初心者のための登山とキャンプ入門

エゾリスと急接近した日

まだまだたくさんあるオニグルミのクルミ
まだまだたくさんあるオニグルミのクルミ

北海道旭川・移住の記録 #27

2020年6月28日(日)。朝は寒かったので前の住人が置いて行った煙突ストーブを試すも失敗。その上灯油がこぼれて臭くなり部屋にいられなくなった。寒い中外のベンチで座っていると、エゾリスがやってきて目の前のクルミを持っていった。リスと僕との距離は最短で1メートルほどだった。

リスが目の前のクルミを持っていく

ミントと間違えてオレガノオイル作成中

※下記の「ミント」は誤りで、正しくは「オレガノ」です。オレガノをミントと間違っていたのです。

朝は5時前に起きる。今日も結構な雨が降っている。リスはクルミをまだ持っていっていない。

特にやることもなかったので、姉が昨日置いていったトゥデイ・ウェハースなるものを朝食に食べ、そして昨日から机の上で乾燥させていたミントを瓶にいれオイルを入れる。
ボディマッサージ用のオイルだったがまあいいだろうということで入れたけれど、あまりにも量が少なくて、ミントがそのオイルを吸っただけで終わった。オイルと、それとリードと呼ばれる棒を買ってこなければならない。無印に売っているだろうか。

速攻でやることがなくなったので、次は恒例のストーブが機能するかのチェックをしてみる。
しかし本日は他のストーブの確認。この家には煙突ストーブが2台捨て置かれていて、まだ試していない方のチェックをするのだ。
それは今までのものより一回り大きくて重い。スキー場のホテルのラウンジにでもありそうなイメージだ。
一人では持ち運べないので床を引きずって運んだ。

灯油ホースを現在のものから外し、その巨大なストーブに接続。ホースのバルブをひねって灯油をストーブへ送る。そしてその瞬間、大量の灯油がホースと灯油の接続部分から漏れ出す。
何も考えていなかったが、ストーブAとストーブBのホースのコネクタの形状が違うのである。もちろんしっかりと閉じないのでそこから灯油が漏れ出した。

あわててバルブをひねって送油を止め、ストーブの台に溜まった灯油を拭く。灯油の匂いが部屋に充満して窓を開ける。とても寒い。
部屋が気持ち悪くなるくらい臭くなったので外にでる。認めたくなかったが。吐く息が白い。夏に向け日々寒くなっていく。隣の最新鋭の家はさぞかし暖かろう、と恨めしそうに見上げる。

壊れた煙突ストーブ2台
使えない煙突ストーブが2台

ぼーっとしているとリスがぴょんぴょんと左手からやってきた。僕との距離は2メートルくらいである。僕の存在に気づくと思いきや、さらに接近して僕の目の前の柵に登ると、玄関ポーチの屋根を支える柱を素早く登り、梁の上を移動し、反対側の柱を爪を引っ掛けながら少しずつ丁寧に降りた。
その後柵の上をぴょんぴょんと移動してクルミの場所へ。クルミを両手で持つと手のひらで数回回転させ、口にパクっと咥える。そして、リスは僕の自転車を利用して下に降りると走り、適当な場所にそれを埋めていた。

リスは僕の存在に気づいていないのだろうか。それとも無害なものと認識しているのだろうか。たぶん前者だろう。なぜならリスと僕との関係はそこまで親密ではなかったはずだ。

なので僕は、リスが接近していた時とても恐怖を感じていた。一番近くて1メートルくらい僕に接近していて、今にも僕を木と間違えて飛んできそうな雰囲気を出していた。
僕は一昨日中古で購入した、パタゴニアのシンチラフリースを着ているのだ。10年は大事にして着ていきたいと思っている宝物だ。爪が引っかかるのは嫌なのだ。なのでリスが近くにいる時は鳥肌がずっと立っていた。
よし、明日からはクルミを一個減らそう。

リスとの距離が縮まる

さすがにここに置いたクルミは持っていかないようだ
さすがにここに置いたクルミは持っていかないようだ

少しの間雨が止んだので、僕は自宅の周りを散策した。ここで暮らしている一つ一つの樹木の状態を確認する。これが日々の楽しみだ。
なんだか紫陽花が咲きそうな雰囲気だったり、イチゴが一斉に赤い実をつけていたり、ウドがあっという間に大きくなっていたり、移植した小さな木が完全に枯れていたり、途中で折れた木ががんばっていたり。
樹木の成長は遅いと思っていたけれど、以外に早い。そしてまたリスを発見した。

昨日もそうだが、最近リスは家の裏側ではなく表側にもしょっちゅう居る。同じリスかはわからない。白樺を登ったり降りたり、ハチトラップをガシガシと爪で攻撃したり何やらしている。
あんまりリスを脅かしても可愛そうだと思い家の中に入る。その道すがら、クルミを一粒、なんとなく柵の上に置いてみる。

リビングの窓際に置いたウォルナットの椅子に座り雨の森を眺める。するとさっきのリスが警戒をしながらア家に近づくと柵の上に登る。そしてクルミを回して口にカポッと咥えてどこかに走り去っていった。

やはり、リスは僕の存在を認識していて、僕が家の中に入った瞬間を見計らいやってきた。なんなのだろうか。警戒するリスとそうでないリスの2匹いるのだろうか。ぜんぜんわからない。

家の中が灯油臭いので、仕方なく外のベンチに座って森を眺める。こんな風に時間をつぶすくらいなら雨の中を草刈りした方が良いと思い行動を開始。

今日は一つの木の周りに生える笹の根の除去だ。
木の根の周りに生えた笹が一番やっかいだ。その木の根の上も下も通るから、間違えて木の根を切ってしまうことがある。しかもこの様な場所に限って笹の根が密集している。東京の地下鉄みたいに、笹が何層にもなって地中を東西南北に走っている。

単純に重なっているだけならいいけど、それが編み物みたいに互い違いになっていたりするから、一つの根を見つけても引っこ抜くことは難しい。地中で織られている状態だ。 そしてそれが木の根っこも交えて絡まっている。木の根っこがある場合、笹はその下を通りたがるので、笹の根までの距離が深くなる。

木の根を傷つけない様に丁寧にやりたいから作業は全然進まない。入り組んだ大事な血管を傷つけないようにしつつ悪いところだけを取り除く手術、みたいな作業だった。

対した成果もあがらないまま雨脚が強くなり退却。ストーブも使えない、笹刈も進まない。不完全燃焼で気だるくてソファーでうたた寝。
起きてもだるいので、昼飯は黒豆せんべいと柿ピーとサラミとコーンスープ。
するとアマゾンから、一昨日注文したナタが届いた。雨の降る森の中を小走りでヤマトのお兄さんは荷物を持ってきてくれる。宅急便屋はサンタクロースみたいだから、来るといつも嬉しい。

15時。何かが屋根の上を歩いている。99%リスだ。僕との距離がさらに縮まってきている。

16時。外に出ると目の前の柱にリスを発見。リスは特別に驚いて逃げ出すわけでもなく、おっ、とした様な顔をしただけで、そして柱をぴゅーと登り梁をピューと渡り、反対の柱をぴゅーと下りる。「コ」を縦にした様なルートを使っている。そして人が使う道を走り駐車場の方へ駆けて行った。

リスと僕との距離が急接近だ。今後どうなってしまうのだろうか。日に何度もクルミをタカリに来そうで怖い。