夜の雷鳥沢キャンプ場にて
2010/09/19-21

初心者の劔岳(剣岳)登山の日記

アラタ 劔岳登山の日記

劔岳に登るべく、東京から富山県へとはるばる向かったが、
天候がすこぶる悪く、劔岳登頂を断念せざるを得なかった。

目指す山に登れずに帰ってきたのは初めてであった。
しかし敗北感はあったが清々しくもある。

極めて内容が薄いので書くこともさほどないのだが、
参考になることもあると思い記録を残す。
そして、俺の思い出として。

2010年9月19日 日曜日 ホイコーロー

劔岳を目指したのは、俺とヤハケンとリューイチの3人だ。
初めての3人での登山。
ヤハケンはシェフ兼ドライバー、リューイチはメインドライバー、俺はバランサー。
ほとんど何もせず、移動中は後部座席で寝てすらいた。

劔岳の山行予定は、

  • 初日:立山駅→室堂→雷鳥沢で一泊。
  • 2日目:雷鳥沢→剱沢→劔岳ピストン→剱沢泊
  • 3日目:剱沢→立山経由で室堂
  • 4日目:予備日

という感じであった。

2日目が忙しくなるが、
全体を通して歩行時間も少なく、俺としては余裕しゃくしゃくであった。
なので今回は持ち物自由、テント各自!
という素敵なテーマの登山になった。

俺は劔岳山頂で飲もうと、サプライズ用の缶コーヒーを3缶持参した。
ヤハケンは稼働しないアイフォン用のソーラー充電器と撮影用の巨大な三脚を持参。
リューイチは出番のないピッケルとビン1本分のコーヒーを持参した。
共同で持つのは食事関係のみ。
贅沢品を持って行きたければ、どれだけ持って行ってもよい。
自分が頑張りさえすればいいのだ。

運転中のケンイチ
コーヒー片手に運転を頑張るヤハケン。いままでで最大の連休をゲットしたぜ。

朝5時頃都内を出発し、昼頃には立山駅に到着した。
リューイチが時速150kmでドライブしていたので、
安全運転の場合はもうちょっと遅くなると思う。

立山駅からはケーブルカー → 登山バスで室堂へ。
金額は往復で4190円。たしか4日か5日のオープンチケットだったと思う。
なので長期の予定ならば片道だけ買った方が良いだろう。
ちなみにバスのみで立山から室堂へと行くことができたが、
連休中ということもあり、それは売り切れであった。

ケーブルカーの乗車時間は数分間。特別見るものはない。
登山バスの乗車時間は・・・うーんけっこうあった気がする。
とりあえず、バスの席は進行方向の左側をとった方が良いと言える。
素敵な滝も、巨大な木も劔岳も、全て左側の席が眺めやすい。
それとザックの容量が10kgを越えると300円徴収されるので、
ぎりぎりの人は10kgを越えないよう、
装備を完全に身にまとったりして調節するとよい。
水は室堂で調達するとよいだろう。

昼飯は室堂で食べた。
「劔御膳っていうのがありそうだからそれを食べようぜ~」とか3人できゃっきゃしていたが、
駅にあるような立ち食いそばや的なものと、高級レストランしかなかった。
俺らはそば屋のほうを選んだが、とても美味しくなかった。
やはり食事は下界で食べてくるのが一番である。

標高約2500mの室堂はとても涼しい。
そして抜群の景色。
往復4190円で、しかも歩かずにこんなところに来れるなんて素敵である。
なので日帰りはもったいない。
ここまで来たのなら、せめて一泊したほうが良いと思うのだ。

