初心者のための登山とキャンプ入門

購入かレンタルか? 登山用ベビーキャリーのレビュー

ベビーキャリーで子供を背負って登山

子連れ登山用のベビーキャリー。高価ということもあり、購入前はすごく悩みどころだと思います。 「買ったところで実際に背負って歩けるのだろうか」、「一体いつまで使えるのだろうか」、「歩けるようになってから山に行けば良いんじゃないだろうか」、「保管にも場所を取るんじゃないか」 などなど。ベビーキャリーを卒業した今、一体何回使えたのだろうかと計算してみた結果、 「レンタルで良かったのでは?」 という悲しい結果になりました。

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ベビーキャリー購入のわけ

雪山登山でベビーキャリー

我が家で購入したものはドイツのメーカー、ドイターというブランドのキッドコンフォートⅡです。

買おうと思った理由は、知人から譲ってもらって使った簡易的なベビーキャリーを使用した時との大きな差でした。一つは、背負いごこちです。簡易的なタイプは、背中のパッドやウェストベルトが十分に無く、重さがダイレクトに肩に食い込む感じでした。そして乗る子供の点では、寝てしまった時に顔がフレームにガンガン当たることや、日差しを遮るものが無いことなどが課題でした。

しかしドイターのキッドコンフォートは、背中のパッドはソフトかつガッチリ。子供のアゴが当たる部分のクッションがあるパッドや日除け、レインカバーなどがフルで装備され、パーフェクトな機能。それは、不要となった今でも思っています。素晴らしい製品です。

”不要”となった時期と理由

妹(下の子)が、3歳6ヶ月(年少)になった今、体重は16kgになりました。キッドコンフォートⅡは耐荷重22kgであり、乗ろうと思えばまだ乗れます。そもそも、「22kgならかなり長く使えるね」という事で購入しました。しかしこれは、「22kgの子供を乗せる」というよりかは、キッドコンフォートはそれだけ作りも良いので製品的には十分耐えられるね、という感覚で捉えたほうが良いかもしれません。または子供を乗せたうえで、更に座面の下の収納スペースにある程度荷物を入れる前提です。だって22kgの子供ってめちゃくちゃ大きいです。

実は、これを書いている今はアウトドアシーズンも始まろうとしている4月。
春、夏、秋とまさにこれからが使える季節なのですが、「今年使うだろうか?」 と考えた時、答えはほとんどNOなのです。

乗れるけど、歩けばいい

一番の理由は、「もう歩いて欲しい、歩けるところで楽しめばいい」と思ったことです。姉(上の子)も、3歳ピッタリで四国の剱山を登りました。リフトからの往復なので2時間のコースタイムです。そしてそれ以降は自分の足で歩いています。姉は、妹が産まれたから自分で歩くしかなかっただけで、ちょうどこの頃に妹は首も座ったので出かけるにはちょうどよく、気候も良かったことからハイキングに出かけ始めたのです。

そうであるなら単純に、もうそろそろ3歳半になった妹も歩けばいいのでは、ということになります。また、なんだかそれのほうが想像すると楽しそうな気がします。

やはり重い

子供が16kgなら背負えると言っても、ひとりの大人が子供を担ぐだけだと、残りの大人がメンバー全員分の荷物を背負わないといけなくなります。4人分のレインウェアや水分、食料だけでも、かなり重い。それに、子供はスタスタ歩きません。しゃがんで石を拾ったり花を眺めて立ち止まったりしながら歩く子(姉)を待っている間、子供(妹)を背負って待ちぼうけをくらうだんなは、登山を楽しんでいるというよりは、「頼むからさっさと歩いてくれ~」というふうでした。

キッドコンフォートⅡからはみ出る14kgの子供

この写真の子供は14kgです。はみ出ちゃってるので、おそらく座面をもう少しだけ下に調節すれば良かったのだと思いますが、それでも、こんな感じのサイズ感です。

作りがしっかりしているキッドコンフォートⅡの本体は3kg弱。この手のベビーキャリーはだいたいこれくらいの重量があります。なので、荷物入れに何も入れなくても、16kgの子供を背負えば、最低でも19kg、衣類や靴を含めると20kg弱という具合なのです。

保管場所をとる

フレームがしっかりしているこの製品は、足を畳んでもかなりの場所を取ります。今後使うか使わないか不明なら、早くなんとか処分したい、という気持ちが急かされることは、残念ですが事実です。

レンタルがおすすめ!

