初心者のための登山とキャンプ入門

初心者の雲取山登山日記

雲取山の水場で水を飲む
石井スポーツ 登山学校

出発~小袖へ

2009年7月20日(月)AM4:00起床。思いのほか寝れたな、と思った。5分後にヤハケンから電話があり、今から向かうので4時30分には到着すると言う。彼は起きたら電話をくれるとのことだった。どうやら彼もこんな早朝に起きることが出来たらしい。購入したタイツ、ワコールCW-Xのタイツをなんとか履き、冷凍しておいた豚肉をザックに入れ準備は完了。近くのコンビにでヤハケンと合流し、出発した。
ヤハケンのテンションは普通だった。寝起きは不機嫌だろうと予想していたので驚いた。(後から知ったことだがどうやら寝ていなかったらしい。僕に心配をかけないために言わなかったのであろうか・・・)。お互い装備の話や買った服の話をしながら、少しの緊張感の中、ヤハケンの勇敢なるドライバーのもと奥多摩へと車を走らせた。

小袖の駐車場で一服するヤハケン

首都高から中央道へ、渋滞が予想できたので車を突っ走らせた。八王子インターの手前で朝食をとり、休まず奥多摩へ。緑は濃くなり、街から町へ。遠くに見える山々に緊張する。途中コンビニに立ち寄り登山中の2日分の食料を調達した。そして奥多摩に到着。駐車場は鴨沢にあると地図に記してあるが、ネットで調べるとそれより登った”小袖”と言われる場所にも駐車場があるらしい。どれくらいの量の車が停めれるかわからなかったが、時間にも余裕があったので小袖に向かった。ほぼ一車線の小袖への山道を5分ほど登ると小袖の駐車場はあった。広い駐車場だ。合計30台以上は停められると思われる駐車場に、この時既に10台くらい車が泊まっていた。AM7:42分、無事到着。予定より遥かに早い。

いざ雲取山へ

天気は薄い曇り。わずかな雲の切れ間にうっすらと青空が見える。何人かの登山客が準備をするなか、僕とヤハケンも準備にとりかかった。ヤハケンの今日のファッションは黒のコロンビアのハットに、下が黒の上が白のTシャツ二枚あわせの上級テクニック。スントのコアが腕のアクセントになり、パンツは黒の七分丈でタイツにCW-X。秘密にしておいたのに僕とかぶる。登山靴はガルモントのオールレザーのイカした奴だ。全体的に黒と白のシックな装いに、彼の趣味である一眼レフのカメラがぶら下がる。スタイルの良さもあり、他の登山者に比べもちろん群を抜いておしゃれだ。そこに派手な一行が通りかかる。

この派手な一行とは、恐らく1人が登山経験者で残りは初心者だろうか。5,6人いただろうか。とにかく派手なのだ。雑誌に載っている野外フェスのアウトドアファッションの様な格好だ。単体でいれば色使いが派手でおしゃれかも知れないが、こうも揃うとチンドン屋のご一行にも見えてくる。派手にしなくて良かった、と胸をなでおろした。チンドン屋のリーダー的な人は登山についてこう語る。「登山の服装で黒は一番良くない・・・」シャツ以外全身黒のヤハケンイラつく。僕らはご一行にライバル心を燃やした。そしてAM8:30分出発。標高830m。

雲取山の登山道入り口

小袖から道路を五分ほど北に登ったところに登山口はある。そこまでの間ザシザシと歩くがすぐ息が切れた。ついついライバル心を燃やし過ぎて大またになてしまったのか、しんどい。これで雲取山の頂上までたどり着けるのか不安になった。登山道までの道のりの路肩にも数台車が停めてあった。知っている人間はより登山道に近い所に車を停めるのであろう。

最初に目指すポイントは堂所(ドウドコロ)と呼ばれるところだ。一体どんな目印があるのかわからないが、エアリアにはそこまでの時間が1:45分と記してある。休憩は1時間に10分。僕らは必死に歩いた。ゆるい登り坂に急な登り坂が織り交ざった道だ。道の左右は植林されたスギが高く伸びている。しかし何かを感じている余裕はない。ヤハケンと話しながらだが、必死に地面をみつめながらノソノソと登り続けた。

