初心者のための登山とキャンプ入門

匠工芸のワークショップで木製ハンガーを作る

匠工芸のワークショップ作ったウォルナットとナラのハンガー
ナラとウォルナットの木製ハンガー

北海道旭川・移住の記録 #33

2020年7月4日(土)。6時過ぎに起きる。今朝も野良仕事はしない。早朝に体を動かさないと調子が出ないのでやりたいが、もうしばしば休息が必要と考える。

東神楽町にある匠工芸のワークショップに行く。匠工芸は先日ウォルナットの椅子を購入した家具のメーカーで、定期的にワークショップを開催している。今回はハンガーづくり。と言ってももうすでにハンガーの型はできているので、やることは仕上げ部分。紙やすりで表面を整えオイルで仕上げるだけの作業だ。

作業時間は1時間ほどで料金は税込み2,200円。やや高めな気もするが、完成したウォルナットのハンガーとナラのハンガーをもらえるので安いとは感じない。普通に売っていたらかなり高いと思うが、自分が仕上げのクオリティをどこまであげられるかで決まるのであろう。

匠工芸は旭川市に隣接した東神楽町にある。グーグルによると、家から片道45分ほどの長い道のりである。何が嫌かと言うとナビもなくスマホも使えないことだ。地図は買ったけれど、東神楽町となると拡大版の地図になるので精彩を欠く。
なので運転中は常に集中しなければならなかった。拡大版の地図には主要な信号の記載しかないのであまり役には立たず、前回匠工芸に行ったわずかな記憶と道の形を頼りに運転した。この道はしばらく走ると道がカクっとなる、みたいな。

しかし何事もなく無事にたどり着いた。
前回も思ったけれど、匠工芸のある場所は素敵なところだ。個人的に富良野とか、そういうイメージに近い。畑がぶわーっと広がり空も広い。匠工芸の敷地も庭が管理されていて、きれいで、気持ちがいい。

匠工芸

ワークショップに参加している人数は7、8名だった。家族、カップル、友人同士。やはりみなペアで参加し、一人で参加している者は僕一人であった。

作業はの流れは、まず担当の方がおおまかな作業の流れを説明し、その後ハンガーを二つ選ぶ。僕はナラとウォルナットを選んだ。
次に職人さんがそのハンガーの面取りをしてくれる。1.5、3、5 という3種類のアールから選ぶことができ、僕は真ん中の3を選んだ。1.5はかなりシャープで5はとてもなだらかなアールになる。多くの人が3を選んでいた。

用意されていた紙やすりは確か、120、180、240だったろうか。その3つで仕上げていく。
が、時間が全然足りない。ナラのハンガーの先端部分を整えるのに時間を使いすぎ、あっという間に時間がなくなった。別に誰かに急かされているわけではないけれど、どう考えても自分の作業が一番遅いのがわかる。みんなちゃっちゃか先に進んでいるけど僕だけは先端を整え続けている。

そんなわけで、ウォルナットはやっつけ作業になってしまった。クオリティが低くて悔しい。いつも居残っていた中学生の美術の時間を思い出す。

「さくらとででのへや」でパスタを食べる姪
時間を費やして整えたハンガーの先端部分。ナラ

汗だくだ。その後木の粉をブロワーで飛ばし、匠工芸のスタンプを押し、フックを着ける。
そして最後にオイルで仕上げる。オスモかリボスか判別がつかなかったけれど、匂いはオスモを感じた。オスモのノーマルでもエキストラでもないけれど、なんとなく、1対3くらいで割った様な粘度のオイルと感じた。シャバシャバで塗りやすいが、エキストラほどではない。
それを塗ったら拭き取って、ハンガーづくりは終了。

ハンガーを乾燥させている間、工場見学をさせてもらった。広い工場内を案内してもらい、そこでの作業や機器の説明をして頂いた。この日は工場は休みで静かだったが、稼働している状況はどんなだろうと思った。皆が家具を作っている様子を一日見学し、勉強したいものだ。

匠工芸のワークショップで作ったウォルナットのハンガー
ウォルナット

あわよくば余った端材を売ってくれ、みたいな事を言いたかったけれど、匠工芸はすごくちゃんとした大手の会社なのでそんなことを言える隙は見つけられなかった。もうちょっと小さな工房っぽいところだと、使わない材料を売っていたりもするけれど。
また家具の塗料や仕上げのやり方など担当者に聞きたいことが山ほどあったのだけど、あまり聞きすぎるとスパイだと思われそうなのである程度のところでやめておいた。

今回学んだことは、普段が自分が適当に購入している紙やすりよりも、匠工芸の紙やすりは全然もちがいいこと。ウレタンのサンディングブロックが非常に使いやすく手に馴染みやすかったこと。 ウレタンの正方形の作業台が滑りにくく作業しやすかったこと、など。

シンプルな作業ではあったけれど、学ぶべきことはたくさんあった。しかしこんなに熱心なのは自分だけで周りと温度差もあり、また匠工芸も家具作りを学ぶみたいなテーマではやっていないので、次回にワークショップがあっても参加しないと思う。
オイルを使い、メンテナンスをしながら家具を大事に使っていく。そういった事を学びたい、体験したい人にはとてもおすすめである。