初心者のための登山とキャンプ入門

動画撮影用のカメラとレンズ購入記。G8とa7IIIとAircross2とFE 24mm F1.4 GMと。

SONYのa7IIIとAZDENのマイク SMX-30とiFocus-M

カメラで動画撮影がしたく、機材を買い揃えた。しかし初心者は知識もないので、あれこれと悩み間違った買い物もした。極力出費を抑える心持ちであったのに、最後にはえらい高いレンズを買っていた。
どこでどう間違ったのだろうか。自己への反省も含めその記録をまとめようと思います。これから動画を撮ろう、カメラを買おうと考えている方の参考になれば幸いです。

動画撮影機材 購入の歴史まとめ

まずは、およそ4ヶ月とちょっとの間に何を買っていったのか。その歴史をまとめてみる。

2019年10月19日:カメラ【 Lumix G8 】を買う

LUMIXのG8とFマウントのカールツァイス
LUMIX G8レンズキット
Commlite レンズマウントアダプター (ニコンFマウント → マイクロフォーサーズ変換)

LumixのG8を買う。もとから所有していたFマウントのツァイスのレンズ「ディスタゴン28mm」を使いたかったので、Commliteのマウントアダプターも一緒に買う。

結果、無事に使えはしたものの画角が全然違ってしまう。

2019年12月19日:カメラ【 Sony a7III 】を買う

SONYのa7IIIとFマウントのカールツァイス
Sony a7iiiボディのみ
K&F Concept レンズマウントアダプター(ニコンFマウント → ソニーEマウント変換)

2か月後、画角に耐えきれず、泣く泣くカメラを買いなおす。
あくまでツァイスのレンズに拘ったので、フルサイズのa7IIIを買う。そしてK&F CONCEPTのマウントアダプターと三脚なども購入。

2019年12月23日:ジンバル【 Moza Aircross2 】を買う

a7IIIとジンバル MOZA Aircross2
ジンバル MOZA Aircross2とIFocusM
MOZA Aircross 2MOZA iFocus-M

a7IIIとディスタゴンの写りには満足していたが、動画の手振れが厳しかったのでジンバル、MOZAのAircross2を買う。
レンズがマニュアルフォーカスなので、iFocus-Mも購入。外での動画撮影のためにK&F CONCEPTのNDフィルター等も買う。

下記リンク先で、Aircross2のレビューを書いています。Aircross2を使ったことで発見した問題点などの内容です。

2020年1月4日:グラフィックボード【 MSI GeForce RTX 2060 】を買う

グラフィックボード【 MSI GeForce RTX 2060 】VENTUS XS
MSI GeForce RTX 2060 VENTUS XS 6G OC グラフィックスボード

カメラとは関係ないけれど、プレミアプロでの動画処理に問題がありグラフィックボードを交換することに。

2020年1月22日:マイク【 AZDEN SMX-30 】を買う

SONYのa7IIIとAZDENのマイク SMX-30
AZDEN SMX-30

録画に満足したので、次は音に進む。ステレオとモノラルで録音できる外部マイク、AZDEN(アツデン)のSMX-30を買う。

2020年2月28日:レンズ【 Sony FE 24mm F1.4 GM 】を買う

SONYのa7IIIとレンズ GM 24mm、F1.4
ソニー FE 24mm F1.4 GM

ずっと気づかないフリをしていたけれど、やはり、ジンバル+マニュアルフォーカスは厳しいと認める。そしてEマウントのオートフォーカスレンズ、GMの24mm F1.4を買う。
NDフィルター、またレンズが高すぎるので保護フィルターも買い、保険もつける。高すぎて泣く。

現在に至る。

半年にも満たない期間であったけれど、すごくすごく長い道のりに感じ、疲れた。そして現在、とりあえずのゴールには辿り着いたかもしれない、と一息ついている。

安く済ませるつもりだったのに、なぜこんな高いお買い物になってしまったのだろうか。一番の過ちは、レンズを買いたくない、レンズを買わずになんとかしよう、力技で。という貧乏くさい姿勢のせいだろう。

次に、それぞれの機材を購入したいきさつ書いてみたいと思います。

LumixのG8を買う

LUMIXのG8とFマウントのカールツァイス
LUMIX G8レンズキット
Commlite レンズマウントアダプター (ニコンFマウント → マイクロフォーサーズ変換)

ルミックスのG8を選んだ理由

まずはなぜ、動画撮影を始めようと思った時、ルミックスのG8を選んだかというと、

  • 安い、コスパがよさげ
  • 評判がとてもよい。みんな使っている
  • マイクロフォーサーズの7-14mmのレンズを持っていた
  • アダプタをつければFマウントのツァイスレンズが使える

