初心者のための登山とキャンプ入門

毎日アルペン号で新穂高温泉へ 夏の北陸登山の旅①

左俣谷の林道から笠ヶ岳

毎日新聞から毎日アルペン号に

東京は竹橋の毎日新聞社から、北アルプスの入り口である「新穂高温泉」行きのバス、「毎日アルペン号」が出ている。この新穂高温泉への直行バスはすごく貴重で、通常、東京から新穂高温泉に行こうとすると、電車に乗ってバスに乗ってと何かと面倒。でもそれが毎日アルペン号だと寝ているだけで着いてしまうのだ。

ということで利用させて頂いた。
予約は電話のみ。混んでいてなかなか繋がらなかった。

集合場所は毎日新聞社のビルの中。
建物の中に入るとたくさんの、大きなザックを担いだ登山者が通路を避けて待機していた。

毎日新聞社のビルでバスを待つ人々
クリックすると拡大します。毎日新聞社の中で待機する登山者。ビル内にはコンビニ、スタバもあった。

実は毎日新聞のビルに入るのは2回めで、以前、メッセンジャーをやっている時に小包を届けに来たことがある。あの頃は都心をチャリで走りまわっていて、最後は赤坂で米屋のトラックに跳ねられた。そして膝が痛くなったフリをしてメッセンジャーをやめた。そんなことを思い出した。

毎日アルペン号は新穂高温泉だけではなく白馬方面へにも向かっていて、なのでバス1台ぶん以上のたくさんの登山者がいて、しかもこれから北アルプスにゆくんだという熱気があり、独特のなんとも言えない空気を感じた。

いや、それは僕だけが感じていたのかも知れない。
僕は長年の夢であった「北アルプス長期縦走の旅」にとうとう発つのだ。新穂高温泉から剱岳を越え富山へ、縦走路を北へ北へと日々進む。そのために2週間分の大量の食料をザックにパンパンに詰めてきた。何も感じないわけがない。

カラフルなウェアを着込んだ女子からラグビーシャツでベテラン風な人まで、たくさんの登山者がバスの発車を今かと待っていた。

毎日新聞社前の毎日アルペン号
上高地、平湯、新穂高温泉と停車する毎日アルペン号。

バスはとても立派だったけれど、飛行機のエコノミークラスを思わせる座席の狭さで驚いた。最近僕は3列シートのバスで贅沢をしているので、判断基準が少し厳しくなっているのかも知れない。しかし先が思いやられる。
またバス車内にはトイレはなかったけれどサービスエリアには2回ほど停車した。

眠れない夜行バスで考える

そして予想どおり、バスでは全く眠ることができなかった。
ありとあらゆる角度とポジションを試したけれどうまくゆかない。大事なのはマクラだ、と気付き暗がりの中でフリースの中に靴下やらを詰め込んでマクラも作ってみたけれど、それも成果を出すことはなかった。ゴソゴソとあっち向いたりこっち向いたりしながら夜を過ごした。車窓の眺めを楽しむこともできない。

だんだんイライラしてきて、「夜行バス = 寝る」という考え方は少し間違っているんではないだろうか、と考える様になった。夜中にバスを走らせるのであれば快適に寝れる仕組みであるべきだ、と。
どう考えても、少しリクライニングしただけの座った姿勢は、人が寝るに相応しい体勢だとは思えない。なぜこの様な仕組みを僕はすんなりと受け入れていたのだろう。
安かろう悪かろうもわかるし、嫌なら乗らなければいい、寝れないお前が悪いという声もあるだろう。けれど、これでみな良いのだろうか。たいして眠れもせず翌日に疲れを残しても良いと言うのだろうか。僕は寝転び、そしてぐっすりと寝たい。そんなバスはないものか。
話はうーんと変わるが、日本のマクドナルドはもっと安くていいんじゃないだろうか。ニュージーランドとオーストラリアでマックに入ったけれど、誰も食後にゴミを片付けないので机の上は基本的には汚いし、床にはポテトが散乱している。それなのに値段は日本とほとんど変わらないのだ(為替によるけれど)。 ゴミの分別をしっかりとやっている我々日本人は、もう少し安い値段でハンバーガーを食べさせても頂いてもいいんじゃないだろうか。いやいや、そんなの微々たるものか。
まあいいんだ。ついでに言うと、値段も全然安く無いのにそう言ったセルフサービスに便乗している店まである。ついつい癖でゴミを丁寧に分別してしまうが、なぜこの値段でここまでさせるんだ、とジュースのプラスチックのフタを外しながら思う。飲み残しを捨てながら思う。
そして、このようなセルフサービスの店が多いせいで「食べ終わった皿はどこに片付けるのだろうか?」と普通のレストランでもついつい思ってしまうことがある。

ファミレスはドリンクバーを置いとけば良いと思っている。最近では自分の水も取りに行かなければならない。 そのうち番号札を渡されるかも知れない。

僕はイライラとしていた。
そして朝になった。