ミクリガ池
本気のヤハケン。ミクリガ池前にて。

ほとんどの人が軽快な格好をしているなか、
重装備の3人は雷鳥沢へと向かう。

雷鳥沢への道は2パターン。
山を越えるか、巻いて地獄谷経由か、という感じ。
俺らは地獄谷経由を選ぶ。歩行時間は1時間ちょっとか。

地獄の景色は壮観であった。
スメルが臭すぎでゆっくり鑑賞できないのが残念である。
石畳できれいに整備された道を、ぶらぶらと写真を撮りながら進んだ。

地獄谷
本気のヤハケン地獄谷にて。それにしてもかなり暑いはずである。

雷鳥沢は、それはもう巨大なテント場だ。
山の中でこれほどでかいテント場を見たことがない。
恐らく最高潮のピーク時でもここが埋まることはないのではないだろうか。
そして、すごく開けているので開放感がある。
立山も北の方の山の眺めも素晴らしいにつきる。
空が広い。
たまに南西からやってくる硫黄の匂いが旅を感じさせる。
劔岳に登らなくたって、ここにキャンプをしにくるだけでも価値がある。

ただし、進むコースを事前に確認しておくのが良いだろう。
ガスったら完全に目標を見失ってしまうほど開けているのだ。

雷鳥沢キャンプ場
テントは三張り。向こうにはリューイチと「雷鳥沢なう」とかやっていそうなヤハケン。

テントは3人で3つ、贅沢に張った。
水場はエアリアにはなかったが、テント場近くにある管理所と、
それとは別にもう1つ、学校の水飲み場的なものがしっかりと用意されていた。
蛇口をひねると出てくる水なので、とても楽ちん。
ちなみに室堂では、岩から流れ落ちてくる水をキャッチする必要がある。

ヤハケンとリュウイチのコンビは昼間から大量の酒を食らった。
空も快晴になり、みんな口々に最高だ、最高だ、と連呼していた。

夜ご飯はヤハケンがホイコーローを作ってくれた。
忙しい中、具材をペミカンで用意してきてくれた。
ペミカンでホイコーロー!?って一瞬ひるんだけど、
食べてみたらすこぶる美味しかった。
そう言えば味噌とバターはあうんだよね。
素敵な景色と美味しいごはんで、
俺の都会のストレスや怒りや憂鬱さや物悲しさややり切れなさや寂しさは、
全て吹っ飛んでいくのであった。

夕暮れ時、雷鳥沢ヒュッテからであろうか、
オカリナ的な音色で「北の国から」のテーマが流れてきた。
なんということであろう。
とてもロマンチックに、今日を終えるのだ。

雷鳥沢キャンプ場の夕暮れ
日暮れ時、ヤハケンの三脚を使って撮った一枚。

2010年9月20日 月曜日 ビーフカレー

劔岳ピストン予定日。朝4時。
早出の予定であったが、聴こえるのはテントに当たる雨粒の音であった。
俺の祈りは天気予報を覆すことはなかった。
こうなってしまうと明日も雨で、劔岳は難しいだろう。

今日はもう劔岳ピストンはないのだからゆっくり寝よう、と思ったが、
案の定リュウの方が騒がしい。
じっとしていられない彼は早々に寝袋をしまい、
カッパを着て外をうろうろと徘徊していた。
彼らしくて笑える。

雨の中うろつくリューイチ
早朝からあたりを徘徊するリュウイチ。面白いのでテント内から激シャ。

話し合いの結果、前進するという事になった。
とりあえず剱沢まで行ってみよう、という感じだ。
もちろん剱沢まで行ったところで、劔岳に登れるとは思っていない。
明日も恐らく登れないだろう。
ただチラっとでもいいから劔岳を近くで見たかったし、
ちょっとくらい山登り感を味わいたかったのだ。
こんなに遠くまで来てそう簡単には帰れないし、
大量にとった連休もどう消化していいかわからない。

川を渡り北へ向かう。雷鳥坂から剣御前小舎へ向け登る。
結構な急登だけど、ゆっくりペースなので心地良い。
ガスで眺望もないけど、今日も3時間ほど歩けばよいのだ。
俺が陽気に歌を口づさんでいたのに、
リュウの字とケンの字は相手にしてくれなかったことを、
今、思い出した。

