初心者のための登山とキャンプ入門

初心者の雲取山登山の記録

雲取山の水場で水を飲む
石井スポーツ 登山学校

はじめに

2009年7月。登山初心者の僕とヤハケンは、東京都の奥多摩にある雲取山にテント泊の登山をすることになった。体力的に山小屋泊まりか、筑波山か箱根の方の日帰り登山を考えていたが、山岳部出身の姉の強い勧めにより雲取山一泊登山となった。雲取山の候補以外には長野県の八ヶ岳、栃木の男体山などが候補に挙げられたが、道路の渋滞や距離を考え、雲取山に決定した。
はっきりと言ってまともに登山できる自信がない。日頃動いてはいるがタバコもバンバン吸うし腰も痛い。ついでに偏平足で足が疲れやすい。そして頭痛もち。まだまだ若いのに体がガタついてきている。しかし数年も前から夢見てきた登山。何とか成し遂げ、次へとつなげたいものだ!

雲取山について

雲取山

調べてみると雲取山とはこんな山だった。東京都で一番高い山で、日本100名山の1つ。もともとは山梨県の山であったが、東京都が水源地保全のために山梨県より購入したらしい。ちなみに山頂は埼玉、山梨の境界になっている。東京都の西の西の一番端っこにある山だ。標高は2,017メートル。山頂からは富士山や八王子の夜景が見れるらしい。きっと星空もきれいであろう。初日に頂上までいけると嬉しいが・・・。

登山コース -鴨沢から-

奥多摩から雲取山までの登山地図

雲取山山頂までのコースはいくつかあると思うが、鴨沢からのコースを取り初日は奥多摩小屋にテント泊。翌日に頂上に登り、その後下山する予定にした。まあこれも僕が考えたわけではなく、姉からの指示による。山と高原地図23奥多摩(エアリア)の参考タイムによると、鴨沢から奥多摩小屋までの時間は5時間ほど。そこから頂上までは1時間。なので2日目はあれこれあわせると4時間30ほどか。ちなみにエアリアのコースタイムは、山経験者のおじさんの山小屋泊を前提とした装備での時間だ。荷物は当然僕らの方が重いと思うが、オヤジのそのタイムとどれほどの差が出るであろうか。標高差は1500m。登山の本には「はじめての登山では、標高差が300mほどの登山にしましょう」とか書いていたようないなかったような。 ちなみに青い線は車。

山行計画

1日目 タイム
小袖の駐車場から出発 10:00
堂所で昼飯 11:45
七ツ石小屋分岐 13:35
ブナダワ 14:15
奥多摩小屋 14:55
4:55
2日目 タイム
奥多摩小屋発 6:00
小雲取山分岐 6:25
雲取山山頂 - 休憩 6:55
小雲取山分岐 7:45
奥多摩小屋 8:00
ブナダワ 8:20
七ツ石小屋分岐 8:50
堂所 9:15
小袖の駐車場 10:35
4:35
疲れを癒しに温泉に入り帰路へ・・・

食事

1日目
移動中どこかで
コンビにのおにぎりかパンなど
手作りカレーライス
2日目
手作りぞうすい
コンビにのおにぎりかパン。12時までに下山できれば、奥多摩名物とろろめしorとろろそば。

以上が僕がたてた参考計画。エアリアのコースタイムをそっくりそのまま自分の計画として使った。もちろんこれよりかなり遅くなるであろうと言うことはわかりきっていたことだが、なにぶん僕らはど素人なので細かいことは良いだろうと。休憩は1時間に10分とることにしている。
1日目は出発時間も含め登りの時間がかなり危うかったが、最悪は奥多摩小屋にテントを張らず、七ツ石小屋に張ればよいのだ。もちろんこれも姉の意見である。

食事はもちろん手作り。姉の意見によりカレーと雑炊にすることにした。2日目の朝の雑炊のため、前夜に米を炊いておけばよいとのことだ。(カレーのご飯と一緒に)

相棒について -ヤハケン(撮影)-

雲取山のヤハケン

初心者の登山の相棒は初心者のヤハケンだ。ヤハケンの仕事はオフィスワークなので体力もないと思われた。中学校の高尾山遠足は病欠するほどのつわものだった。そしてものごとの計画性のなさでは僕に匹敵すると思われた。緊急時に強いわけでもなく、ぐいぐいひっぱて行くタイプでもない。しかも疲れたり眠たくなるとしゃべらなくなる、と言う特典つきだ。登山中やテントで一言も発しなくなる彼を想像して不安を覚えた。

