初心者のための登山とキャンプ入門

CarlZeiss DistagonT*F2/28mmZF.2を買う

CarlZeiss DistagonT*F2/28mmZF.2

昨日はD700を買った日記を書きました。どんな経緯で購入し、写りはどうだとか重量はこーだとか、なんてことを書きました。今日は購入したレンズの事を書こうと思います。購入したのはカールツァイスのディスタゴンと言うレンズ。28mmの単焦点、マニュアルフォーカス。D700は中古だったけれど、こっちは新品。中古はまだ売っていなかった。

カールツァイスのディスタゴン28mmを選んだ理由

カールツァイスのディスタゴン28mm
CarlZeiss DistagonT*F2/28mmZF.2

どうしてカールツァイスのレンズを選んだかと言うと、単純に写りが気に入ったからだったと思う。D700は重さを気にせず、写り重視で購入してしまったものだから、この際利便性ではなく写りが気に入ったものを買ってやろうと思った。予算が10万円までってのもあった。それとレンズが割りと小さいと思ったので、登山には良さそうだと思った。

利便性だけを考えれば、山で撮るなら超広角のズームレンズだと思う。なんてたって、ものすごい狭い尾根でも下がらずに撮影できるし、雰囲気もおさめることができる。今までは LUMIX G VARIO 7-14mm/F4.0 ASPHという超広角レンズを使用していたから、その快適さは良くわかっていた。僕の場合景色をビシッと撮るよりも登山道の様子を撮影したいから、選ぶべきは超広角でズームのレンズだと思っている。カールツァイスのレンズを買った今でもそう思っている。

でもなんだか、そんな写真を撮りすぎたせいか少し飽きを感じていた。できればもっと雰囲気のある写真で、できれば作品ぽいものを撮れたらいいなと思い始めてもいた。せっかくD700と言う素晴らしいボディを買ったのだから、クオリティの高い、自分が満足できる写真を撮りたくなったのだ。もちろん、超広角ズームのレンズでもそれは可能だろうけど、僕はそれを買ってしまうと今までと何も変わらなくなってしまう気もした。

それともうひとつ、写りの気に入ったNikkorの超広角ズームのレンズが高すぎて予算の2倍近くもしたし、長くて重い、と言うのもネックだった。カメラを一日中裸で肩にぶら下げて持ち運ぶわけだから、なるべく軽く、なるべくレンズの長さが短いものが欲しかった。そして高価過ぎるのも困ったものだ。扱いづらい。
まあそんな細々とした理由もいくつかあるけれど、最終的にはカールツァイスで撮られた写真に心惹かれた、と言うのが一番だと思う。

28mmのレンズを選んだ理由は、何だったろう。多分リコーのGR DigitalIIが28mmで慣れていたことと、カールツァイスのウェブサイトに「暗闇の中の探検家」って書いてあったから。。。「探検家」って言葉にやられた。そこに載ってる写真も間違いなく僕が撮りたい様なシーンでの写真だったし。あとはディスタゴンの28mmで撮っている人の写真で気に入るものが多かった。あとはもう買っちゃえ、って感じ。買わないとわからない事もあるんだ。

マニュアルフォーカスの難しさを知る

大井川鉄道

そういわけで、ドキドキで商品を手にした時の感想。
マニュアルフォーカス。全然ピントが合わせられない。すぐ慣れるっしょ、と高をくくっていたけれど、全然そんな事はなかった。接写ではさほど難しいとは感じないけど、1mくらい離れるともうピントがあわせられない。正直、やっちまったな~、と言うのが最初の感想だった。しかも登山デビューは翌日に控えていた。

散々撮影の練習をしたけれど、それでもピントがあうポイントを見つけられず、結局登山ではピンぼけの写真を連発してしまった。ピントがあっていない写真がどれほどむごいものか、このレンズを手にして初めてわかった。今までのカメラ、全てオートフォーカスだったからピントの重要性なんて気にした事はなかった。

しかし山で撮った写真を見ていると気に入るものもあった。樹林帯ではピンぼけ手振れを連発していたが、fを無限で撮っている風景写真はきれいに感じる物も多かった。期待を遥かに越えたとか、そこまで感動的な写りではないにしろ、個人的には満足できる風景写真を撮れたことは確かで、その辺は満足できた。

それよりも嬉しかったこととしては、その場の雰囲気を表現した質感のある写真が撮れた事だった。大井川鉄道の古い列車のボディの質感とか、その感じを表現してくれたことが非常に嬉しかった。もちろん、D700で他のレンズを試したことがないので比べられないのだけれど。

あとは色の出方も好き。発色が良いってことなのか、カメラ的に何と言えば良いのかわからないけど、鮮やかで気持ちのよい色の出方をする。遠景ではそうは感じないけど、近い距離で撮るとそう言う色の写真が撮れた。もちろん、自分の好みの色の出方っていうだけなんだけど。

カールツァイスで知ったカメラの面白さ

大井川鉄道、千頭から井川

購入した当初は、「よし売るか。売ってオートフォーカスのレンズを買おう」なんて考えていたけれど、今ではそう思う事もなくなった。写真を撮るのが楽しくなってきたのだ。ピントがあわなくてぶつぶつとやるのも楽しめる様になったし、ピントをあわせようと考えるついでに、絞りも露出も考える様になった。結局はカメラはマシーンだと思っているから、少しずつ機能が自分のものになっていく感覚が嬉しい。オートフォーカスで簡単に、ある程度綺麗な写真が撮れてしまったらそう感じる事もなかっただろう。綺麗に写っているからいいじゃないか、そんな風になっていたと思う。

それと、このカールツァイスのディスタゴンに、すごく未来を感じている。言い方が変だけれど、このレンズを使って技術を磨けばもっともっと素晴らしい写真が撮れるのを確信している。そして自分が好む写真が撮れるとも確信している。やっぱりいずれは広角ズームのレンズを買うと思うけど、今はこのレンズを使って写真を勉強して、そしていっぱい楽しみたいと思う。

そう、最後に、僕は完全にカメラの素人。そんな人のレビューでした。

2015年6月追記

D700とカールツァイスのDistagonT*F2/28mmZF.2で撮影した写真をグーグルフォトにアップしています。アップした時点で画像がかなり荒くなってしまい残念なのですが、参考になるかも知れませんのでよろしければ確認してみてください(ほとんど山の写真です)。