剱御前小舎からはゆったりとした道を下った。
しばらく進んだらもう剱沢が見える。
そしてカラフルなテント達がいくつか見える。

剱沢もとても広いテン場。
でも昨日とは違いテントは数えるほどしかない。
空が晴れるのをじっと待っているかのように、
カラフルなテント達は灰色の地面にしがみついているようだった。

時折、ガスの切れ間から劔岳の一部を望むことができた。
一服剱だろうか前剱だろうか。
とにかく山の傾斜が半端ない。
こんなに鋭い山みたことないよってくらい、
山の稜線から剱沢にかけてストーンと落ちている。
とてもとてもカッチョイイ山である。
登りたくてウズウズしてしまう。

ガスって見えない劔岳
剱沢のテント場から。時折ガスがなくなり山が見える。

相変わらずテントを3つ張った。
しかしこんなに早く着いてもやることがない。
劔岳はごくたまに、その一部を見せてくれるだけなのだ。

劔岳山頂用のサプライズ缶コーヒーを皆に与え、飲む。
リュウイチのコーンポタージュを頂き体を温める。
ケンとリュウは酒を飲む。
俺のテントの中にみんなで入り、
牛タンゲームをしたり、神様について話したり、
山のキノコの話やエレベーターの話しをする。

そして各々のテントに戻り、昼寝をした。

テントで暖を取るケンイチとリューイチ
我が家で酒を飲み暖まる二人。来客はとてもうれしい。

目を覚ますと素敵な匂いがただよってきた。
ヤハケンが夜ご飯の準備をしているようだ。

今夜はビーフカレーだ。
このビーフカレーの具材も、ヤハケンがペミカンで用意してくれた。
手頃なサイズの肉や野菜が入り、
大量のバターはカレーをマイルドにし、
ローリエは爽やかさを演出した。
とてもうまいのである。

日が落ちていくにつれ、風が強くなり寒くなった。

外にいることもできなくなり、二人ともそれぞれのテントに帰っていった。
俺は風の強さが気になり、テントのロープをしっかりと張りなおした。
テントに戻ると体をウェットティッシュで拭き、就寝準備を整えた。
きっと寝れないだろうなあ。

寝袋に体をもぞもぞともぐり込ませ、
テントの天井をヘッドライトで照らし、
ぼーっとそれを眺め続けた。

風がとても強い。

「アラタさんのテント大丈夫っすか!?」と気にかけてくれるリューイチ。
「俺のは横向きに張ったからやばいね!なおしたい!」と俺。
「一緒になおしましょうか!?」と素敵なリューイチ。
「でもその間にそっちのテント飛ばされるかもよ!!」と俺。
「・・・。」

返答なしっ!!

おやすみ!寝てしまえ!

2010年9月21日 火曜日 強い風

ずーっと知らないふりをしていたけれど、
やっぱり朝まで無視し続けるわけにはいかないようだ。
風はますます強くなるばかりだ。

というようりも、
こんなうるさい中で眠れるわけがない。

ヘッドライトをつけテント内を見まわす。
テント内のスペースが半分ほどになっている。
つり下げ型のインナーテントが風によって圧迫され、
内部空間がものすごく狭くなっていたのだ。
たまに「バコン」という音とともに水しぶきが顔に降りそそぐ。
ちょっと外をのぞくとどうやら、
テントの位置さえ動いてしまっているようだ。

フライシートがバッコンバッコン暴れまわっている。
よくよく耳をすますと、ヤハケンのテントもバッコンバッコンいっている。
何の音だかわからないけど、「ザ、ザ、ザ」と
テントの外で4、5人の兵隊が歩きまわっている音がする。

突然あたりが「シーン」となる。
少し期待する。
すると山の遙か上のほうで「ゴー・・・」という音が聴こえる。
くるぞ、と思う。
その直後、「バコーン!」という音とともにテントに衝撃が走り、
テント内に水が飛び散り、外の兵隊が駆けまわる。
フライが暴れ馬になる。
寝袋に入った足を45度あげてテントを押さえる。
腕でテントを押さえる。
リューイチのテントから意味不明の叫び声が聴こえる。

