初心者のための登山とキャンプ入門

霧島山(韓国岳)登山① 別府から鹿児島への旅

ビートルズのインマイライフを聴いてなく人

あらすじ:九州の百名山、阿蘇山・祖母山・九重山・霧島山・開聞岳を一気に巡る旅に出ました。旅の前半戦、阿蘇山、祖母山、九重山を無事に登り終え、そして後半戦に望むため、別府に戻り温泉旅館で一泊しました。

鹿児島のビジネスホテルにて

マッサージされながら日記を書く人

2013年の4月20日の土曜日。九州の百名山を巡る旅5日目。
今は鹿児島のビジネスホテルにいる。テレビをつけマッサージチェアに座り日記を書いている。なかなか本格的なマッサージチェアで、これに座って日記を書くのはいくらか大変だ。

そう、あっという間に鹿児島なのだ。今回の旅、僕には旅の神がついているようだ。ポンポンとつながる。つながりが良すぎて忙しくなる。そして、やっぱり旅はいいなあと思う。先の事を考えながら頭を働かしていなければならないから緊張感があるし、生きている感があっていい。普段より感覚もするどくなる。街の観光とか、ぼーっとする時間もほとんどない。空いた時間には荷物の整理や服の洗濯を、そして日記を書かなければならない。日々の暮らしもこうあれば良いと思う。

別府温泉 野上本館の朝食

今朝は7時前に自然に起きた。二度寝したくて仕方ないくらいぐったりとしていたが、色々な仕事があるので諦めて起きた。のろのろと荷物をまとめ、干していたテントを片付けた。そんな事をして8時頃には朝食を食べに2階に行った。昨日の夕食は完全な一人だったけど、今朝は一組の客がいたので旅館気分があった。2人は浴衣を着ていた。

朝食はすごく豪華だった。今まで1万円を切る朝食付きの旅館やホテルには度々泊まったが、その中でも一番だと思った。品数が多いし、何より朝から火が2つあるなんてすごい。一方は湯豆腐を温めもう一方は魚のみりんづけを焼くものだ。そしておばちゃんのすすめるままにご飯もお代わりした。ご飯がぽんぽんと口に入る。このいくらでも入ってく感じがすごく気持ちいい。こんな食い方をしていると、「CM狙ってんのか?」と友人に言われる。そんな事を思い出した。

別府温泉 野上本館の朝食

レンタカーを返却、素敵な別府駅のスタッフ

部屋に戻ると部屋をなるべくもとの状態に戻す細工を施し、8時半すぎにレンタカーの西石油に向け出発した。山ばかり走っていたので心配していたが、レンタカーは傷など問題なかったようで良かった。ガソリンはここで入れて2回めになるが、合計4000円にいかないくらいで収まった。店員さんも素敵だった。
その後荷物をガラガラとひいて別府駅に向かった。まだ雨が降っていないので安心した。

週末だからだろう別府駅は賑わっていた。
携帯で調べると、なんと1時までに鹿児島中央に着けるものを発見。20分後くらいに出発なので慌てて窓口に並んだ。

別府駅の切符売り場のスタッフはみな若くて対応が素敵だった。外人さんには英語でハキハキと答えていたし、僕の質問にも的確ににこやかに答えてくれた。こんな感じの出会いが旅は嬉しい。宿のおばちゃん達も素敵だった。それにしても1時には鹿児島なんて、ほんとうに今回の旅はつながる。待ちがあまりない。ついてる。

別府駅のスタッフのイメージ

ソニック号とオアシスとビートルズ

別府からはソニック号に乗って小倉へ。
ソニック号は硬質な感じのデザインで新鮮だった。素晴らしかったのは、自由席だけれど自分の席と前席との感覚が広かったことだ。105リットルの巨大なダッフルバックをどうしたものか考えていたが、足元に余裕で置くことができた。そして利用客も少なく悠々と景色を楽しめた。

電車は出発。早速iPhoneで音楽を聴いた。いつもなら移動中は英語の勉強をするけれど、旅を満喫している時は聴く気が起きない。そしてOasisを聴いた。雨が降り始めていたし、ソニック号が速すぎて旅情緒的なものは全くなかったけど無性に心が震えた。涙が溢れた。オアシスは青春の音がする。旅にあう。
オアシスが終わるとビートルズを聴いた。ビートルズは人生の寂しさやなんやかんやを知っている。だから聴いていると幸せになる。その中でも、旅をしながらはまっていたのが ”In my life” で良く口ずさんでいた。車窓の景色を楽しみながら、色々な事を思い出しながら聴くのにいい。そして最後はビル・エヴァンスを聴いてクールダウンした。

このように、僕は旅に浸るのが大好きなのだ。高速バスでも電車でも、窓からの景色をぼーっと眺めながら音楽を聴く。そして色んな人の事なんかを考えてみたり思い出に浸ってみたりする。この瞬間が旅で一番好きだ。

ビートルズを聴いてなく人

九州新幹線と今後の予定

小倉に付くと、今度は急いで九州新幹線に乗り換えた。
九州新幹線はソニック号に比べ乗客がいたがそれでも窓側に座れた。博多では沢山の人が下りた。ものすごく速い。そして色々と見たい街があったけれど、あっという間に過ぎ去って行った。新幹線は旅情緒に浸るにはあまりにも速すぎた。