などがメインの理由で、購入前にはありったけの情報を調べ、検討に検討を重ね、もうこれ以上は無理だというくらい時間をかけG8の調査をした。しかし2か月でa7iiiに買い替えることとなってしまった。

画角が変わってしまった

理由は、ツァイスのレンズをG8につけたら画角が変わってしまったことだ。たぶん焦点距離は約2倍になるので、28mmが56mmほどになってしまったと思われる。

もちろん、G8を買う前にそのことは承知していたのだけれど、買う寸前になると頭からその事項は完全に消失していた。検討期間が長すぎたせいか、スッポリとそのことを忘れてしまっていたのだ。
喜々としてレンズを装着し、電源を入れ、バックモニターを見て「あれ、なんかでかくね?」と、そこで気づいたのだ。

その後の分かれ道は2つあった。

ツァイスのディスタゴンを諦めマイクロフォーサーズの良いレンズを買う道、もう一方はツァイスに拘りフルサイズのレンズを使えるカメラを買う道。

僕は後者をとった。ツァイスのディスタゴンとは長年付き合ってきたのでこれからも仲良くやりたかったし、レンズを買いだすとヤバい、という漠然とした不安があった。あるものでなんとかやり過ごしたかった。

ルミックスのG8のいいところ、気になるところ

たった2か月でサブ機になってしまったG8だけれども、素晴らしい点はたくさんある。安い、扱いやすい、そして何よりも軽い。特にジンバルと合わせた時には軽快にブンブンと振り回せる。手振れ補正もすばらしい。動画入門用としては本当に最適だと感じる。
今更だけれど、G8と良いレンズを買い、お買い物を終わらせられたら良かったのにな、と思っている。いや、a7IIIを買ったことでそう思えているのかもしれない。

気になるのはバッテリーの減りの早さとオートフォーカスのスピード。写りは倍近い価格のa7IIIの方がもちろんいいけれど、G8には機能で優っている部分がたくさんあると思う。

Sonyのa7IIIを買う

SONYのa7IIIとFマウントのカールツァイス
Sony a7iiiボディのみ
K&F Concept レンズマウントアダプター(ニコンFマウント → ソニーEマウント変換)

a7IIIを選んだ理由

なぜフルサイズのレンズが使えるカメラにa7IIIを選んだのだろうか。

一応はキャノン、ニコン、ソニーと同等のシリーズで比較はしたけれど、総合的にa7IIIが優れていると結論を出した。
そして直感もプラスした。電気屋さんで、通りすがりにa7IIIを3秒くらい持った時にビビッと来た。ハッ、と心の中にトキメキに近いものが生まれたのがわかった。3秒しか触っていないのだけれど、これだと思った。

写りは素晴らしいが、手振れが

a7IIIにFマウントのアダプタを装着すると、無事にツァイスのディスタゴンは28mmで使えるようになった。
新時代のカメラにディスタゴンを装着して写真を撮影すると、どれくらいa7IIIが優れているかがわかった。これまでずっとNIKONのD700だったから、その写りの違いに驚いた。

動画を撮影すると、手ブレがかなりひどいことに気がついた。(※今思うと、その時はボディの手ブレ補正がオフになっていた可能性もあり)
単純にカメラを持って動画を撮影しているだけなのに震えが入る。自分の緊張がカメラに伝わってしまう。これは使えるレベルではない、と思った。ルミックスG8の手ブレ補正がすこぶる良かったので、そんなつもりでいたからa7IIIの手ブレにはガクっときた。G8に続き、またまたやっちまったか、と焦った。

動画撮影の方法にもよると思うけれど、自分の様に、カメラを動かして色々なものを撮っていきたいタイプには、この手ブレは厳しいと思った。プレミアプロの補正を使うとグニャグニャになってしまうし。

ピクチャープロファイルはHLG3

ピクチャープロファイルにはHLG3を使い、LUTは「Leeming LUT PRO」を使っているけれど、色が本当に素晴らしい。他のものを全然知らないけれど、色の美しさに感動してしまう。白飛び黒つぶれもしづらい。しかし、バンディングは気になる。S-LOGのバンディングはさらに厳しい。

ジンバル「MOZAのAircross2」を買う

a7IIIとジンバル MOZA Aircross2
MOZA Aircross 2MOZA iFocus-M

手ブレがひどい撮影に対抗すべく、ジンバルを買うことにした。しかしもともと買うつもりでもあった。だから当初、安いG8を選んだのだけれど。

ジンバルは素晴らしい

MOZAのAircross2を選んだのは、値段と重さと、ジンバルで色んな設定ができる点、とか。
同じ価格帯の「WEEBILL S」と悩んだけど、ユーチューバーがあまりにも「神ジンバル神ジンバル」と連呼するので、むしろそれが怖くなったのでAircross2を選んだ。