雲取山の登山道の様子

廃屋を2つほど過ぎ、時刻表が張ってある井戸の様な場所を過ぎ、畑のようなものを過ぎ、じめっとした森の中を歩き続ける。とにかく荷物が重い。ザックのサイズの調整を間違えたのか、肩も腰も痛い。とりわけ腰のベルトの部分の痛みはひどかったので、腰で持たず、ほとんど肩でザックを背負うことにした。肩が痛くなったら腰でも荷物を持ち、腰が痛くなったら肩だけでも荷物を持つ。そうやって痛みをごまかしながら歩き続けた。この時から僕は荷物の重さを呪い始める。ヤハケンはヤハケンで僕の後ろで写真を撮りながらの登山だ。撮っては早足で僕に追いつきまた撮る。歩くリズムが狂うので疲れるであろう。しかし、それに対し疲れた言い訳をされるのも困るので、僕はそこには触れなかった。

歩き続けて50分ほどたち、良い休憩場所があったので休憩をすることにした。肩や腰の痛みに不安があったが、体力的には問題はなく、ぺらぺらと話し続けていた。が、ヤハケンは違っていた。もはや口数が少ないのである。彼の特徴はツライとだまる、嬉しいとしゃべる、これがポイントなのだが、すでにだんまり状態に。とにかく僕は軽快に話しアーモンドチョコをヤハケンに与え、彼の回復を願った。そして出発。

疲れるヤハケン

休憩後は体が軽かった。先ほどまでとはうって変わって足取りが軽かった。そしてヤハケンのトークにも張りがある。このままいけるか、と思ったがそうはいかず、きつい登りになると僕らはやはり必死だ。最高に暑い。そして僕達のスピードは遅い。後ろからバンバン、オヤジに抜かれていく。しかし、少しずつだが僕らは山の歩き方を理解しはじめる。必死な僕らは必死に楽な歩き方を考え続け、歩くリズムを作ってゆく。ゆっくりだが、厳しい登りでも疲れない様工夫しながら歩きはじめた。 そうして2回目の休憩を終え、水場を過ぎ、第一の目的地である堂所に到着。AM10:47分、標高1261m。

堂所はなんも変哲もない道しるべがあるだけのちょっと広い空間だった。堂所はここか??とあたりを見回していたら、道しるべの下の方に小さく堂所と書いてあった。しかし、僕らは何とか堂所にたどり着くことができたのだ。地図を見ると距離的には半分来たことになる。なんとかやれそうだ。テンションは一気にあがる。そしてまたそこからしばらく歩き続け AM11:30分、手頃な場所で昼食をとることにした。菓子パンがうますぎた。40分ほど休憩し登山再開。15分ほど歩くと一回目の分岐点1515mにたどり着いた。七つ石小屋を通るコースと、通らないコースだ。どっちのコースが楽なのかはわからなかったが、山の稜線に最短で出れる七つ石小屋のコースを取ることにした。またこっちのコースには水場もある。水はまだまだたんまりあるが。

雲取山 七ツ石小屋からの登山道

ここから登山道の様子が変わる。今までは杉に囲まれた土のじめっとした道を歩いていたが、ここからは岩肌のワイルドな道だ。テンションも上がるが道の角度も上がる。全行程の中で一番厳しい場所だった。そして七つ石小屋に到着した。1587m。そして前進するのだが、実はこの時僕は進む道を間違っていたと言うことに後で気がついた。7つ石小屋も分岐になっていたのだが、何も考えず予定とは違う道を僕は進んでしまったのだ。もちろん目的地には向かっているのだが、多少遠回りになってしまっていたのだ。歩きながらおかしいなあ、おかしいなあ、と思っていたのだが、家に帰ってから分岐を間違えたことに気がついた。すまん、ヤハケン。

そしてつらいつらい遠回りした登りを終え、とうとう第3ポイントの分岐であるブナダワにたどり着いた。ブナダワは広く風が良く通る場所で、遠くの山々、富士山の稜線もちらっと見ることができた。エアリアに眺望よし、と書いてあったがまさにその通りだ。この気持ちいい場所で僕らは休憩、一服する。しかし、風が気持ちいいと思っているのもつかの間。山の風は冷たいのだ。一瞬にして体が冷えたのであわててジャケットを着た。目的地の奥多摩小屋まではもう少しだ。