年に数回しか使わずに自宅保管で場所を取ってしまうキャンプ用品や登山用品ですが、最近ではレンタルするという方法も流行りです。すぐにサイズアウトしてしまう子供グッズはまさにレンタル向きだと思います。

こちらの会社では、もちろんキッドコンフォートⅡも取り扱っています。料金は、1泊2日で3,980円(2016.4月現在)。取り扱い商品は、アウトドアギアにこだわりのある人も納得できる一流ブランドのみであることと、メンテナンスが素晴らしいのでお気に入りのショップです。
クリーニングや撥水加工もクオリティが高いので子供に使うものでも安心です。

ドイター キッドコンフォートⅡ

ところで、このレンタル料金、高いと思うでしょうか?

実は、我が家での使用回数を恐る恐る計算してみたら、なんと、「レンタルでよかったじゃん」という結果となってしまいました。
うちは登山ファミリーと周りからは思われ、「いつもアクティブだね」と言われるような家族なのですが、それでもです。

一回あたり、3,333円

購入して手放すまでに使った回数は、姉妹合わせて9回。購入は、本体・レインカバー・サンルーフ&サンルーフカバーを合わせてちょうど3万円くらいでした。9回で割ると、登山一回あたり3,333円という計算になるわけです。店舗で確認してネット購入で金額を抑えましたが、現行モデルではネット販売でも3万5千円以上するショップも多くみられます。そうなってくると、ほぼレンタルとおなじ料金になってしまいます。

先が読めないからこそ、レンタルを。

実は、購入前はもっとたくさん使うだろうと予想していました。というよりも、正直言えば登山用品のレンタルということも思いつきませんでしたし、子連れ登山用のこの様なグッズがレンタルされていることなんて、知りませんでした。もし知っていたら、「1回使って試してみる」という選択をしただろうと思います。

というのは先に述べたように、実際に背負って歩けるのか、旦那さんが背負った時に奥さんがその他の荷物を全部担げるのか、などはやってみないと感覚が掴めないと思うのです。そして試してみた結果、「買わなくても、たまにやればいいか」、「旅行の時だけレンタルすればいいか」という答えは、かなりの割合で出てくると思うのです。

また逆に、購入を迷っている内に機会を逃すことも残念に思います。子供は急には大きくなりませんが、日本には四季があります。「春、夏、秋と、冬以外なら登れるのでは」、と思うところですが、真夏は暑すぎて小さすぎる子供にはかなり大変です。レインカバーが付いていますが、雨が降ってしまうかどうか怪しい天気の日も止めるべきだと思います。大人が一人で歩いていたって、雨の日の登山は転倒の危険がある上に、休憩時にも濡れないように冷えないようにと自分のことだけで必至です。小さな子供を面倒見ることはオーバーワークとなり、事故の元になるでしょう。
そんなふうに考えていくと、意外とチャンスは少ないのです。なので「登りたい!」と思った時は、パッとレンタルしてためしてみるのが良いと思います。

回数が稼げなかった理由

実際に我が家でたった9回しか使わなかったということは、とても意外な結果でした。子供が2人順番に使うんだからもっと使えるだろうと思っていたのです。

使用回数が稼げなかった理由の一つは、下の子を産むまでの間の妊娠期・出産があったことが大きいです。妊娠したら最低でも1年数ヶ月は山には行きませんし、次に産まれた赤ちゃんを背負って簡単なハイキングに行けるのは、やはり赤ちゃんが6ヶ月以上になってからではないかと思います。
そして、「やっと山に連れていける」となった時の季節も大きく左右します。いくら厚着をさせていても、座りっぱなしだったりそのまま寝てしまう赤ちゃんが冷えてしまうことに気を配らないといけません。11月から3月くらいの寒い時期は、改めて数えてみれば5ヶ月間。なんと一年の半分近くあります。暖かい日を選べば行けないことはないですが、防寒の荷物なども多くなってちょっとめんどうです。

