足りないだろう。加えて、子供二人のザックをどのタイミングでどのサイズの登山用に書い直すかなど、判断が難しいなと思った。家がザックだらけになってしまいそうだ。

その他の持ち物

  • ふたりともやたら杖を欲しがった。トレッキングポールを持っていけばよかった。
  • 木の杖を握ったり、岩に手をついたり、寒くなってきたとき様に子供軍手を日常装備にした方がよいと思った。

行程と登山中の様子

お昼の12時ちょうどに登り始めた。登りのコースタイムは60分、距離は2300m。 階段から始まった”瞑想の小径”と名付けられた登山道は、すぐに石の段やらチャートの岩盤が露出する道になった。子ども達は手を繋いで歩きたがる、いや、保育園でそうしているのでお散歩の時は2人づつ手を繋いで歩くものだと思っているので、ちょっとあるき辛い。そしてカエデちゃんは、車道の横を歩くのと同じように、「崖から落ちたら危ないからね」、と言って私を山側にして歩いてくれる。山側に寄ったり、谷川に移動したり、ちょこまかちょこまか歩く。うーん、こんな歩き方していたらいくら体力があったって長くは持たないだろう、と思う。
「もしママが崖からコロリンと落っこちたら、カエデちゃん綱引きのロープを借りてきて助けてあげるからね」カエデちゃんが言う。カエデちゃんと架空の話をいろいろしながら歩くのは楽しい。しかしテンションが高すぎて、ペース配分なんてことは望めなさそうだ。

20分位歩くと、旧伊奈波神社跡というところに付き、そこには小さな岩の塊が出ていた。他に来ていた子ども達も含め、順番で登っていた。

旧伊奈波神社跡2

登山靴であることが登りやすいのかどうなのかわからなかったが、器用に登っていた。そしてそこには1本の柿の木があり、実が一つ落ちていた。もう半分はぐちゃぐちゃで鳥がつついた穴も一つあったけど、「カエデちゃんフルーツ見つけた」と言ってカエデちゃんは拾いに行った。「もうベタベタだよ」というと、柿の葉をたくさん拾って、柿の葉に包んで持ち帰ってきた。一時的に遊んで包んでいるだけかと思ったけど、どうやら「食料として入手した、家に持ち帰るつもりである」というような意志が感じられたので私はしばらくそれを手で持って歩くことになった。

柿の葉

そのうち捨てようと思っていたけど、やっぱり持って帰りたいみたいだったので結局ザックに入れて持ち帰った。家で食べてみたらやはり少し渋かった。

20分しか歩いていないのに15分ほど休憩して歩きだすと、道にはかなりの木の根が張り出していた。解説によると、岩盤が硬いので根を地中に張ることが出来ずに表面を張っているらしい。

金華山 登山道の様子

岩もなかなか大きくて、カエデちゃんはしょっちゅう4本足で歩いていた。う~ん、これは疲れるに違いない、と思った。

そして案の定、歩きだして1時間20分が過ぎた頃から「休憩~」が多くなった。登山道にドカンとお尻を付くので、そのたびに人が歩くので道は避けて座るんだよ、と教える。カエデちゃんは疲れてはいるが、”眠くて何を言っても聞く耳を持たない”というレベルのグダグダさではなさそうだ。静かに座って、転がっている石を触ったりして休んでいる。そうだろうな、疲れるだろうねと思いながらも、長く歩くって難しそうだなと考えた。当初夏に計画していた上高地から涸沢までを3日間掛けて往復するという計画、もしも天気が良かったら出来ていただろうか、と想像する。4日あって下山も横尾で一泊できたら可能かもしれないなとも思う。

休憩するカエデちゃん

北の長良川側がひらけたビューポイントからは、どんぐりの林の奥に、まるで合成写真のように町並みが見える。こんなに気軽に、こんな景色が見れるところに来れるなんて。なかなか無いんじゃないだろうか。少なからず私の生活の中では、無かったな。6歳のさくちゃんは余裕なようで、先に行って待っていた。見ていると全てが余裕そうである。
子ども達は、普段だったら目の高さには無い木に付いたままのどんぐりを楽しんでいた。

