初心者のための登山とキャンプ入門

自転車旅行18日目:上高地から岐阜県平湯温泉へ

服地温泉 長座

安房峠をパス

2007年5月24日

昨夜は寒く、夜中100回は目が覚めた。
北アルプスに入ってから、ウィルコムが全然つながらず日記がアップできない。。。

上高地に「また来るからな」とあいさつをし、小梨平キャンプ場を出た。
朝飯は相変わらず米と味噌汁だった。

いまわしき釜トンネルを抜け、高山方面に向かう。そのまま道なりにいけば高山にはつくのだが、少し寄り道をする。高山へ行く途中にはたくさんの温泉があるのだ。

釜トンネルを下ると、いきなりの難関がある。「安房峠」である。山を見上げた上の方にまでガードレールがある。旧安房峠と新安房峠とあるが、旧のほうは現在冬季通行止めとなっている。新の方は有料道路となっており自転車が通れない可能性がある。とりあえずトンネルの入り口まで行ってみた。

新安房峠の入り口には工事車が止まっており、旗を持った作業員が立ち、片側通行となっていた。どうやらトンネル内部では工事が行われているようだ。強引に行こうとすると、そのドランクドラゴンの太った方に似た作業員に静止された。それを三度ほど繰り返した。旧安房峠も通行不可能だ。。。松本に帰るしかないのか。。。「とりあえず料金所まで行かしてくれ」と聞き分けのない外国人のようにごねると、その人は「自動車専用道路ですから」と連呼し続けた。その後その作業員は無線で誰かと連絡をとった。やばい。

一台のトラックが到着した。無線を聞きかけつけて来たのである。トラックから出てきた人が言うには、「ちょっと待っていてくれませんか、もしかしたら作業車に自転車を載せて、このトンネルを抜ける事が出来るかも知れません」。何て事でしょう。こんな事があるなんて。もしかしたらこの悲惨な峠を車に乗って越す事が出来るかもしれないのだ。僕達は期待に胸を膨らまし待つことにした。

しばらくすると軽トラが到着し、僕らは車に乗せてもらえることとなった。すばやく荷物を自転車からおろし、軽トラの荷台に積み込んだ。作業員も一生懸命手伝ってくれた。

僕らを乗っけたトラックがトンネル内を追加していく。最高の気分だった。ずーっと自転車に乗っていたからわからなかったが、車は速い。良い。そして作業員のお兄ちゃんとしゃべりながら車はトンネルをスムーズに進んでいった。本当にいい人だった。乗っけてくれてえらそうでもなく、フレンドリーに話しかけてくれた。二人旅だと他人と関係を持つことは極めてすくない。久しぶりに他の人の親切さに心を打たれた。お兄さん本当にありがとうございました!おかげで四キロもある峠のトンネルを全く疲れずクリアする事が出来ました。

安房峠をクリアしたあたり

服地温泉「長座」

安房峠をあっさりクリアするとそこは平湯温泉のバスターミナルだ。そこに自転車をとめ、バスでまず新穂高温泉へと向かった。新穂高温泉へ行くには自転車で山を一個越えねばならず、温泉に行くだけなのにその行為は大変きつい。よってまたまた車に乗ったのである。

新穂高温泉には僕は入らなかったが、次に行った服地温泉には入った。とみちゃんにとって一日二度温泉に入る事など余裕らしい。服地温泉では「長座」という温泉宿に入った。この温泉宿は本当に素晴らしかった。温泉云々は僕にはわからないが、宿のもてなし、心意気、趣が本当に良い。宿泊すると一泊ウン万円もすると言うのもうなずける。湯の気持ち良さでは白骨温泉だが、満足度では断然ここだ。町並みも白骨温泉の様に観光地化していない。

まず入り口の藁で編んだのれんをくぐると、火鉢が迎え入れてくれる。寒い山を越えてきた旅人には本当にありがたい事だろう。そしてそのまままっすぐと屋根のついた道を歩く。色鮮やかな花が歓迎をしてくれる。その道の最後にはもう一度火鉢があり体を温めてくれる。
宿は昔ながらのつくりで、木目の良い木が惜しげも無く使われている。柱やはりが太く力強く落ち着きがある。品がある。文が長くなりそうだし、語彙が少ないと気づいたのでやめる。

露天風呂は最高だった。趣があるのだ。木の配置、山の見え方、岩の置き方、全て配慮してあり、不自然ではない自然な美しさがある。まるで山の中の自然に出来た温泉に入っているようだ。思わずため息が出てしまう。また今の季節も気持ちいいが、秋はもっと良いだろう。見える木々が、もみじ、楓、花札の猪の横の丸い葉の木と、秋の木々ばかりなのだ。
水面には黄色や赤に色づいた葉が浮かび、向かいの山も周りの木々も紅葉するに違い無い。きっと秋にどっぷりと浸かっている気分になるだろう。想像するだけで気分が良くなる。もっと長く書きたいがここまでにする。ぜひまたここに来たいと思う。僕の温泉史の中で一番だ。

服地温泉 長座
服地温泉 長座

服地温泉を出てまた平湯温泉に戻った。この近くに平湯キャンプ場というのがあり、そこが今日の寝床だ。途中ガソリンスタンドでストーブのガソリンを補給した。もともと満タンにしておいた灯油がとうとう無くなったのである。灯油はたった七十円そこらで、二週間以上の料理に耐えた。ガソリンストーブは本当に燃費がいい。長期の旅行にはかなりお勧めなのである。

出発地 現在地 走行距離 走行時間 総走行距離 朝飯 昼飯 夜飯
上高地 平湯温泉 12k 15分 396.7k ラーメン レトルトカレー