しかし彼の一番の特徴は熱しやすい、と言うことだ。登山に行くぞ、と2人で決めた時からの短い間、彼の動きはめまぐるしかった。何も装備がないところから、高価なレインウェアと高価なアウトドアウォッチを買い、しかも僕よりも高い登山靴を買った!(足りない分は姉のレンタル)。もともとレインウェアとアウトドアウォッチは欲しかったようだが、見事なまでの投資っぷりだ。しかしこの反応の良さが彼の特徴なのである。新しいことを受け入れる頭の柔らかさと、想像力と瞬発力が持ち味。この反応の良さは僕のテンションもぐんぐんあげてくれるのだ。・・・もちろん、熱しやすいものは冷めやすいのだが。
そして彼のもう1つの特徴は気力がある、と言うことだ。先ほど「疲れたり眠くなると一言も発しなくなる」と書いたが、意外にそこからがしつこい。殴られても殴られても立ち上がるボクサーの様に、死に底ないの状態でも最後の線は切らない男なのだ。きっとこの力は山で遭難した時にも発揮されるであろう。

装備と服装の検証

装備

項目 重量 メーカー・特徴 使用後の感想
ザック 2500g モンベルのトレッキングパック55。数年前に旅用に購入。 重いし肩と腰が痛い。体にあわないのか。
テント 1610g アライテント エアライズ(2) 設営早し。軽い。
シュラフ 890g 夏用の薄いやつ。もらいもの。 薄かったがハーフパンツのみでも寒くなかった。
マット 260g リッジレスト スモール 軽くて寝心地良い。スモールでいける。
水筒 48g プラティパス・プラティパス 2 大容量、形が変形するのでパッキングに便利。ボトルより良い。
ヘッドランプ 81g メーカー不明。(姉の) 十分な明かりであった。
タバコ・灰皿・ライター 200g タバコケース、ジッポ、携帯灰皿。 ジッポ、タバコケース重し。
エアリア 42g 奥多摩(2012年版) 周りの地形を観察するために。
地形図 - 手作り地形図。電子国土ポータルよりプリントして作成。
95g 英語のお勉強のための本
タオル - タオル要らない。手ぬぐいが良いかも。
コンビニごはん2食分 - パン×2、おにぎり×2。パン×4が良かった。
ストーブ 460g MSRのドラゴンフライ 燃費も良くとろ火も素晴らしいが重い。
燃料ボトル 350g MSR エムエスアール 燃料ボトル 11oz 1泊の登山ならガスか。縦走や大人数には良い。
風呂敷 157g 頂上に行くサブザック代わりに。薄いものが良い。
ぐんて 42g 炊飯用に。今後はいらないとみた。
非常食 260g カロリーメイトのチーズ味とチョコ味。ソイジョイ×2 帰宅後全部食べつくす。
コッヘル 269g スノーピーク トレック1400 アルミ。変形して米の吹きこぼれの見極めが難しい。
シェラカップ 84g シェラクラブ オリジナル シェラカップ 200ccの目印つき。登山にはいらない。
ナイフ 117g オピネル ナイフ #12 素晴らしいが登山では小さいものにすべき。
まな板 17g 姉の手製 軽くて良い。
ランタン 180g ユーコ キャンドルランタン 素晴らしいが、荷物を軽くしたいのならいらない。
予備のシャツ 132g 使用していない。
インナーダウン 177g mont-bell/モンベル U.L.ダウンインナージャケット 軽い、暖かい。穴が2箇所ほど開いていた。
カッパ上 411g マーモットのハードシェル(ゴアテックス) かっちょいい。
カッパ下 236g 姉の。ハミックスのハミングバード。 使用していない。
ザックカバー 130g メーカー不明。 使用せず。
サンダル 516g テバの昔のサンダル。 ちょい重い。軽いのにしたい。
2000g 水場が枯れているのを想定して大量に持っていく。枯れていなかったので重いだけだった。
食材 730g カレー用。たまねぎ、ジャガイモ、豚肉。カレールー。 玉ねぎ、ジャガイモ重し。
米4食分 640g 2食分は雑炊用なので米少なめ。 無洗米が家になく面倒だった。
- 3cmほどの小さなボトルに少し入れていく。 食材を炒めるために。
行動食 - メイジのアーモンドチョコ大袋小包装のもの。 2人で丁度2日分。重宝した。チョコ溶けず。
トイレットペーパー - ちょっとしか持って行かなかったので洗いものの時に足りなくて困った。
救急セット - 絆創膏、頭痛薬、テーピング、ストッパ、ワカマツなど 頭痛薬を1つ飲む。
サイフ - もらいもの そのまま持っていったので重かった。

服装と登山靴

項目 メーカー・特徴 使用後の感想
登山靴 Caravan(キャラバン) GK-57 指先問題なし。軽くてフットワーク良し。足首の付け根が痛かった。
ソックス たしか有名なメーカーの。高い。 問題なし。
タイツ ワコール CW-X<スタビライクスモデル>メンズ 腰痛用、おしゃれ用。効果はわからず。
アンダーシャツ パタゴニアの古いモデル。ジップつき。 暖かく、わきなどは涼しい。ジップで温度調節可能。良い。
パンツ 普段着のハーフパンツ タイツをはいていたので綿100%でも問題なかった。
下着 普段用ボクサーパンツ。 タイツとの相性悪い。ビキニパンツにしたい。
帽子 普段用のハット。 問題なし。首紐が付いていればなおよし。
アウター マーモットのジャケットをカッパと兼用。 問題なし。