初めてのジンバルはそれはそれは感動的だった。レンズが重たいので衝撃的な総重量だったけど、手ブレから開放されたし、一度ジンバルを使ってしまうと「もうこれなしでは撮影できない」と思わせるほどの道具だった。

マニュアルフォーカスならiFocus-Mは必須かと

ジンバル MOZA Aircross2とIFocusM
MOZA iFocus-M

しかしレンズがマニュアルなので、ジンバル使用中はピントが固定されたまま。いちいち調整するのも面倒なのです。なのでAircross2に装着できる、同じくMOZAから出ているiFocus-Mも買った。
歯車のかみ合わせのコツを得るまでは時間がかかったけれど、コツさえわかればセッティングは簡単になった。

マニュアルフォーカスの場合はiFocus-Mがないと色々と面倒だと思う。ただ、右手でジンバルを持ち、左手でフォーカス操作をしっぱなし、というのはなかなかに厳しい。重い。自分の場合レンズが重すぎるのだ。基本は両手持ちで、たまに片手に、という使い方なら問題ないと思う。

マイク「AZDENのSMX-30」を買う

SONYのa7IIIとAZDENのマイク SMX-30
AZDEN SMX-30

a7IIIとツァイスのレンズで映像は素晴らしい 。マニュアルフォーカスもスムーズ。手振れもなくなった。
物事はうまく進んでいたので、次のステップに進むことにした。いい音で動画を撮る。

モノラルとステレオで撮れるマイク

アツデンの SMX-30を選んだのは、やはりステレオとモノラルを使い分けられることにあった。価格もさほど高くない。
重いレンズにマイクまで乗せて大丈夫かと心配はあったが、Aircross2の「最大3.2KG耐荷重」を信じることにした。

音の良し悪しは他のものと比べていないのでわからない。けれど、もちろんa7III内蔵のマイクよりは良い。 SMX-30を使うことでヒスノイズも減るし、ステレオ感も増す。

ジンバルの音まで録音してしまう

しかし問題が出てきた。ジンバルの音をマイクが拾ってしまうのだ。マイクが拾ってしまう音は、ジンバルを持った時にブルブルと震える振動の音だ。ものすごい低い周波数の音だ。でもこれはイコライザーで簡単にカットできる。

しかしわざわざプラグインを使って音を加工するのは面倒なのだ。ブルブル震えなければいい。なぜ震えてしまうのだろうか。カメラとレンズとマウントアダプタとiFocus-Mが重いのだ。

レンズ 「SonyのFE 24mm F1.4 GM」を買う

SONYのa7IIIとレンズ GM 24mm、F1.4
ソニー FE 24mm F1.4 GM

マニュアルフォーカスが厳しいこと、ジンバルが重いことをついに認める

ジンバルのブルブル音を減らすには、ジンバルに乗っているものを軽くするしかない。

そして、薄々というか、最初からずっと気づいていてそれでも気づかないフリをしていたけれど、ジンバルでマニュアルフォーカスは結構しんどい。片手で持つと重いということもあるけど、それに加え”動き”に制限がでてしまう。ジンバルの良さを生かし切れていない気がする。
試しにジンバルにG8を乗っけたところ、羽が生えたかの様な軽快さで「これだ!」と思った。

撮り方にもよるだろう。そんなにカメラを動かさず、ピントをころころと変えないような撮影の仕方であればいいけれど、カメラを動かしながら被写体にあわせてピントを変えていくような場合だと、基本ジンバル片手持ちになるので、重い。右腕だけがゴリラになりそうだ。
ツァイスのレンズとマウントアダプタのセットが重い。ifocus-Mも、それを取り付けるための台座?も重い。マニュアルレンズのディスタゴンを使いたいばかりに、どんどん重くなってしまったのだ。

ツァイスのレンズをメインに据え考えを組み立てて来たけれど、ここにきて、ついにそれを放棄することにした。最初からわかっていた様な気もするが、認めたくない自分もいたりして遥々ここまで来てしまった。
また「やってみてだめだったら…」みたいな感覚はなくはなかったのだけれど、本当にやってみてだめだった。しかしどうしても、いつも自分のアイデアと好奇心に負けてしまう。

Batis 25mmとGM 24mmで悩む

レンズの選択肢は最終的にツァイスのBatis 25mmとSony GMの24mmに絞られた。慣れた28mmが良かったけれどAPS-Cの画角で撮ったり4Kでクロップされることを考え、これくらいがよかろうと思った。