金華山からの眺め

14時15分。歩きはじめて2時間15分が過ぎたころ、天守閣に到着した。急に人が増えた。周辺は高い木に囲まれ、視界が開けているのは一部だけだ。どうやら山頂には行けないらしく、頂上であることは確かなんだけど、建物があることや道が舗装されていることも原因で山の山頂感はゼロだ。高尾山みたいに茶屋的なものがあって山菜そばとかあるのかな~と期待してお腹を減らせてきたけど、無かったのでとりあえずお湯を沸かしてラーメンを食べることにした。

フィリピンでも活躍したカップうどん。今回も大人気で1人2つづつ食べた。

登山で活躍 カップうどん
登山で活躍 カップうどん2

岐阜城からの景色はとても良い。

その後、リス村を見学し、16時に下山開始。

金華山、岐阜城のリス

下山は”七曲り”と名付けられたコースを行くことにした。コースタイム60分、距離1900m。 こちらのコースは上りに使ったのとは全然違って、広くなだらかで舗装されていたり階段が設けられている道だった。カエデちゃんは走っていってしまった。足が安定しているのはやはり登山靴のおかげだと思われる。

金華山の七曲りコース

しばらくしたら「(これ以上歩くためには)杖がほしい」とごねだした。どうやらさくちゃんが見つけて使っていた杖を横取りした上に折ってしまったらしく、さくちゃんもゴネている。あんなに丈夫で良い杖はなかなかない、とか言って。カエデちゃんももはや”良い杖を入手することしか頭にない”という感じでとりつかれている。

杖が欲しいとゴネるカエデちゃん

置いてけぼりにしてみたり、楽しい話をしてみたりして前に誘いながら下山口に着いたのは17時だった。12時に歩き始めてから、昼食や観光を入れて5時間。そのうち歩いたのは3時間位だけど、はじめてのトレッキングシューズお試しだけが目的だったにしては、予想以上に楽しめてよかった。カエデちゃんはずっと背負われているのと歩くのと、どっちが楽しかっただろうか。もちろん疲れた後半には「乗っていたほうが良い」と答えそうだけど、仮に背負われていても気になる葉っぱや棒や樹の実やきのこを見つけては「下ろして!」ってしょっちゅう言っていただろうな、とも思う。そういう意味でも、まぁちょうど良いあるきはじめのタイミングだったかなと思う。

長良川の鵜飼い

その後、長良川の鵜飼いを見た。いずれも歩いていける距離で、ロープウェイ乗り場のふもとの公園は広々と整備されていて、抹茶や五平餅の茶屋があった。もっと遊びたいくらい良いところだった。

その他行動について気づいたこと

  • 3歳の子に段差のある山は難しい。ふざけてあえてムダな段を登ろうとするし、小さい段を見つけるのも難しい道だった。コースタイム登り1時間で気温も最適だったが、それでも7割位登ったところから休憩が多くなりダレだした。結果、登りの行動時間だけで2時間以上経った。もっと早く出れば気持ちも余裕ができたかもしれないが、あんまりこまめに座られるとこちらもだんだん疲れてきた。傾斜が少なくなだらかなコースを選ぶと登山を嫌いにならずに、もうちょっと長いコースタイムの道を選べるかもしれない。
  • チャートはけっこう固く、ザレているし、とんがっているため、大きくころんだ時にケガとかはちょっと危ないと思った。短いハイキングでも、絆創膏やファーストエイドが必要。靴ずれのためにも。
  • ”登山道のじゃまになるところには座ってはいけない”、”歩いている時に向こうから人が歩いてきたら道を避けよう”、”どんなに小さな小石でも投げては行けない(下方に行くと危険)”、”手に持たないで拾ったどんぐりなどはポケットに入れて手を空けよう”、などのマナーは言えばわかるようで、ストレスはなかった。
  • やはり低山は涼しい季節に限る、とおもった。炎天下で蒸していたら、同じように歩けなかっただろうと思う。