いやあもう無理だ。
劔岳を寝ながら見たいって、
風に対してテントを横に張った俺がバカだった。
風をあなどり過ぎていたなあ。
今更方向転換は面倒だから、
とりあえずフライをしっかりと貼りなおそう。
その間にテントが飛ばなきゃいいが。

覚悟を決めた。

ヘッドライトを頭に装着し、カッパの上を羽織る。
登山靴の紐もしっかりと結ぶ。
頭が冴えている。
ちょっと楽しんでいる自分に気づく。
風が落ちつく瞬間まで一服する。
そして外にでた。

ものすごく強い風だけれど、
俺がテント内で想像していたような光景ではなかった。
実際に目でみると大した事ないってのはよくあることだ。
兵隊も暴れ馬もいない。
強い風と雨があるだけで、いつもと同じ山の中だ。
だけど20キロはあると思われる石が
テントに引きずられたあとがある。
本気でテントを張りなおす決意をする。

これでもですか!これでもですか!と、
動かすのも大変な巨大な石を運び、テントのアンカーとした。
テンションもあがってきた。

リューイチのアンカーも城の石垣の様で笑える。
2箇所ほどはずれていたが、なおしてあげない。
ふと下に目を向けると、不必要に連れて来られたピッケルが、
雨に打たれて悲しそうで、笑えた。

ヤハケンのテントのアンカーは全滅で
フライがインナーにびしっと張り付いてセクシーになっている。
きっとめんどくさがりやの彼は朝までこのままいくであろう。
効果はないだろうが、 とりあえず簡単になおしてあげた。

これで修繕は無事に終わった。
テント内も多少ではあるが、静かになった。
あとは眠るだけである。

ZZZ・・・。

目を覚ますと、相変わらず外は荒れていた。
風は弱くなるどころか、向きを変え強さを増していた。
リューイチが何かを叫んでいる。
ヤハケンも何か言っている。
そうか、俺はこれで起こされたのか。

やっと眠れたんだからもう少し寝ようぜ、と思ったけど、
リューイチは撤退したくてたまらないようだ。
体がぽかぽかして気持ちがいいのに。

しかしリューイチに反対するまともな理由は何一つないので、
俺も撤収の準備を始めた。
外が明るくなってきた。
撤収作業をしているテントもいくつかあった。

テントが飛ばされるかもしれないので、
3人で1つずつテントを撤収していった。
こうなってしまうと1人1つのテントはやっかいだ。
これは夜中フライを張りなおす時にも思ったことだ。

3人とも必死でテントを片付ける。大声をあげながら。
でも何だか楽しい。
みんな異様にテンションが高いのだ。
こんなのが山らしくていいと思う。

俺とリューイチのテントは無事であったが、
朝まで放置し続けたヤハケンのテントに穴があいていた。
昨日のカレーの残りも飛び散り、
俺のテントの前室にあったゴミ袋も飛ばされていたが、
全てきちんと回収することができて良かった。

それにしても、本当に強い風だった。

あとで聞いた話しだけど、
この剱沢で、姉の知り合いだかなんだかのソロテントが、
人が入ったままごろごろと転がっていったそうな。
テント内に大量の水が浸水し、
テントに穴を開けて水を出したこともあったそうな。

俺らが帰路で出会った人は、3回来て3回ともこんな天気で
登れなかったと言っていた。

劔岳に登れなかったのはとても残念だけれど、
登れなかった山、というのもそれはそれで素敵だ。
自分の中の目標の1つとなり嬉しい。

ちょっと遠いけれど、
次回は風がやむまで剱沢にはりついてやろう。
登れるまで何日も粘ってやるんだ。

また来るからよ~、と真っ白で見えない劔岳に思い、
強風と雨を体に浴びながら、
俺らは剱沢をあとにした。

みなさんお疲れ様でした。

ヤハケン 劔岳登山の日記

ナメていた…、完全に山を…
思い返すとキャンプのノリで剱岳へ行ったようなもんだ。
そりゃ~、いかん。がしかし、良い経験ができた…と思う。

だって、初日の行動時間が1時間だし、
2日目も3時間でテン場に到着してしまう行程なのだ。
なので、料理長の自分は料理メインを考慮した山行装備になってしまった…。
コレが後で痛い目にあうハメになる…。

