初心者のための登山とキャンプ入門

ジェットスターと濡れた枕とケイコさん ミルフォードトラック日記 ①

ジェットスター機内、ボルビック

2011年1月6日木曜日、日本時間は現在6時30分、僕は今ゴールドコーストにいる。ゴールドコーストと言っても、国際線の乗り換えのラウンジでニュージーランド行きの飛行機を待っているだけだ。約50m×30mの狭いエリア内で、5時間も飛行機を待たなければならない。お店はカフェが1つとおみやげ屋が2つだけなので、見るものも少ない、タバコも吸えない。とても暇なので今日の日記を今のうちに書いてしまおうと思う。

江戸川の家を出発したのは昨日の午後4時過ぎ。東西線で西船橋まで行き、そこから京成線に乗り換えて成田に向かった。外はかなり寒かったが、バックパックが重いのでちょうどいいくらいに感じた。

成田国際空港には7時頃ついた。飛行機の出発時間は8時25分だ。
ジェットスターのチェックインでは、どうやら僕が最後の客のようで、後ろには誰も並んでいなかった。
荷物はトランクではなくバックパックなので、汚れることを恐れて70リットルのゴミ袋を用意したが、その70リットルのゴミ袋では小さすぎ役にたたなかった。このゴミ袋は出発前に母親がわざわざ買ってきてくれたものなので残念。しかし結局ジェットスターのお姉さんが巨大な袋を用意してくれたので、僕のバックパックは汚れなくて済みそうだ。
色々と気になっていたジェットスターのチェックインの方法だが、やってみるととても簡単だった。パスポートを見せ行き先を告げただけで手続きは終了した。わざわざプリントしたものを用意する必要がなかった。

無事チェックインが終わり、次は手荷物検査である。パソコンや電子機器類は出してくれというのでグレゴリーのデイパックを探ると、なぜたか手が濡れた。ぞっとした。トラベル枕がびしょ濡れなのだ。

枕が濡れているのには理由がある。
この枕は飛行機の中で使おうと思い、バックパックからデイパックに移しておいたもので、サーマレストというメーカーのコンプレッシブルピローという名のトラベル枕だ。名前の通りコンプレッションはできる枕だがいずれにせよ巨大。しかし寝心地は抜群に良いので、枕にうるさい僕でも眠る事ができる。かなり気に入ってる枕なので、出発3日前に手洗いをした。枕の説明書には、一度手洗いするとハリが出ますよ、というようなことが書いてあったのだ。楽しい旅をハリのある枕と共に過ごしたかったのだ。
しかし乾燥が完璧ではなかったようだ。外で散々干したし、出発日は乾燥機にもかけたが、それでも乾ききらなかったようだ。一見乾いたように見えていたが、コンプレッションした状態にしておくと、枕の中心の水分を吸い上げ、そして枕全体がびしょびしょになるらしい。
手荷物検査で問われるかなあ、液体の持ち込みにならないかなあ、びしょ濡れの枕を機内に持ち込む理由と言い訳を一生懸命考えていたが、大丈夫だった。しかし濡れた枕を持ったままの移動はテンションが下がる。どうにかしなければならない。

搭乗ゲートの前で枕をどうしようかなあ、なんて考えていたら飛行機の搭乗時間となってしまった。免税店も何もかも見る時間がない。
ジェットスターの飛行機に乗り込んだ。

僕は飛行機の最後部、通路側の席を選んでいた。これは成功だったと思う。後ろに人がいないと気を使わないで済むし、足元の荷物を置くスペースも増える(自分の席の下にも置ける)。トイレも近いしトイレ前の踊り場でストレッチなんかも気楽にできる。
ジェットスターのジェットセイバープランでは、与えられるものは水のみだ。ホットレモンサイズのペットボトルの小さな水だ。なので必要なものは自ら持込まなければならない。

配られた水

飲み物は手荷物検査で捨てることになるので、手荷物検査後、搭乗ゲート近くの自販で買ったものを持ち込めばよい。値段は外と一緒なので問題がない。食べ物は予め用意しておく方がいい。搭乗ゲート周辺の売店で菓子パンなど売っていたが、とても美味しそうには見えず食欲がわかない。ちなみに僕は、サンドウィッチ2つと菓子パン2つ、カロリーメイトとお菓子。あとは自販で買ったペットボトルの水2つ持ち込んだ。しかし結局この持ち込んだ水も、ゴールドコーストで飛行機を乗り換える際に捨てなければならなかった。ニュージーランドまでの水分として大切に飲んでいたが、ゴールドコーストでまた買わなければならない。

機内食を頼んでいる人が周りに座っていなかったので、機内食がどのようなものかわからなかった。ネットで予め機内食の手配をすることもできるし、もちろんその場で購入することもできる。ちっちゃいサンドイッチがオーストラリアドルで7ドル、ちょっとした食事は10ドルと12ドル、飲み物とお菓子は平均3ドルで、ビールは7ドル。変わったものは日清のカップヌードルで3ドル、というのもあった。
(ちなみにこの機内販売の「日清のカップヌードル」。旅の帰りの機内で食べる事にした。お湯を入れ、久々のカップヌードルを楽しみに3分間待ったが、味は日本のものと全く違っていた。違うラーメン、と言ってもいいかもしれない。中国人の舌に味をあわせた、中国で販売しているカップヌードルだろうか。残念ではあるけれど、やはり機内で食べる温かいものは美味しい。)

ジェットスター機内食

自ら持ち込んだラーメンにお湯を入れてもらっている人もいた。そんな事が出来るだなんて知らなかった。

また支払いはオーストラリアドルと日本円でできると言っていたが、小銭での支払いはできないと言っていたような気がする。(帰路ではクレジットカードのみ受け付けていた)
僕の選んだ席が良かったせいか、機内では快適に過ごすことができた。窓側の席の日本人男性も、飯も食わずトイレにも行かず置物の様に静かだった。僕の枕が濡れていることと、斜め前の席のアニメ好き白人女性の半ケツが気になること以外、問題もなく過ごすことができた。

午後8時30分成田発、午前5時30分(東京時間)ゴールドコースト着。9時間ほどの長旅ではあったが、その中の3分の1は眠ることができたと思う。そして今僕はゴールドコーストで、オークランド行きの飛行機を待っている。5時間もこんな狭いところで待機しなければならない。先はまだまだ長い。眠い。

そんな状況でうんざりしているなか、日本人の若い女性に声をかけていただいた。大阪から、オーストラリアにワーキングホリデーをしに来たケイコさん。今回は一時帰国ということで、大阪行きの便を待っていた。オーストラリアには既に4ヶ月滞在しているようで、語学学校に通い、ジャパニーズレストランでバイトをし、シェアハウスでコリアンの友人と楽しく暮らしているようだった。僕も一応はワーキングホリデーで来ているので、色々な有益なお話しを聞くことができた。ノキアの携帯の操作を教わるついでに、ちゃっかりケイコさんの電話番号も教えてもらった。いつか再会することができたら素敵だと思う。自分のこれから経験することを、その時共有できたら嬉しい。

こう言う出会いがあると旅をしているんだなあ、と感じる。
また旅の初日から声をかけられるなんて、幸先がいい。
良い旅になりそうだ。