初心者のための登山とキャンプ入門

DAY12:4000メートル越え。ディンボチェ

エベレストトレッキング ジョンとウォーリー

2014年10月20日。

部屋で息を吐くと白い。寝袋の顔の部分が異常に寒い。そんな感じで6時頃に起きた。宿のレストランは昨晩と同じく賑やか。食パンとオムレツを朝食に食べた。

石井スポーツ 2016冬季 岳人祭

8,516mのローツェの大きさ

テンボチェから薄暗い中、広い道を北に下っていく。寒い。かなり着込んで歩いているが、暑くならない。我々の右手にある巨大な壁の様な山が、陽をしっかりと受け止め深い日陰を作っているのだ。

下痢が続いていたので朝はウンコをしない様にしていたが、歩いていると突然ハラが痛くなりノグソをせざるを得なくなった。
テンボチェから北へと向う道はノグソをするのに適していた。平坦な樹林帯で”森”と言った方が雰囲気にあう様なところで、木々の奥へとどこまでも入り込み身を隠すことができた。これまでの旅を思い出してみると、ノグソに適している場所はここだけではなかっただろうか。そんな絶好のポイントでハラが痛くなった。神がついているとすら思った。

いつもの様に沢に下りるとまたそこから登る。そして沢に沿いながら小さな上り下りを繰り返し、右手にアマダブラム、正面にローツェを眺めながら進んだ。
ちなみに、アマダブラムは名前も良いし形が印象的だけれど僕の好みではない。見てきた中で僕が一番惹かれる山と言えば、ナムチェの向かいの壁の様な山「コンデ」だった。男らしく包容力があり、暖かさすら感じる山だ。次来た時は絶対に登りたいと思った。

ローツェはでかすぎると思った。遠目ではわからない。しかし近づけば近づくほどその大きさに驚くばかりだった。我々が4000メートルに到達しても、その頂上は遥か彼方上にあった。

エベレストトレッキングの様子1
エベレストトレッキングの様子2
ローツェ 8,516m
エベレストトレッキングの寒さ
4000m辺りから歩いていても顔面が寒くなる

ここにきて初の4000メートルを経験したが、少し足が重い気がする。
急登では酸素を一生懸命吸わなければならないが、ゆっくりと進めば問題はない。頭が痛くなったが、登山をするとザックのせいで頭が痛くなることは普通なので、標高のせいだかどうかはわからない。とりあえずイブクイックを飲んだらおさまった。

4410M・ディンボチェ

エベレストトレッキング ディンボチェ

ディンボチェまで来ると完全に荒れた山々に囲まれた世界にいる。自分はどこにいるのだろうか。何をしているのだろうか、と不思議に思う。寝て、起きて、食べ、歩き、食べ、寝る、それを繰り返している。
日々寒さが厳しくなる。ウォーリーとジョンとジャグリングを楽しむ。

小高い山に登りディンボチェの村を見下ろしてみると、大きな遺跡の中で人々が暮らしている様な気がした。ここはロッジの数は多くないが、家畜のための石垣だろうか、それらの囲いがひとつひとつ大きい。それが遺跡ぽく見えるのだろう。
山と山の間の、沢沿いの平坦で広大なスペースに、大きな都市が太古の昔から今まで、そのままの形で変わらず続いている気がした。

人々が僕のことを”ネパリ”と言うことが多くなった。鏡で確認してみたけれど、確かにそうかも知れない。日に焼けて色が黒くなってきているせいもあるだろう。
すれ違うポーター、休憩中のガイド、宿のおねえさん、みな怪訝な表情をして僕を見る。にらんでいる様にも感じる。僕がネパール人かどうか、その小さな手がかりを探すかの様に僕のことを深く観察する。なのでとりあえず、僕も意味もなくにらみ返している。

あー風呂に入って暖かいところで寝たい。

DAY12:今夜の居場所マップ

ネパール・エベレストトレッキングマップ