自転車旅行10日目:長野県 和田宿から下諏訪宿へ
今は17日で、16日の、昨日の事を思い出しながら書く。
朝は6時過ぎに起きて、峠越えのために早々に準備をした。それにしても本当に寒かった。四時から五時くらいだっただろうか。寒さで夜中に目が覚めた。地元の人間が「霜が降りる」と言っていたくらいで、どうしようもないくらい寒い朝だった。何がどうしようもないのかと言うと、本当にどうしようもなくて、寒くて眠れないし、ただ「寒い寒い」と言って耐えるだけなのである。ちなみに服装は、靴下、防寒用靴下、ジャージ×2、長袖Tシャツ、トレーナー、ジャージ、ダウン。持っている服を全て着込み、そして寝袋を頭までかぶって寝るのだが、それでも耐えられないくらい寒かった。僕はどうやら山の寒さをなめていたようだ。和田峠との長期戦に備え、朝ごはんにバナナとビスケットを簡単に食べ、出発した。
峠の入り口までは、長い長い上り坂だった。ただ長いだけならいいのだが、横を大型トラックがものすごい音をたてて抜いて行くのである。その抜かれた時に起こる風で自転車が揺さぶられ、後続車にひかれそうになるから危ない。夕ちゃんもmixiで言っていたが、みんな高速道路を使えばいいのに。この静かな和田村もトラックの排気音で夜中中うるさいのだ。ひいひい言いながら、休み休みのぼり続けた。
旧和田峠
和田峠を越すには二通りの行きかたがある。旧和田峠で行くか、新和田峠で行くかだ。旧は昔ながらの峠道で、うねうねと山を越えて行く。遠回りになるが、比較的勾配は優しいと思われる。碓氷峠のような感じだ。新のほうは山をぶち抜く感じで、まっすぐの道だが、勾配は優しくない。ただ大きな違いは、旧道の方は今の期間、昼間は大型車通行禁止なのだ。夕ちゃんは新道をお勧めしたが、僕らは旧道で行くことを決めた。
和田峠の入り口についた。ここは標高1100mだ。和田宿は820mだったので、300mくらい、朝からのぼった事になる。峠の頂上はおよそ標高1,500メートル。ここからあと400メートルほどのぼる。中山道最大の難所和田峠。新道と旧道の分かれ道を右に曲がった。
和田峠は、きつかった。早々に自転車を降りて押した。僕らではもうどうにもならない道の角度だ。自転車をこごうとすればこげるものの、すぐに力尽きてしまう。最終的には7対3くらいの割合で自転車を押した。
峠道は荒れていて、道路もところどころ亀裂が入っている。たまになぜか大きいトラックが走って行く。下を見ればごみがたくさん落ちている。標高が高いせいか、山に碓氷峠のような深さがない。ひょろ長い、味気の無い木が無数に生えている。虫も少ない。風が冷たく寒い。そんなあっさりとして寂しげな山道をのぼって、のぼって、のぼっていく。
僕らの峠の上り方は、僕が先にのぼり、後から来るとみちゃんを待つという方法になっている。
とみちゃんの顔は相当険しい。あまりの辛さに、この和田峠で彼女は言い訳病に犯されつつあった・・・。僕が断ったせいで使っていない、マーボードーフに使うテンメンジャンが重いらしい。お酢が重いらしい。僕のためにある洗顔フォームが重いらしい。 とにかく僕が悪い様なのである。文句を言われたがかなり面白かった。しかし、それくらい和田峠はきついのである。
足が痛くなり、自転車を押すのもつらくなった。それくらい上ったとき、峠の頂上らしきところについた。標高は1531mである。和田峠の頂上は特に何も無かった。寂しく、下りを告げる真っ黒なトンネルがあるだけだった。
トンネルを下り抜け、ものすごい角度の坂を下った。もう気持ちいいを通り越して、怖いくらいの坂をしばらく下り続けた。この荷物と自転車じゃ、石ころを踏んだだけで吹っ飛んでしまう。景色をみる余裕もなく、緊張しながら山を下った。
諏訪湖、下諏訪宿
山道を下り続けると、諏訪湖がある下諏訪町にたどり着く。中山道の宿場で言うと下諏訪宿。江戸から二十九番目の宿場となる。温泉地としての歴史も古く、また丸太に乗って滑り落ちる祭りでも有名な場所だ。ここを今日の寝床とした。
しかし、風がとても強くめしもまともに作れない。道の駅も無く公園しかない。しかも明日は雨だという。峠を越えてもゆっくり出来ない。ちゃんと眠れるのでしょうか、不安です。
今日とみちゃんは二つの温泉に入りました。
●毒沢鉱泉 神乃湯
●下諏訪温泉 湖畔の湯
出発地 | 現在地 | 走行距離 | 走行時間 | 総走行距離 | 朝飯 | 昼飯 | 夜飯 |
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和田宿 | 下諏訪宿 | 35k | 6時間 | 283k | バナナ | さば味噌缶 | 手作マーボードーフ |