運転するリューイチ

2010年9月19日、早朝5時過ぎ、
自宅まで、Ryuichi氏が車で迎えに来てくれた。
とても、ありがたい。そして途中合流のアタラ氏も一緒だ。

自宅のブラインドから窓の外をのぞくと
タバコを吸ってるRyuichi氏が見える。
その後ろでアラタ氏の様子も見える。
そこへ大荷物の自分が合流する、今回は初の3名での登山なのだ。

今回の剱岳は富山県立山まで車で向かう、走行時間7時間のロングドライブだ。
途中で運転は交代したのだが、運転手が2人なので、とても楽なのである。
しかも、サブドライバー的存在なので楽をさせてもらった。

そして、車は富山へ目指し出発をする。
連休2日目、早朝な事もあり、混みも無くはスムーズだ
軽快にドライブしていく。

渋滞にハマる事もなく、昼頃には富山県立山駅に到着をする。
駐車場は連休な事もありいっぱいだった。
駐車スペースに止める事ができず、通路に縦列駐車をして
なんとか無事に到着できた。

周りの駐車場はドコもいっぱいで予想以上な混み様である。
なんとか駐車できた事に胸をなでおろす。

立山駅駐車場の込み具合

ケーブルカーを待つ

立山駅から、ケーブルカーとバスで室堂へ向かう
往復で、結構な金額でビックリした気がするが
もう既に記憶が曖昧だ…。調べると、4,190円だったらしい。

ケーブルカーはめちゃくちゃ混でいて
景色も見えず、カメラを構えてたのに、石材しかとれず。
バスも補助席を使うくらいいっぱいで、
アナウンスのあるスポットは見えずテンションは下がる。
しかも「ガキの田」という水たまりみたいなモノも見つけられない。
ドコにあったのだろうか…その辺も教えてくれると嬉しいのだが
見つける事ができない落ちこぼれは置いて行かれる。

バスで離ればなれになったRyuichi氏が称名滝の写真を撮っている。
名所を何一つ見れていない現実。
その30倍ズームを備えたカメラの写真に期待を込めた。

唯一バスでの盛り上がりは、遠くに見える剱岳。
緊張と期待が、一気に盛り上がる。

そして立山駅から1時間ぐらいで、室堂へ到着をする。
バスを降りるとひんやりする…予想以上に涼しい、しかも空も曇っている。
立山では日差しが強く暑かったのに…。

なにわともあれ、室堂のターミナル内の立ち食いそば屋で昼食をする。

地獄谷、本気のケンイチ

そして、出発。

しばらく歩くと天気もよくなり
カッパ&防寒着の兼用のゴアテックスを脱ぎたくなるのだが
脱ぐタイミングを逃してテン場まで、我慢するハメになる。
しかも、自分1人だけ何だが本気な格好だ。

周りは観光地。

気合いの入り様がハンパ無い格好の私。
そして、ピッケルを握り、何時滑り落ちても大丈夫そうなRyuichi氏。
しかしココは安全だ。雪は無い・滑る坂も無いし、階段がちゃんと整備されている。

おかしな気合いの入ったトリオは浮き気味な感じで進んで行く。

途中、ミクリガ池があり、水に映った山と空を写真にとり。
(風が無いともっとキレイに撮れたのに、少し残念。)
地獄谷を通り、(硫黄の匂いがスゴイ!!! 強烈だっ。)
テン場である、雷鳥沢キャンプ場へ向かう。