さらに誤算だったのは、下の子が産まれるまでは、親の体力さえあれば夏山登山なども普通に出来たので、御在所岳や八ヶ岳の岩場やガレバも歩けて、それなりにリフレッシュできて充実していたのです。

キッドコンフォートを背負って御在所岳を登る

しかし、姉を歩かせて妹を担いで、というスタイルになってしまうと、出来ることはかなり限られてしまいました。まずは、必ず日帰りになってしまうこと。山で泊まることはとても楽しいのですが、他の登山客の迷惑になってしまうため、テントや山小屋に泊まることは出来ません。せめて、1日目に2時間歩いて山中で宿泊、2日目に2時間歩いて下山、というぐらいで夜は煌めく星を眺めたりして山での滞在をのんびり楽しめたらそれだけで楽しいと思うのですが、なかなか難しいですね。

それに、小さい子供はそんなに長く歩けないし、何かトラブルが発生した時の事を考えると、コースタイムも数時間と限られてしまいます。また通常のハイキンググッズに加え、おむつ、離乳食、日焼け止め、おやつと、持参するものはとても多くなります。その上、歩くペースも読めないし、ダラダラ歩きでは冬は凍えるし夏は低山も極暑だし・・・。と、なんだかんだと理由があって、 「よし!行くぞ!!」って気合を入れないと出かけられない状態でした。実際に、姉が下山中に寝てしまい帰りのバスの時間にギリギリになってしまって焦ったことがありました。

登山中に眠ってしまった子供たち

今思い出して写真を見ると、どれも楽しい思い出で「行ってよかったな」と思います。しかし渦中にいる時は、登山中だけでなく準備も片付けも手間が掛かるので、おっくうになりがちだったことは否めません。

実録、使用年齢と回数

これは、我が家のパターンでの使用回数です。「いったい何回使えるのかな?」と思った時に、ぜひご参考になればと思います。
表の年齢は、ベビーキャリーに乗った子供の当時の年齢です。妹が乗るようになってからは、姉は歩きです。

   
1回目 1.4歳 - 夏山登山
2回目 1.4歳 - 夏山登山
3回目 1.7歳 -   秋ハイク
4回目 1.9歳 - スノーシュー
5回目 - 0.6歳 夏ハイク
6回目 - 0.9歳 夏ハイク
7回目 - 0.9歳 夏ハイク
8回目 - 1.1歳 秋ハイク
9回目 -  2.9歳 夏ハイク

・使用期間:2011年9月~2014年8月(約3年間)

30,000円÷9回=登山1回あたり 3,333円。一年間1万円。
残念ながら、この結果ならどう考えてもレンタルが良かったはずです。

機会を大切に

以前、子ども達が喜ぶだろうと、キャンプ場で魚のつかみ取りをやらせたことがありました。親戚の子ども達みんなで行ったのですが、驚いたことに半分の子は嫌がって川にも入りませんでした。子供は何を喜ぶのか、その反応は親の想定外なところがありますね。逆に、子供が喜んだとしても親の体力や気力がついていくか等々、すべては一度やってみないとわからないことだったりします。なので、ちょっと気になったら悩むよりも気軽に、手軽に、試してみるのがおすすめです。キャンプや車中泊なども、子供が喜んで親に付き合ってくれるのは小学校高学年までという声もあります。「いいな」と思ったその機会を逃さずに、楽しんで頂けたらと思います。
転勤族で荷物を増やせない我が家も今後は大いにレンタルを利用して、今後は自分では買えないような最新のグッズを使った贅沢なキャンプをやってみようかな、などと企画しています。