奥多摩小屋

ブナダワからの道のりは最高に気持ちのいいものだった。今までため続けた疲れを一気に吹き飛ばしてくれる。左手には三層にもなる稜線のシルエット。その奥には富士と空。そして道は平坦。僕らは楽しくおしゃべりを続け、時には感動し、平坦な道のりをスタスタと歩き続けた。何度か登りもあったが、そんなもの全く気にならない。気にならないどころか、奥多摩小屋に到着したことも気がつかなかった。PM 14:25、本日の目的地の奥多摩小屋に到着。予定より早く出発したけれども、予定より30分早い到着だ。1750m。

奥多摩小屋到着後のダイジェスト

その後のダイジェスト

オブジェ

山小屋にテントを張る料金を払う。

テント場

テントを張り、テント内のセッティング、米を水につける。

わーい

一時間仮眠。

カレーの準備

仮眠後カレー作りにとりかかる。しかしテントが吹き飛ぶくらいの突風と雨がぱらつくのでテント内で食事の準備。後に雲はなくなり、富士山が姿をあらわす。 そしてカレーを食う。最高にうまい。

シカ!

食事の片付けのあとまったり。まったりのあと明日の朝食の雑炊様に米を炊く。スプーンも一緒に炊き上げてしまう。鹿がやってくる。

テント内のランタン

就寝準備。テント内にランタンを灯し軽く音楽を聴き、完全に日が暮れるまで待つ。

夜のテント

夜空を見に外へ。星空と富士山の吉田口と思われる山小屋の明かりがきれいだ。風がなければもう少しゆっくりできるのだが。

そして就寝。ヤハケンは速攻寝るぅ~。

ヤハケン

翌日

朝日

AM5:00過ぎに起きる。天気は晴天。富士山とその他の山がすばらしいがハエが鬱陶しい。

上り坂

荷物をまとめ軽装備のみで頂上を目指す。道のりはかなり急だ。

避難小屋

頂上に到着。特別、な感動はないが眺望は素晴らしい。避難小屋は想像通り狭かったが、キレイだった。

ヤハケン

奥多摩小屋に戻り、下山を開始せよ!

下山開始。
ものすごいハイテンション、ハイスピードで下り続ける。ゆっくり下りたいのだが、ゆっくりだと太ももがつらいのでムリ。自然と小走りになる!

ひたすら下り続ける。ザックが上下に揺れる、サイドポケットのサンダルが飛び出す、足の裏が痛い、太ももとふくらはぎがジンジンと熱い!

下り続け下り続け、とうとう登山口へ。下りは約2時間30分。無事下山完了。

達成感と最高の気持ちよさを味わうぅ~。

ヤハケン

雲取山登山を終えて

登山が好きな人は、いったい登山のどこを好きになったのであろうか。山の自然か、虫や花か、仲間とのコミュニケーションか、その全てか・・・。人それぞれ色々な理由があるだろう。僕は前回の山形の登山でも思ったが、まず初めに思ったことは「くやしい」と言うこと。もっとスムーズに登れないものか、と。もっと楽に登れるはずだ。僕ならできる、と思うのだ。そして前回のくやしさをばねに今回の雲取山の登山に望んだわけだが、今回も思うのだ。「次こそはもっとパワーアップして楽に登ってやる」と。負けず嫌いでストイックな性格なのだろうか?早く次の山に挑みたくでしょうがないのが今の心境だ。それに加え今回は達成感と感動も味わうことができた。つらい登りを終えた時に見た景色の素晴らしさ、風の気持ちよさ、スイスイと歩けてる僕、下山した時の達成感。苦しい時間帯もあったが、感動した事も多かった。前回の山形登山とは違い余裕もあったのか、それ以上に楽しむことができたのだ。山に登れば苦しいこともあるがその分感動もまっている。普通の暮らしでは味わえない感動と興奮だ。次の山が待ち遠しくてしょうがないのである。