1時間くらいで到着。

…昼過ぎである。

今朝、5時に出発。
11時半、立山到着。
12時半、室堂到着。
14時くらいには、テン場に到着している。

つまり、歩いた1時間以外、乗り物に乗っている。

ゆる過ぎる…。

しかも、テン場に着いて
テントを設営してしまうとやる事が無い…。

写真撮影、テントの真ん中で話す。
飽きるとその辺をブラブラ…。

到着1時間で、やる事を見失う…。

ヒマだ…。

雷鳥沢でまったりする二人

する事がなくなったので、
Ryuichi氏が持って来たウイスキーを
水割りで飲み出す…。

昼過ぎから酒。
正月くらいぬるいのである。

そして、ほろ酔い加減で夕方に料理スタート。

今回は、「ペミカン」という保存のワザを
(具材に火を通し、バターやラードで固める事)
活用してきたのだ。

しかし、個人的にチャレンジ精神が燃え上がり
どれだけ、ペミカンは万能か?という実験を込みつつ
ホイコーローを初日のメニューに持ってきた。

以外に、バターまみれでもホイコーローは美味しかった。
…が後半バターの量がハンパ無くて、くどい感じがした。

そして、18時には飯も終了。
暗くなって来たのでおのおのテントでマッタリする。
ゆるい…。一般登山の最難の剱岳なのに、
こんな緩くていいのだろうか…?そんな事を思いながら
とりあえず、寝てみる。

2時間たった頃だろう。
時計を見ると20時半くらいだ。

トイレに行きたい事で目を覚ます。

…………っ!!!?。少し気持ち悪い………。
なんとか両方、落ち着いてくれないかな~?っと
もう一度、寝てみるが、10分後…。

さらに強く「トイレに行きたい」、と思いが強くなっただけだった。
諦めて、シュラフを脱ぎ、外へ出る。
靴がなかなか履けない。相当、酔いが回ってるみたいだ。

結局、トイレに着くまでに、3回くらいコケた…。
そして、1回テントに突っ込んだ。
すぐ様、謝るが…。最悪なヤツだと自分にがっかりしたが。
足もおぼつかないし、目も見えないくらい。
少しの間、うずくまって落ち着くのを待ったり、
回復を望んだが、トイレの願望が相当強くなってきた。

すっげーギリギリセーフでなんとか、やり過ごした。p>

…飲み過ぎだ…。気温が涼しいので
酔いの周り具合の判断をミスしてしまった。

その後、しばらく外で涼み、酔いがさめるのをまつ。
そしてテントに戻り、自分のコントロールの出来なさ具合を反省する。

24時くらいに、誰が起きている音がする。
おそらく、アラタ氏だろう。
Ryuichi氏のテントから「グゥ~・グゥ~」と音がする。

起き上がって、外に出てみようかと一瞬悩んだが
先ほどの醜態があるので、明るく振る舞う自信がない。
1人おとなしく反省をする。

そして、夜が明ける前の4時過ぎ。
Ryuichi氏はもう動きだした音で目を覚ます。
ガスっているし雨も降っている
寒いし、寝袋から出る気が起きない。

雨の落ち着くまで待機する予定なのだが
Ryuichi氏の気合いの入り様を見ると動かないと行けない気がする。

そして、雨の弱まった時を見て出発。

今日は、雷鳥沢から剱沢を目指す。
時間と天気によっては、アタックもあり。

ガスで景色が見えないなか進む。
山も何も見えない。
剱沢の近くに来た時、少し剱岳が見える。
しかし、一服剱や剱御前くらいまで。
剱岳ピークは望めない。

その後、全貌を望める事を祈ったが
それ以上、見える事はなかった。

昼過ぎに剱沢へ到着したのだが
剱への往復は6時間かかり、今日は無理だと判断。

また、まったりする。
今回は本当に緩いのだ。する事もない。
とりあえず、テントを張り。
アラタ氏が持ってきた、ビックリサプライズの
「エメラルドマウンテン」を飲む。
本当は、剱岳のピークでプレゼントの予定で
もって来てくれたのだが、こんな所で飲めるとは
本当にビックリした。

