コロナ渦中の成田空港からLCCで北海道へ
北海道旭川・移住の記録 #2
2020年6月3日(水)。昨日引っ越しの搬出が終わり、ついに東京から北海道の旭川へ向け出発。
コロナで人のいない成田空港の第3ターミナルからジェットスターで新千歳空港 → JRで札幌 → バスで旭川、というお決まりの安いが一日が潰れる工程で移動。
昨年契約をしてから約8ヶ月、ついに森の家へ。
コロナ渦中の成田第2ターミナル
地元の駅からリムジンバスに乗り成田空港へ。
ジェットスターで新千歳空港に行くので本来は第3ターミナルで降りるべきだが、トンカツ屋が第2ターミナルで営業中ということだったし、第3ターミナルには人が多いと予想できたので、第2ターミナルで降りて昼飯を食べることにした。
国際線が発着する第2ターミナルは人っ子一人いなかった。いや、いるけど全員ターミナルで働く従業員で、僕の様に荷物を背負って歩いている旅行客などいない。がらんとしてひどく寂しい風景だった。歩く足音も良く聞こえる。
お目当てのトンカツ屋は狭く隣の客とも距離が近かったので、喫茶店の様なレストランの様な店を選んだ。
トンカツを食べたいモードに入っていたのでトンカツを注文したけれど、高い割に全く美味しくなくて驚いた。ファミレスぐらいのクオリティはあると期待していたけれど。
第3ターミナルには予想通り結構な数の人がいた。いつもの平日よりちょっと少ないかなと言うくらいだ。
隣家への挨拶に持っていく東京バナナを探していたが、お土産屋はどこも営業していなかった。それは第2ターミナルでも同じだった。
ソーシャルディスタンス、ということで、飛行機の3人掛けの真ん中の椅子は全て空席にされていて最高だった。
新千歳空港からはJRで札幌へ。札幌駅や駅ビルにはたくさんの人がいたが、みなマスクをしていた。
バスがタイミングよく来たので旭川行きのバスに乗る。チケットは乗車前に券売機で買う。バスに乗り込み運転手にチケットを渡そうとすると「後で渡して!」となぜか怒られた。まあはっきりと何を言われたかはわからない。マスク + ビニールで聞き取りづらいのだ。でもそんな感じだった。乗客は3人。
旭川のイオンの前でバスを降りる。日は落ち、空は暗い青色、空気が涼しい。イオンでご飯を買おうと歩いていると、姉と姪二人がお迎えに来てくれていた。サプライズだ。とても嬉しい。
イオンで今夜のできあいの夜ご飯、明日の朝ごはんを買うと、我々は姉の車に乗り購入した自宅へ。
気がかりだった、ヤフオクのペルシャ絨毯
とうとうきた。去年の11月に購入して以来、約7ヶ月ぶりだ。真っ暗でなんも見えないけれど、虫の鳴き声だけはすさまじい。森の素敵な匂いが鼻の奥に入ってくる。そして涼しい。下界と空気が違う。山の中の空気だ。
ドアを開けると室内に溜まった木の香りとしけた香りが混ざったものが一気に押し寄せてきて、嬉しい気持ちになる。利用者の少ない山小屋とか避難小屋に到着した気分だ。若い頃、河口湖のコテージにみんなで泊まりに行った、みたいな楽しい気持ちが蘇った。
引っ越しの荷物が届いていないので物はほとんどないけれど、家の契約時にリサイクルショップで購入したソファーがある。
それとネットで購入して姉の家に送り届けていたペルシャ絨毯と掃除機。これらは姉がすでに運び入れてくれていた。
ペルシャ絨毯はヤフオクで送料込みで8万5000円ほどしたもので、買うまでは欲しくて欲しくてたまらなかったが、買ったらすぐにどうでもよくなってしまって、むしろずっと後悔していたものだった。
しかも、姉が先に絨毯を開封していたのだけれど「絨毯はどう?」と姉に尋ねても「いいお品ですよ」と、彼女からは謎の返答しかなく、それが僕を不安にさせたのだった。
なので僕は絨毯を見てがっかりするのが嫌で広げる勇気はなかったが、広げてみる?みたいなノリになったのでそうした。
思ったよりも良かったというか、イメージ通りのお品だった。まあいいんじゃない、って思った。5、6万くらいが適正価格の様な気もするが、オークションではそうもいかない。
絨毯を敷く前には姪が掃除機をかけてくれた。
その後は絨毯の上でご飯やお菓子を食べたりして移住後のひとときを楽しんだ。そして9時頃になると、姉と姪二人は帰っていった。
一人だけになると恐ろしく静かだ。季節外れの山小屋だ。耳がキーンと言っている。
これまでの人生、車の走行音やアイドリングがうるさい環境の中で過ごしてきたので、一気に違う世界に来て体が慣れない。静寂に全然、慣れない。ラインモバイルで月々500メガしか使えないので、ユーチューブとか見たりもできない。MP3も入っていない。
「とても静かだ」。静かすぎて、独り言でそれを打ち破る。
トイレやシャワーは姉が手配して数日前に工事が終わっていたので問題なく使えた。家購入当初はDIYで自分でやる意気込みだったが挫けた。姉はトイレットペーパーやタオルなどの備品も用意してくれていた。
長い移動で体がベタベタだったので熱いシャワーを浴びた。新品のシャワー、新品の水道管を通ってきた旭川の水が新品のボイラーに通り熱いお湯となって出てきた。
灯油のボイラーを使った経験がなくて不安だったが、熱く、十分な量のシャワーだった。団地より遥かにいい。
風呂を出るとソファーで寝転ぶ。毛布やタオルケットも姉が用意してくれていた。手ぶらで来ても困らない様になっている。
近くに兄弟が住んでいるというのは大変ありがたいことだ。
そして寝れたのか寝れなかったのかわかんない感じで、寝た。