初心者のための登山とキャンプ入門

DAY10:ナムチェでお買い物。ロッジの利用方法など

エベレストトレッキング ナムチェ

2014年10月18日。 ナムチェにて。レストの日。

6時過ぎには起きただろうか。山の朝は早く外はすでに騒がしく、またトタン屋根の上を歩きまわるカラスの足音もうるさく目を覚ました。

また下痢だ。一昨日から続いている。体の体温調節がうまくいかず冷えて下痢になったと思っていたけれど、もしかしたら食べ物からきているのかも知れない、とここに来て考える様になった。本によると、寒さや目眩なんかも一緒にくるらしい。ということで、カトマンズで買った下痢用の薬とORSを作ってちょいちょい飲んだ。今日が休みの日で本当に良かった。明日までに治るといい。

ナムチェバザールとサタデーマーケット

そんな状況だったのでどこにも行きたくなかったけれど、誘われてナムチェの町に買い出しにでた。ジョンとウォーリーはすごくまじめで、これから必要なものを相談しあったりリストアップまでしている。
彼らは食料やトイレットペーパー、シャツやグローブなんかを買った。僕はアイスブレーカーのベースレイヤーを買った。1万770ルピー。偽物だらけのネパールだけれど、触ってすぐに本物だとわかった。アイスブレーカーのシャツはメリノウールで暖かい。日本と同じ価格で安くはないが、これから先のことを考えて買うことにした。それにしても本物を扱う店があってよかったし、嬉しかった。

偽物だったらどうしよう。

サタデーマーケットをぶらっと見て、宿に戻るとザックをなおしたり金の残金を計算したりした。昼ごはんはウォーリーが疲れていたのでジョンと二人で、ボブディランが大音量で流れるビリヤードの置いてあるヒッピー的な雰囲気のカフェバーでチーズバーガーを食べた。牛肉はインドからの輸入物で、こんな腹の状態でインドからの牛肉を食うべきではないと思ったけれど、どうしても肉が食べたかったので食べた。

カトマンズもそうだけれど、ナムチェにも何でもある。手作りパンが食べられる今風のコジャレたカフェも、Wi-Fiの使えるカフェも、アウトドアの服もギアも土産も薬も買える。宿のトイレは洋式ですらある。極端に言うと、ここまで手ぶらで来てもなんとかなるだろう。

ルクラ以南とルクラ以北で何が違っただろうか。
人の多さはもちろん違うけれど、やはり一番はレモンティーの濃さかも知れない。ルクラから北に入るとレモンティーのレモンが濃くなって、酸っぱくて美味しくなった。これは嬉しいことだった。

ネパール ナムチェのお土産屋さん
ナムチェのサタデーマーケット
ネパール ナムチェの町並み
ネパール ナムチェのレストラン

旅のメモ

  • ナムチェのロッジの部屋の壁の木材にニス(フィニッシュの塗料)が塗ってあって驚いた。
  • 歯磨きは普通のその辺の水でしていて問題がなかったけれど、とうとう下痢になった(そのせいだかはわからないけど)。
  • テバナは外ではできるが、もちろん室内ではできない。ロッジで働く人間も、度々テバナのために外に出る。
  • 洋式トイレには手洗い用のオケが用意されていないのが辛いし、洋式はおしりが冷たいのでここでは適切でないように思う。
  • 3000メーター付近はかなり寒い。ネパール人もみんな寒い。
  • Wi-Fiはどこのロッジでも使えるが、どこも遅い。
  • 今のところトレランシューズで問題ない。防水靴下も役に立っている。
  • 洗濯は出来るので替えの服は少なくていい(ナムチェまでの話し。ナムチェ以降は乾かないと思われる。)
  • ダウンは厚めがいい。
  • シャワーはまだ浴びていない。水道の水で適当に洗っている。