しかも、普段は甘過ぎると感じるのだが
山だと丁度良い。美味いのである。

エメラルドマウンテンを飲むケンイチ

そんなこんなで時間をもてあまし。
夕方にカレーを作る。
コレもペミカンで具材を持ってきたのだが
バターの量がハンパ無い。
カレーの辛口によくあい。
美味しいバターカレーができた。

みんながお昼寝をしている最中に料理してたのだが、
ココでも1人でパニックに落ちる。

それは、お米を炊いてる最中、カレーを煮込んでいる最中。
ストーブからガソリンが漏れていたのだ。
こんな所で、爆発事故を起こしそうになっていたので、
1人テントで、てんやわんや。
あわや、全員を巻き込む爆発事故を起こす所だった。

山のニュースで爆発事故はありえないだろう。
注目され、バカにされるのが思い浮かぶ。
そして、顔を隠してこれから生きて行く。…それは辛い。
必死に漏れたガソリンを拭き。燃えないように気をつける。

…が、その漏れたために、その後燃料切れになる。
明日の朝食のラーメン・予備の雑炊が食べれなくなった。
…ショック…。

ショックはとても大きかったが、とりあえずカレーは美味かった。

そして、雨も降りはじめ、
ガスも濃くなってきたので、
各テントでまったりする。

どれくらい時間がたっただろう。
気がつくと風が強くなってきた。
雨も降っている。

時計を見ると、まだ21時くらいだったかな?

テントちゃんと直さないと。と思いつつ
めんどくさいので、またウトウトする。

そして、テントが風でバッサバサなる音で目を覚ます。

風がスゴイ。テントが小さくなっている。
横や縦面の壁が顔にペタっと着く。

テントがゆがんでいる。
というか風で吹き飛ばされそうだ。

横のRyuichi氏のテントの方から
「寝袋が濡れたっー!!!」「クッソー」という
怒りの言葉が聞こえた。

コッチもどうしようも無い状況なので
フォローせず、無言で流す。

風が迫ってくる音がする。
そして、衝撃。
顔にテントがくっつく。
テント内が濡れる。
まだ、夜22時。
夜明けまで、まだたんまり時間がある。

風で飛ばされたら…など
対処方法を想像するが、
飽きてきたので、テント内の気温を計ってみる。
12度、涼しい…。
というか今回料理メインで考えた装備なので寒い。
晴れてる前提での装備だ。

う~ん、ヒマだ。
こんなんじゃ、なかなか寝れないし。
話し相手も居ない。

iPhoneのバッテリーも少なくなってきてるし
音楽も聴けない。

…何しに来たのであろう。
厳しい自然を満喫しに来ました。としか
言いようがない。

そして、
早朝、まだガスも濃いし。
雨も降っている。
一応、各テントで簡単な朝食を取る。

昨日の話をするが
どうも、自分のアライのエアライズは
バナナのような形になってたらしい。
テントも一部破損してしまったのも納得がいく形をしていたようだ。

天候など考え、装備もヤラレて来たので撤退をする。
まだ風が強い。その中、一気に3人協力して
1つのテントをたたむ作戦だ。

なんだか、テンションが上がる。

室堂へ向かう途中、
北海道からの登山者の方と出会う。
この方は3年連続、剱岳には登れてないと聞く
やっぱり、剱岳って相当な山みたいらしい。
ナメ過ぎていたと思う。装備も自分の心構えも…。

昨日の暴風と雨も
映画「剱岳」でみたのと同じかも?と
測量隊はすげーなぁ~なんて考えつつ戻る。

結局、どの山のピークを踏む事なく。
すっげー元気なまま、駐車場へ到着。

その後、小川山へクライミング&キャンプ予定だったのだが
満場一致で、直帰に決定。

また、6~7時間かけてのドライブ。

今回は、達成感なんてモノはない。
装備や対処方法への悔しさがいっぱいなのだ。

「厳しい自然の中、美味しい料理を食べに来た。」
Ryuichi氏が昨日言ってた言葉が
今回のテーマにぴったりな今回の山だった。