というわけで、新幹線では今後の作戦を考えていた。今日どうすべきか。結果は、今日は鹿児島市内のビジネスホテルに泊り、明日はレンタカーで開聞岳へ登り霧島のキャンプ場でテント泊、翌日は霧島に登ってその後は鹿児島市内に戻ってくる。戻ってきたらテントや火器類などのいらない物を東京に送り返し車を返却。そしてその後、夜行バスかなんかで北へ向かう。色々なプランが考えられたが、これが一番早くて安上がりだ。週間天気の事を考えるとこの方法しかない。晴れれば登り、曇れば移動だ。

鹿児島中央駅・2525レンタカーを借りる

鹿児島中央駅は沢山の人で賑わっていた。スーツケースを転がした観光客も多いし、地元の学生なんかも多い。別府くらいのものと考えていたから驚いた。そしてものすごくピカピカだった。土産屋が集まった大きな施設、観光案内所、JRの窓口、全てがキレイだったし活気にあふれていた。そして電気屋やデパート的なものも併設してるし、カフェも多い。旅をしていると感じさせてくれる駅で素敵だ。鹿児島駅に行くか鹿児島中央駅に行く迷ったが中央で正解だった。ここだ。

カフェに入ってコーヒーを飲みながら宿の予約をした。駅から5分のビジネスホテルで土曜日で4500円。部屋にはマッサージチェアがあるという。朝食つきだ。安いプラン1室のみあいていた。良さ気な宿はいくらかあったけれど、それらはどこも満室だった。スマートフォンは本当に便利だ。外は雨で皆傘をさして歩いていた。

宿が決まると西口のレンタカー屋さん、2525レンタカーに行った。そこで翌日のレンタカーを予約。1泊と12時間借り合計5000円もいかなくて安かった。受付のお兄さんも気さくな人で、お土産で喜ばれそうなものを聞くと、「かるかんやさつま揚げ、かすたどんなんて人気ですよ」と教えてくれた。

15時にホテルのチェックインだった。雨で外を歩き回る事もできないし、それまでは西口のベンチで人の観察をして時間を過ごした。

ホテルにチェックイン・ストーブでご飯を炊く

15時にホテルにチェックイン。良くある縦長のビジネスホテルだったけれど、小奇麗だし受付の人々もすごく丁寧で嬉しくなった。部屋はシンプルで良くある感じだけれど、なんと言ってもマッサージチェアが素晴らしかった。

ひと通りマッサージを終えると、登山用の靴下を洗い、一応パンツも洗っておいた。パンツを洗わなければならないほど緊急ではないが、できる事をできるうちにやったほうがいい。そしてマッサージをされながらテレビを楽しみ、日記を書いた。昨日今日と宿泊りでリッチだ。まあ貧乏旅行をするつもりではないのだけれど、新幹線を使ったりホテルに泊まったりすると贅沢をしているなあ、と思ってしまう。

米を水につけている間シャワーを浴びた。考えれば3日連続で風呂に入っている。東京でもありえない。

風呂を出るとガスストーブでご飯を3合炊いた。夜ご飯のためと明日のおにぎりのためだ。せっかく鹿児島なので夜は豚でも食べたかったが、レトルトの中華丼も余ってたし、なにより2キロ買った米がまだ大量に残っていた。なのでそれを消費しようと思った。

ガスストーブは爆音だ。もちろんホテルでストーブなんて使ったら怒られてしまうだろうからドキドキだった。デスクの下でご飯を炊き、音がもれないようデスクの周りをタオルで囲った。そんなんでも不安だったので、自らがストーブの前に座り音を吸収した。
ご飯が炊き上がると、今度は中華丼を茹でるのに合計30から40分はかかった。弱火で。その間は気が気ではなかった。いつホテルの人間が乗り込んで来るかもしれないと緊張していた。

米3合はちょっと無理があった。僕のコッヘルは2.5合が限界だったと炊き上がった瞬間に思い出した。けどやはり1合炊くよりもうまい。部屋も暖かいし条件としては素晴らしい。炊いた米は毛布にくるんで保温した。

ホテルで米を炊く人の様子

初のおにぎり作りに挑戦

美味しいおにぎりづくりの挑戦だ。手順はネットで調べた。
手に水をつけてアツアツのご飯を掴んだ。僕も大人になり、そして山に登ったりして強い男になったつもりでいたが、ご飯がものすごく熱くて声が出た。即効掴んだ米を手放した。そして手に絡みついた米を一生懸命に食べた。うまかった。

その後、ご飯をさましながらなんとか塩むすびを5つ作った。試しにかじってみたが、うまかった。少し塩が効き過ぎた感じはするが、山中では良いかも知れない。それにしても2合ぶんのおにぎりは多すぎた。持って行きたくないし、食えないだろう。ついでにさんまの蒲焼も持って行こう。そろそろ食べないと出番がないかも知れない。

手作りの塩むすび

中華丼もそこそこうまくて夜メシには満足した。やはりご飯がうまければ世の中は平和だ。そんなこんなで、何もやることがないような感じでも何となく仕事はあって、そして寝る時間になった。

明日は開聞岳だ。晴れろ。