ダルバートの話し、パート3

昨日のチェプルンの宿では、小学校高学年くらいの女の子がダルバートのおかわりの米をよそってくれた。僕の「ストップ!」の声が確実に聞こえているのにも関わらず手を止めず、しゃもじ2杯分の米を追加した。すごくゆっくり、意図的に。
小さい子供までこうだと、これはもう伝統なのかも知れない。旅人の限界以上に米を食らわすと言うエベレストトレッキングでの伝統でありもてなしなのだ、なんて風に思えてくる。ありがた迷惑な時もあるけれど、僕はこれからもおかわりを断らず受けて立とうと思う。ここまでこうやってたくさん食べさせてもらったおかげで、無事にナムチェまで到着できたのだ。

ロッジの利用方法、食事について

エベレストトレッキング ロッジのレストラン
ロッジ内のレストランの様子

チェックインと夕食の注文

ロッジを見つけたら利用人数と空き部屋があるか告げる。そして部屋をチェックし値段を聞く。だいたい安い。(イメージ的には安い値段で宿泊させ高い食事代をとるという商売)。部屋がOKなら夕食の時間とメニューを告げる。ほとんどの宿には食事のメニューが用意されている。

茶のすすめ

その時にお茶の注文も一緒にしておく。お茶のサイズは4タイプ、「カップ」、「スモールポット」、「ミディアムポット」、「ビッグポット」。カップは高くつくのでスモールポットがおすすめ。二人なら最低2杯は飲めるだろうか。夕食後にレストランでゆっくりと過ごすならミディアムポットがいい。4人いるならビッグポットがいい。
高所ではたくさん飲み物を飲んだほうがいいので、なるべくならお茶を注文した方がいいと思います。ちなみにおすすめの茶はマサラティーとレモンティー。

朝食、昼食の注文

朝食の注文は主に夕食後にする。時間とメニューを伝える。でもこれは朝起きてからでも良い場合が多い。朝食は簡単なものが多く、すぐに用意してもらえることが多い。
また昼ごはん用のお弁当様にチャパティなんかを注文してもいい。チーズやエッグなどのトッピングをお願いすることもできる。基本的に、色々な要望は受け付けてくれると思う。

洗濯とお支払いについて

洗濯は洗濯ができる場所を聞く。その際タライを借りると便利。洗濯ばさみを借りられることもある。

そして宿を発つ際にお金を払う。

ナムチェの午後と雪山装備

ナムチェは雨が降っている。休みの日でラッキーだとは思う。けれど、僕の目線のほんのちょっと上の山の斜面にはもう雪が積もっている。気圧は下がり続けている。

夕方頃、ジョンが3人分の簡易的なクランポンを買って帰ってきた。息を切らせて頬を赤くして、すごくテンションが高い。
ジョンがトレッカーから聞いた話しによると、山の上では大雪が降ったらしく、ゴーキョーではひざ下辺りまでの積雪があったようだ。我々の装備では厳しいかも知れない。そう考えたジョンは、気を利かせて1400ルピーのクランポンを買ってきてくれたのだ。
それが本当の話しならば、せめてゲーターも欲しい。トレランシューズで靴のアッパー部分はすっかすかなので、雪が入れば僕の足は冷たくて泣いてしまうだろう。それでも、ゲーターがあっても確実に雪は入るだろう。でも、少しでも少ない方がいい。

そして僕とジョンは、夜のナムチェの町にゲーターを探しに繰り出した。そして何軒目かのアウトドアショップで、みごと希望の形をしたゲーターを手に入れた。500ルピー。2人は喜んだ。

でも僕は実は、クランポンすらいらなかったと思っていた。ジョンがクランポンを買って来てくれたからゲーターが必要と考えただけで、クランポンをつけてまで登らなければならないのなら、僕は登らない。下りるだろう。そういうテーマでここまで来てしまっているのだ。

ジョンとウォーリーはすごくまじめで、先のことを考えて計画を立てている。積雪があってもなんとか僕をカラパタールまで連れて行こうと、僕の靴でも雪の中を歩ける様にと色々考えてくれている。本当にありがたいことだ。

でも申し訳ないけれど、僕は無理はしない。英語がもっと、事細かに話せたら自分の考えをきちんと説明できるのだけれど。

さて、トレランシューズでどこまでいけるだろうか。

DAY10:今夜の居場所マップ

ネパール・エベレストトレッキングマップ