Batisの中古が10万円前後でそれを買う寸前だった。しかし試しで見てみたGMの24mmで撮った映像に驚いた。解像度がすごい。今まで解像度とか気にしたことなかったし、Batisの写りで自分には十分過ぎると思っていたけれど、GM 24mmのキレキレの映像を見てキュンとなった。解像度も素晴らしいが、影もいい。

そして調べるうちにどんどんGMのレンズへと吸い寄せられた。
Batisで十分以上なのだ。色もいい。黒がいい。もっちりとした黒というか。解像度も十分だしオートフォーカスも早い。しかし、どうしてもGMのあの解像度の映像を、自分のこの手で撮って、そして見てみたい。

ここで、自分の欲求が良い映像を撮りたいとかじゃなく、ただの好奇心に変わっていることに気がついた。けれど、たぶん好奇心といものは何よりも強い。知りたいのだ。それがどんなものか。高いお金を払ってでも知りたくなってしまう。知りたくて知りたくて、夜も眠れないほどなのだ。

SonyのFE 24mm F1.4 GMを買う

Sonyのレンズ FE 24mm F1.4 GM

そして結局、末恐ろしい高級なレンズを買った。レンズに傷をつけるのが怖いので保護フィルターなる物を買ってしまったし、9000円ほどの保険にも入ってしまった。NDフィルターも買った。生まれたての赤ん坊の用に丁寧に扱わなけれならないので、道具としてはやや使いづらくもある。

けれど映りは素晴らしい。キレキレのバキバキだ。絞って風景を撮影すると、ツァイスのディスタゴンに比べて解像度が高いのがよく分かる。気のせいか、色彩が豊かになった気もする。ただの汚れを撮影しただけの動画でも、色が豊かで嬉しくなる。何を撮っても、なんだか楽しい。

そして何より、オートフォーカスだ。久しくオートフォーカスを使っていなかったので、こんなに便利なのかと思い知った。今まで”なんとなくあってる”程度だったので、ちゃんとピントが合うとこんなにもきれいなのだ。

オートフォーカスはオートフォーカスで難しい

SonyのFE 24mm F1.4 GMを買ってよかったぜー!って感じでは、今のところない。映りはそれはそれは素晴らしいけれど、自分はこのレンズの価値をまだわかっていないだろうし、全然使いこなせていない。オートフォーカスはオートフォーカスなりに撮影が難しいのだ。ピントが合わなくて煩わしいこともあれば、ピントがあっている箇所をコントロールするのも難しい。オートフォーカスという機能に長く触れ、感じを掴む修練が必要だと思った。
しかし、すごく便利で、マニュアルフォーカスに比べると色々な動きで動画を撮影できるようになった。

まとめと感想

フルサイズのボディが高いので、安く済まそうと、 最初にLUMIXのG8を買ったのがいけなかったと思う。フルサイズのレンズが使いたいなら フルサイズのボディを買うべきであった。 もしくは、思い切ってフルサイズのレンズを使わない方角に舵を取るべきだった。 方針を明確にするべきであった。予算も決めるべきだった。
中途半端に、今あるもので安く済ましたいと言うマインドが混乱と疲労と、無駄な買い物をさせてしまったのだ。

おかげでG8はほとんど出番のないサブ機になってしまった。いつか出番はあるのかもしれないけれど、今は寂しく机の上に転がっているだけだ。かわいそうである。
2つ買ったマウントアダプターや、58 mm の ND フィルター、そしてiFocus-M も使いどころがない。
いや、iFocus-Mは今後使うかもしれない。というのも、やはりオートフォーカスは素晴らしいけれどマニュアルフォーカスも必要なのだ。オートフォーカスは便利だけれど、マニュアルフォーカスでしかできないこともある。
結局重くなって、マイクにジンバルのブルブル音が入ってしまうかもしれないけれど。

なんとなくわかったことは、こういったカメラの機材なんかにおいて”完璧”というのはないのかもしれない。いずれかに少しずつ不満があって、それを解消するためにあちこちとグルグル巡るのかもしれない。 すごくお金がかかり、そして最高に疲れる。しかし、お金を使わないと分からないこともあるのだろう。でも二度とこんな経験はしたくない。

とりあえず今のところは、これ以上機材を買い足すことはないと思われる。あるとすれば G8のレンズだろうか。良いレンズを買って、 G8をサブ機として活躍させてあげたいと思っている。でもそれは多分、もうちょっと先のことだろう。

今後、時間がある時に、購入したそれぞれの機材のレビュー記事なんかをかいていきたいと思います。