以上が僕の持って行った装備と服装。
装備に関しての感想は、非常に重かったの一言。それ以外の荷物も入れて14キロほどあったであろうか。山をやっている人に言わせればこれくらい大した事はないだろう。しかし僕にはかなり重かった。帰ってからすぐに軽量化計画を立てたほどだ。僕の計画によるとあと三キロ以上は軽くできる。それとあわせて、次回からは相棒と荷物を分けて持つ事が出来るので大分荷物を減らすことができるだろう。また水も2リットルは多すぎた。沢が枯れていることを想定したが、なるべくなら1000gまでとしたい。帰り道がどれほど楽であったことか。

服装に問題があったのはハーフパンツだけであろうか。替えの長ズボンを用意していないので膝下が寒かった。今後はジップオフのパンツか七分のパンツが望ましいであろう。まあカッパの下を履けば済む問題であろうが。
腰痛用にと思い切って買ってしまったCW-Xのスタビライクスモデルの効果はいまいちわからなかった。初心者の登山なので、良くなったかならなかったか、の差がわからないのだ。とりあえず脱いだ後に思ったことは、履いていないと足が重いと言うことだ。また通常の下着は縫い目がタイツに食い込むので、できればそれ用の下着を用意したいところである。

鴨沢から雲取山のコース情報

小袖の駐車場

小袖の駐車場

小袖の駐車場、と呼ぶのかは実際よくわからない。ここが駐車場かどうかも僕にはわからないが、到着した時にはすでにたくさん車がとまっていた。20~30台くらいは駐車できるであろうか。鴨沢から30分ほど歩くと丁度この駐車場の前を通る。鴨沢に駐車するよりはもちろん楽だ。

登山口

雲取山の登山道の入り口

鴨沢の登山口は、小袖の駐車場から道路を北に5分ほど登ったところを左に入る。登山口近辺の路肩にも駐車している車が多かった。

七ツ石小屋までの登山道の様子

雲取山の登山道の様子

登山道は七ツ石小屋付近までずっとこのような風景の上り坂。道の左右は植林された杉が高く伸びる。登山口付近では小袖川の流れる音が聞こえる。

1回目の水場

雲取山の水場

一回目の水場は登山道のすぐ脇にこのような水場があるのでわかりやすい。おいしい。

堂所(ドウドコロ)

堂所の道標

堂所はちょっとしたスペース。道標に堂所とかいてある。

七ツ石小屋・ブナ坂の分岐

七ツ石小屋とブナ坂の分岐

1回目の分岐点。七ツ石小屋経由で稜線にでるのか、直接ブナ坂に行くのか。水場に行きたいのなら七ツ石方面へ。

7ツ石小屋

七ツ石小屋

宿泊料金は素泊まりのみで3500円。お茶つきの休憩は300円。トイレ利用料(協力金)は50円。数量限定販売のDAKARA500mlは300円。
2009年7月の情報。

七ツ石小屋の水場

七ツ石小屋の水場

七ツ石小屋から道標に従い進むと水場が。実はここも分岐になっていって、恐らく斜め上に走っている道が、最短で稜線へとでるコースだと思われる。僕は道の選択を誤り、水場を見て左の道へと進路をとってしまう。

ブナ坂周辺の登山道

ブナ坂からの登山道

ブナ坂からの登山道は最高に気持ちがよくなる。進路左手の眺望が素晴らしい、富士山も見渡せる。

奥多摩小屋

奥多摩小屋

奥多摩小屋。収容人数70名、幕営数10。宿泊料金は1人素泊り3500円、幕営料は400円也。自炊のみ。予約は不要。頂上に軽装備で登りたい時には荷物をあずかってもらえる。水場はここから3分ほどものすごく下ったところにある。「僕が水汲んでくるよ~」なんて気軽に言ってはいけない。

奥多摩小屋のテント場

奥多摩小屋のテント場

奥多摩小屋のテント場は稜線に沿ってちらばっている。早めに到着すれば、スペシャルな場所が確保できる。遅い僕らは密集地にテントを張ることとなる。オヤジたちは星がきれいだと夜もハイテンション。楽しそうだ~。

奥多摩小屋から雲取山山頂への登山道

奥多摩小屋から雲取山山頂への登山道

奥多摩小屋から雲取山山頂までの標高差は約300m。眺望は素晴らしいがかなりきつい上り坂だ。避難小屋に泊まる予定でないのであれば、荷物を置いて軽装備で登るが望ましい。

雲取山山頂

雲取山

山頂には山頂セット一式が並べられている。

雲取山の避難小屋

雲取山の避難小屋

キレイなログハウスの避難小屋。思い出ノートなどがおかれている。登山者が多い時期には満杯になる恐れもある。就寝スペースを確保するためには早めに到着したい。